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イニャリトゥ審査委員長が警鐘「映画はTVの延長線じゃない!」

2009年10月25日 19:59

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45分間にわたる熱論を展開!
45分間にわたる熱論を展開!

[映画.com ニュース] 第22回東京国際映画祭が10月25日、ブルガリア映画「イースタン・プレイ」の東京サクラグランプリなど3部門戴冠で閉幕。クロージングセレモニー後、コンペティション国際審査委員長を務めたアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥが総評を語った。

イニャリトゥ審査委員長は、9日間(17~25日)で15作品を審査し終えてホッとした表情で登場。審査に当たって、観客の立場に立って見ることを審査員に提案したそうで「警察官のように『審査する』のではなく、五感もしくは六感にグッとくる作品を探そうじゃないかと言ったんだ。その中で最も心を揺さぶられたのが『イースタン・プレイ』だったんだ」と振り返った。

審査に当たった原田美枝子イエジー・スコリモフスキらとの意見の相違もなかったといい、「主要5部門のうち4部門が満場一致だった。ほかの作品が良くなかったわけではなく、3部門を独占した『イースタン・プレイ』が際立って抜け出ていたんです。カメン・カレフ監督の意図した『皆さんにお見せしたい』という誠実性がにじみ出ていた」と絶賛した。

また、現代の映画界に警鐘を鳴らすことも忘れなかったイニャリトゥ監督。「イースタン・プレイ」に主演しながら、クランクアップ前に薬物の過剰摂取で死去したフリスト・フリストフが劇中で口にしたセリフ「自分で立つだけの力はあるが、立ったあとに立ち続けるための支えを持っていない」を引用し、「現代の映画界の状況を反映した言葉だと思う。メガプロダクションのバカげた映画と、インテリに見せようとしていたら出口がふさがってしまったインディペンデント映画ばかりで、最も気の毒なのは観客だ」と問題提起した。さらに、「映画はテレビの延長線じゃない! 興行収入しか考えない作品があまりにも多いが、映画は人間の心を伝達するものなんだ!」と熱く訴えた。

「イースタン・プレイ」が東京サクラグランプリのほかに監督賞、最優秀男優賞に輝いたカレフ監督は、「トロフィーが重すぎて、持って帰るのに新しい鞄を買わなきゃ」とおどけながら登壇。ロケ地のイスタンブールで死去した主演のフリストフとは親友で、薬物依存から立ち直ることを願って銀幕の世界に誘ったという。それだけに、受賞の瞬間は「とてもショックで、それでいて感動的だった。なぜなら、賞というものは前向きに生きていくための励ましとして受け取るものだと思うから」と沈痛な面持ち。それでも、「亡くなった人の思い出を皆と分かち合うことも重要。彼の人生というものを、色々な人と考えていきたい」と語り、笑顔をのぞかせていた。

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