泥沼化した米脚本家組合ストに急展開、早ければ今週にも合意?
2008年2月4日 12:00
[映画.com ニュース] すでに米脚本家組合(WGA)ストライキは3カ月半にも及び、2月24日開催予定のアカデミー賞授賞式開催に暗雲を漂わせているが、米映画テレビ製作者連合(AMPTP)との再交渉に入って11日目となった2月1日、“急展開”が見られ、両者から早ければ今週中にも、合意の声明が発表されることになりそうだ。
WGAストライキが泥沼化したのは、インターネットや他のデジタルメディアによる2次使用料をめぐる問題をめぐってのもの。スタジオ側はTV番組や映画作品のプロモーションとして一定期間のストリーミングを認めてほしいと要望を出していたが、対する脚本家側は2次使用を断固禁止し、両者の言い分が食い違っていた。争点はその支払額で、2次使用料を一律1200ドル(約13万円)を上限としたいスタジオ側に対し、脚本家側は番組で得た収入の歩合(パーセンテージ)を要求していた。
ところが、ニューヨーク・タイムズ紙や業界紙バラエティは、両者の協議において、このほど支払額で妥結した模様だと報じた。
長らく続いた今回のストライキにより、映画スタッフへの支払いは滞り、映画やTV作品の延期などが相次ぎ、その期間の映画テレビ業界全体の損失は6億5000万ドル(約695億円)、ロサンゼルス地区全体の経済的損失は10億ドル(約1068億円)にまで膨れ上がったと言われる。88年のWGAストライキは22週続いたが、それよりもやや短い15週間で解決しそうな見込みだ。1万500名の脚本家の大多数の承認をもって、ストはようやく決着を見る。