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「ジュリアン・ムーアは本能で演じる」、「美しすぎる母」の監督絶賛!

2008年6月6日 12:00

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スキャンダラスな題材を 知的かつ耽美的に撮り上げた監督
スキャンダラスな題材を 知的かつ耽美的に撮り上げた監督

[映画.com ニュース] 1972年ロンドンで、アメリカの大富豪ベークランド家の息子による実際起こった母親殺害事件を、オスカーノミニー女優ジュリアン・ムーア主演で描く「美しすぎる母」(6月7日公開)。本作のトム・ケイリン監督に話を聞いた。

親子間の殺人事件は現代社会でも後を絶たないが、この映画が描く事件は、「子が親を殺すという事件の、もしかしたら一番最初の有名なケースかもしれない」と監督。悲惨な事件の背景には、「メディアの暴力的な表現や家族形態の変化といったことがあるのかもしれないが、そういう要素はこの事件が起きた72年当時にはなかったこと。この事件はあくまで、このベークランド母子間の独特な関係性に起因していると思う」

貧しい家庭に生まれ育ち、上流階級への憧れが強い母バーバラ。その激しい性格に愛想をつかした夫は去り、残された1人息子アントニーは、母の偏愛を受けて育つ。そして、成長したアントニーとバーバラは母子でありながらも禁断の愛で交わり、やがて母親はその息子に殺されてしまう。

バーバラは人間的に極端な行動に走ってしまうわけだが、「バーバラを断罪するような映画にはしたくなかった」と監督は強調する。そのために力となったのが、主演のジュリアン・ムーアだった。「ジュリアンのすごいところは、一見シンパシーをおぼえないような人物でも、人間味溢れるキャラクターとして演じることが出来ること。彼女は本能で演じる。『アクション!』の声がかかると、どんなヘビーな役にもすぐに入り込んでいくんだ」

また、映画の気だるく危ういデカダンなムードを引っ張る息子役の新進俳優エディ・レッドメインも注目だ。「アントニー役は100人程のオーディションから最終的に5人に絞った段階で、ジュリアンと脚本の読み合わせをした。その1人目がエディだったんだけど、その時点でジュリアンが言ったんだ。『他の4人に会う必要があるかしら?』ってね。しかも奇跡的なことに、彼はジュリアンの息子といっても違和感がないほどルックスも似ているんだよ(笑)」

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