渡部篤郎監督作「コトバのない冬」来年2月公開決定に「素直にうれしい」
2009年12月2日 11:33
[映画.com ニュース] 俳優の渡部篤郎が原案、監督を務めた「コトバのない冬」の劇場公開が、2010年2月に決定。渡部監督は、「素直にうれしいですね。昨年から海外の映画祭へ出品し、世界中の多くの方々に見ていただきましたが、やはり日本での公開は特別な思いがします」としみじみと喜びに浸った。
同作は、高岡早紀を主演に迎え、北海道・夕張で3週間にわたって撮影を敢行。落馬事故でほんの少しだけ記憶を失った女と、言葉を話せない男の交流を軸に描く。変化のない日常に幸せを見出す主人公を高岡が演じ、渡部監督自ら相手役を務める。広田レオナ、渡辺えり、鈴木一真らが脇を固めた意欲作だ。
昨年の第21回東京国際映画祭コンペティション部門に正式出品され初お披露目。その後も、第46回台北金馬映画祭Gala Screenings部門ノミネート、第11回バルセロナアジア映画祭コンペティション部門正式出品など、5カ国の映画祭で上映された。それでも、渡部監督にとっては日本での公開決定に強いこだわりを見せていただけに、「ロケ地としてお世話になった由仁町の方々へ公開のご報告ができることを、本当にうれしく思います」とコメントを寄せた。
渡部監督は、撮影当時を振り返り「高岡さんの演技にとても助けられた」と述懐。「どのように撮ろう」というような演出方法は考えなかったそうで、「キャリアのある女優さんですので、高岡さんの良さをそのまま伝えられたら……と考えていました。撮影が進むにつれ、自分が想像していた以上に素晴らしい演技をしてくれたので、その力を見て改めて高岡さんを素直に撮ろうと思いました」と絶賛した。
「コトバのない冬」はジョリー・ロジャー配給で、2010年2月から東京・渋谷のユーロスペースほかで公開予定。