88歳の主演女優と女性監督に聞く「マルタのやさしい刺繍」
2008年10月17日 12:00

[映画.com ニュース] 夫に先立たれて生きる気力を失っていた80歳の主人公が、若い頃の夢を実現させるために再出発する姿を描き、07年度米アカデミー外国語映画賞にノミネートされたスイス映画「マルタのやさしい刺繍」。主演のシュテファニー・グラーザーとメガホンを取った女性監督ベティナ・オベルリに話を聞いた。
スイスの小さな村に暮らす80歳のマルタは、最愛の夫に先立たれて抜け殻のような生活を送っていたが、ある日“自分でデザインした刺繍をあしらったランジェリー・ショップをオープンさせる”という若かりし頃の夢を思い出す。しかし保守的なこの村では、マルタの夢は軽蔑の目で見られるだけ。それでもマルタは、友人3人とともに夢を実現するため動き出す。
オベルリ監督は、スティーブ・ブシェミ、ハル・ハートリーなどインディーズ映画を中心に活躍する俳優・監督に師事し、長編第2作目の本作がオスカー候補に挙がる快挙を成し遂げた新鋭監督。「スイスでは男性より女性の方が8年寿命が長いという統計があって、遺された女性は何をするんだろう?という疑問からこの映画が生まれたのよ」と話す監督に、なぜランジェリーを題材に扱ったのか聞くと、「おばあさんが“もう一度花を咲かせる”というテーマを映像化するのに最も適していた。ランジェリーは女性を官能的に見せるものであると同時に、閉鎖的な田舎の村で店をオープンするのに革新的だと思ったの。しかも、ランジェリー自体に花の刺繍があしらわれているので、実際に花を咲かせているのよ」と、女性らしい答えが返ってきた。
自分の店を持つ夢に向かって頑張るマルタを演じたグラーザーは、1920年生まれ。芸歴70年の大ベテラン女優で、若いオベルリ監督との仕事について「私にとってベティナは孫のような年齢。実際、ベティナはマルタ役に彼女の祖母をイメージしていたのよ。でもね、年齢の差は仕事をする上でまったく問題なかったわ」と語る。現在88歳の彼女に、その年齢でアクティブでいられる秘訣を聞くと、「常にポジティブシンキングで楽しく過ごしているわ。何か嫌なことがあってもすぐに忘れることが秘訣かしら」と語る。映画では裁縫に人生の楽しみを見つける主人公を演じているが、グラーザー自身は裁縫はまったく出来ないそうで、「ケーキを真っ直ぐ切ることも出来ないほど不器用なの」といたずらっぽい笑みを浮かべた。
「マルタのやさしい刺繍」は10月18日より公開。
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