辛酸なめ子「サヨナライツカ」を“ナナメ視点”でぶった切り
2010年1月9日 20:04
[映画.com ニュース] 中山美穂の12年ぶりとなる主演最新作「サヨナライツカ」(イ・ジェハン監督)の公開直前記念試写会が1月9日、東京・渋谷のシアターTSUTAYAで行われた。映画の舞台の中心がタイ・バンコクのため、同国の魅力を知り尽くした達人として、漫画家でコラムニストの辛酸なめ子、フードコーディネーターの寺田真二郎、インテリアコーディネーターの岩田博文、タイ古式マッサージ師の宮原由佳が上映後にトークショーを行なった。
この日の試写会は、グレードセンティッドオイルキャンドルとの合同企画で、「贅沢な時間をあなたに」とのコラボレーションによるもの。映画は、タイのバンコクで決して結ばれることがないと知りながらも恋に落ちた男女が、25年という歳月を経て永遠の愛に目覚めていくラブストーリー。
“タイの達人”の4人だが、実は辛酸はタイに行ったことがないという事実が発覚。「わたしだけタイと何も関係ないんですが……」と恐縮しながらも、「タイ料理はよく食べます。生春巻はタイ料理ではなく、ベトナム料理なんですよね。お金のために(店が)イヤイヤ作っているって聞きました」と毒舌モード全開だ。
さらに、映画の感想について「クラシックカーをもつことがステイタスみたいな、今の日本に失われているバブルの良さが表れていた。思い出深いセリフが頭の中でリフレインするとか、はしゃいだ沓子(中山)の『バカッ!』という言い方も、なんだか昔のトレンディドラマ風。日本人の監督なら恥ずかしくてやらないようなことを、この監督はやり抜きましたね」と辛らつな“辛酸節”でアピールした。
また、沓子と豊(西島)の婚約者・光子(石田ゆり子)という対照的な2人の女性についても「私は光子タイプ。沓子みたいにいきなり服は脱げません」と意外な告白。そして、「光子は雰囲気はおっとりしているのに、ポエムはどちらかというと男性的。『最後に誰かを愛したことを思い出す? それとも愛されたことを思い出す?』という言葉の呪縛で夫を縛っていて、最後までその言葉に取りつかれた夫は、さも自分の発言のようにパクって沓子に言っていた。光子がいちばんやり手で“念”も強い。本妻の生き霊はバカにできない」と持論を展開し、映画の余韻に浸っていた場内は大爆笑に包まれていた。
「サヨナライツカ」はアスミック・エース配給で、1月23日から全国で公開。
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