徹底的にリアルに描いた高校野球映画「ひゃくはち」の森義隆監督
2008年8月8日 12:00

[映画.com ニュース] 8月2日より高校球児たちによる熱戦が繰り広げられている甲子園球場。その高校球児たちの聖地である甲子園を目指す野球名門校の万年補欠球児たちの青春を描いたドラマ「ひゃくはち」が8月9日に公開となる。本作で長編映画デビューを果たしたドキュメンタリー出身の新鋭・森義隆監督に話を聞いた。
本作は、神奈川県の甲子園常連校、京浜高校野球部の補欠部員、雅人(斎藤嘉樹)とノブ(中村蒼)が、あの手この手で最後の夏の甲子園大会のベンチ入りを目指す姿を描いた物語。かつて高校球児だったという森監督は、「徹底的にリアルな高校野球の映画を撮りたかった」と語る。「高校野球って一般の人たちから見たら、“清く美しく”っていうイメージで認知されていて、ある意味聖域だし、その清らかさに憧れて、僕自身もやってきたところもある。だけど、実際中に入ってやってみると、野球をしている人間はまだまだ未熟な高校生だし、性欲満々の男の子たちだし、聖域でありながら、中で起きていることはもっと人間くさくて、そこらへんのギャップを大切にしたかった」
本作製作にあたって、多くの取材を重ねたという森監督。球児の喫煙シーンや合コンといったリアルで等身大な高校球児像を描く一方で、特待生制度問題やプロ野球の裏金事件など、昨今の高校野球の問題が垣間見えるシーンも登場する。「もっとブラックに描くことも出来た題材だったし、補欠っていうことをもっと暗く哀しく描くことも出来た。でも渦中にいる球児たちは純粋に一生懸命で、前向きであることは間違いないと思う。そういうバランスの中で、最終的に今の形に落ち着いたんです。それに、昨今の諸問題に関して告発しようとかそういう気持ちは全くなくて、ただ清濁を飲み込んだ形でリアルな高校生の青春像を描きたかったという感覚でした」
そのリアルさへの飽くなき追求は、当然出演者にも向けられ、斎藤、中村らメインの俳優4人には3、4カ月間の野球の訓練を課したという。「俳優たちからは文句だらけでしたよ。事務所から文句が来るくらいにやりました(笑)。でもそれは、キツい練習を重ねる中で連帯感みたいなものが出て、画面に映ると思ったから。また、主役の斎藤と中村には、万年補欠なのになぜ野球を続けるのか?ということを役者として彼ら自身に問いかける意味もありました。彼らのパーソナリティと役がどこかでリンクしたところを撮る、つまり彼ら自身のドキュメントにする狙いもあったんです」
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