チャタレー夫人の心情と性愛を描く、「レディ・チャタレー」の女流監督
2007年10月31日 12:00
[映画.com ニュース] フランス映画界のアカデミー賞とも言われるセザール賞において、06年度に作品賞、主演女優賞など最多5部門を受賞した「レディ・チャタレー」が、日本でも間もなく公開される。女性ならではの視点で、チャタレー夫人の心情と性愛を描いたパスカル・フェラン監督に話を聞いた。
1921年、第1次大戦により下半身不随となった夫(イポリット・ジラルド)と裕福ながらも冷え切った生活を送るコンスタンス(マリナ・ハンズ)は、雇い人パーキン(ジャン=ルイ・クロック)と過ごすうち愛し合うようになり、やがて官能に目覚めていく。大胆な性描写により、本国イギリスはもとより、日本を含め世界各国で出版の是非をめぐる裁判が起きたイギリスの文豪、D・H・ロレンスの代表作「チャタレー夫人の恋人」。しかし、あまりにも有名なこの小説には、第1稿から第3稿までが存在し、広く世に出たのは第3稿であることはあまり知られていない。
本作は、この第3稿ではなく、一部でのみ出版されている第2稿を原作としている。フェラン監督にその理由を尋ねると、「第3稿は登場人物たちが饒舌で、自らの行動を説明しすぎるきらいがあるのに対し、第2稿は秘密めいた部分を残しながらも、内面の変化が顕著に描かれていて感動的でした。“人間がこの世に存在してから初めて語られるラブストーリーなのではないか”と思うほど、純粋な愛の物語だと感じたのです」との答えが返ってきた。
「ロレンスが伝えたかったであろう思いを観客に届けたい」と語るフェラン監督。「お互いに裸になって花を飾り合うシーンは、2人の心が一体となったことを表しています。また、雨の中で裸で走り回るシーンでは、子供のように喜びを体全体で表現しているのです。どちらも原作にあり、私にとっても重要なシーンでした。主人公たちの精神的な変化はもちろん、彼らが身体を触り合っている感触や、匂いまでも楽しめるような、五感に訴える作品にしたかったのです」
「レディ・チャタレー」は11月3日より公開。
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