カンヌも愛したヒューマンドラマ「迷子の警察音楽隊」主演俳優に聞く
2007年12月21日 12:00

[映画.com ニュース] 10月に六本木と渋谷で行われた第20回東京国際映画祭で、最高賞にあたる東京サクラグランプリに輝いたイスラエル・フランス合作のヒューマンドラマ「迷子の警察音楽隊」が、間もなく公開される。映画祭での上映の際に来日した主演のイスラエル人俳優サッソン・ガーベイに話を聞いた。
文化交流のためにイスラエルに招かれたエジプトのアレキサンドリア警察音楽隊は、なぜか空港に出迎えがなかったために自力で目的地を目指す。ところが行き先を間違えてホテルすらない辺境の町に迷い込んでしまい、町の食堂の美しい女主人の提案で地元民の家に一泊させてもらうが――。
本作は東京国際映画祭グランプリのほかにも、カンヌ映画祭「ある視点」部門でも国際批評家連盟賞、ジュネス賞、本作のために特別に設けられた“一目惚れ賞”の3冠を受賞している。
劇中で、深い悲しみと寂しさを秘めた寡黙な音楽隊のリーダー、トゥフィークを演じたガーベイも、「脚本をもらう前に読んだ2ページほどのシノプシス(あらすじ)を読んだ時から、トゥフィークという人物がどんなキャラクターか、感覚的に分かっていた」と主人公に“一目惚れ”していたことを明かし、「へき地ともいえる田舎が舞台のこの映画は、モダンライフに付き物の多忙さはなく、シンプルに暮らしている人々の話なので、そういう部分も楽しんでもらいたい」と見どころをアピールした。
映画では、エジプトとイスラエルという言葉や国境、宗教を越えた2つの国の人々の交流をコミカルに描いているが、歴史的に見ると両国の関係は決して穏やかなものではなく、さらにイスラエルは現在も解決の目途が立たないパレスチナ問題を抱えている。「皮肉なことに、周りで紛争や軋轢が起こると俳優の仕事は増えるんだ。アラブ軍のリーダー役や、テロリスト役をオファーされたりね」と、悪化する情勢に反比例して活気付くショービジネスを苦笑するガーベイは、シルベスター・スタローン主演の「ランボー3/怒りのアフガン」の中で、ロシア軍に対抗してランボーと共に戦うアフガンの戦士に扮している。本作の内容と関連はないが、併せてチェックしてみては。
「迷子の警察音楽隊」は12月22日より公開。
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