松坂慶子は怖い人?名作の初の実写映画化「火垂るの墓」公開
2008年7月7日 12:00
[映画.com ニュース] スタジオジブリ製作のアニメでも知られる、野坂昭如の直木賞受賞作を初めて実写映画化した「火垂るの墓」(公開中)が7月5日、公開初日を迎え、東京・神保町の岩波ホールにて、日向寺太郎監督、出演者の吉武怜朗、畠山彩奈、高橋克明、谷内里早らによる舞台挨拶が行われた。
映画は、太平洋戦争下の神戸を舞台に、空襲で母親を亡くした14歳の清太(吉武)と4歳の節子(畠山)という幼い兄妹の姿を描く。当初は「TOMORROW 明日」「美しい夏キリシマ」「父と暮らせば」の“戦争レイクイエム3部作”で知られる名匠・黒木和雄監督の新作として企画が進められていたが、黒木監督が06年4月に急逝したため、愛弟子である日向寺監督がメガホンを受け継いだ。日向寺監督は、黒木監督作品を長年上映してきた岩波ホールで初日を迎えられたことに、「黒木師匠に縁の深いこの場所に立つことが出来て嬉しい」と感慨深い様子で挨拶した。
一方、幼い妹・節子を演じた畠山はまだ5歳で、「リヤカーに乗れて楽しかった。(母親役の松田聖子と)折り紙で鶴やラッコを作って遊んだ」と無邪気に話すなど、その愛らしい振る舞いで観客を魅了。さらに、松坂慶子演じる親戚のおばさんから怒られるシーンでは本当に泣いてしまったそうで、司会者から「松坂さん、怖かった?」と聞かれると、黙ってコクリとうなずいて場内の笑いを誘った。
また、兄・清太役の吉武は「僕は今、高校生ですが、同年代の人たちに見てもらい、戦争について考えてほしい」と語り、国広富之の実娘で本作でデビューした谷内は「初めてのカメラの前の演技で無我夢中でした」と振り返った。