オランダの新進女優、M・ハッソーニの魅力満載な「ドゥーニャとデイジー」
2009年11月6日 16:48

[映画.com ニュース] 第80回アカデミー賞外国語映画賞のオランダ代表に選ばれ、国内で数々の賞を受賞した人気TVドラマの映画化「ドゥーニャとデイジー」(ダナ・ネクスタン監督)。ドゥーニャを演じる主演のマリアム・ハッソーニが来日し、インタビューに応じた。
映画は、モロッコ出身の真面目なドゥーニャと自由奔放なオランダ人のデイジーが、複雑な事情を抱えながら、オランダからモロッコまでを2人で旅するロードムービー。
「TVシリーズのドゥーニャとデイジーはまだ思春期で、悩みといえば『スクーターが欲しい』とか『彼氏とケンカした』程度だったけれど、映画では『自分は何者なんだろう』という疑問を持つの。そして私自身もドゥーニャと一緒に成長したという事実が、作品によく反映されていると思う」
映画の設定と同じく両親がモロッコ移民だというハッソーニだが、「確かに育った環境は似ているけれど、厳格なイスラム教徒であるドゥーニャの家庭に比べると私の家はもっとリベラルだった。そのことでドゥーニャは母親と揉めてしまうけれど、私はお母さんと友だちみたいな関係で、宗教や考え方を押し付けられることはなかった。ラマダンも自分でやろうと思ったらやるの」と話す。引っ込み思案なドゥーニャは結婚相手を両親に決められそうになるが、そんなときのハッソーニの対処法はユニークで聡明。「万が一、私がああいう状況に置かれてしまったら、お歯黒したり嫌味な態度を取ったりして、お見合い相手に断られるように仕向けるかな」
ハッソーニは、同作のネクスタン監督が手がけたTVドラマ「犠牲」で女性テロリスト役を熱演し、2006年に国際エミー賞を受賞しているオランダ期待の新星。大学で法律の勉強をしていたが、今年から女優業に専念するそうで「何をしていても常に人権問題には関心を持っていたい。多国籍・多宗教でも同じ社会で生きていけるということをみんなが認めたら、オランダはもう1つ先のステップに進めると思う」と今後の壮大なビジョンを語った。
「ドゥーニャとデイジー」は、11月7日から公開。
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