ジョン・レノン殺害犯の行動を追った「チャプター27」監督に聞く
2007年12月11日 12:00

[映画.com ニュース] 1980年12月8日、ジョン・レノンがニューヨークの自宅“ダコタハウス”前で1人のファンに射殺され、世界に衝撃が走った。あれから27年、ジョン・レノン射殺犯マーク・デイビット・チャップマン(ジャレッド・レト)を主人公に、事件に至る3日間を描いた「チャプター27」が12月15日より公開される。本作を手がけた28歳の新鋭J・P・シェファー監督に語ってもらった。
「チャプター27」は、今も服役中のチャップマンが事件を起こすまでの3日間の行動を克明に追うことで、「なぜ彼が、熱烈なファンだったジョン・レノンを殺害したのか?」という真実に迫る。
チャップマンはレノン殺害時に「ライ麦畑でつかまえて」(J・D・サリンジャー著)を所持しており、彼は同書の主人公ホールデンに自らを重ね、行動した。世間に対する鬱屈した感情や、クリスマスに近いニューヨークで過ごす3日間という部分も、まるでホールデンと同じだ。それ故に監督も、チャップマンの過去を堀り下げることよりも、事件の3日間を描くことに的を絞った。「今は監獄にいるチャップマンが当時を回想するように物語るという構成も、ホールデンの回想形式になっている『ライ麦~』と同じなんだ」
監督自身、ビートルズやジョン・レノンの音楽を聞き、「ライ麦~」を読み、それらに影響を受けて育ったというが、全く同じものに影響されたチャップマンは、敬愛するはずのレノンを殺害するという理解しがたい行動をとった。「この映画を撮ることで、到底理解できないチャップマンを追いかけてみようと思った」と製作の動機を語った監督。撮り終えた今、チャップマンとは果たしてどんな人物だったのか?
「そもそも人間を完璧に理解することは不可能だけど、一つ理解できるのは、チャップマンは間違いを犯したということだよ。人間は誰しも狂気や欲望、幻想を抱いていて、そのために自らを陥れてしまうことがある。一線を超えてしまうと元に戻ることはできない。そういう意味では、チャップマンを少しだけ理解できたかもしれない」
映画は明確な答えを提示しているわけではないが、人の抱える心の闇について、考えるきっかけにはなるかもしれない。
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