原作者をも驚かす、ベネチア出品アニメ「パプリカ」
2006年11月21日 12:00

今年9月のベネチア国際映画祭でコンペティション部門に出品され、改めて海外における日本製アニメーションの人気ぶりを証明した「パプリカ」。本作の今敏(こん・さとし)監督に話を聞いた。
原作は筒井康隆の同名小説。他人と夢を共有できる精神医療の最新機器が何者かに悪用され、やがて夢の世界が現実世界を脅かしていくという物語。これまでも夢と現実の境界が曖昧になっていく作品世界で、高評価を得てきた今監督だが、今回は集大成とばかりにイマジネーション溢れる夢の世界を描ききっている。「以前の私の作品は『話を語るための画』だったのですが、今回は『画を紹介するためのストーリー』。いかに不可思議なビジュアルイメージが出てくるかに、重点を置きました。夢の世界の話ですし、溢れ出るイメージとその繋がりを楽しんでもらえればと思います」
文庫本で約470ページの原作に比して映画は90分と短めだが、圧倒的なイメージの奔流に、あっという間に時間が過ぎてしまう気がする。「90分から溢れるくらいの、お客さんが受け取りきれないくらいのアイデアを詰め込もうと思いました。それでいて最後には不思議な気持ちが残るような……。そうでなければ、この作品は映像化する意味がないのではと思いました」
原作ものを映像化する際は、「原作者を喜ばせ、何か驚きを味わってもらうものにしたい」と語る今監督。「原作が好きな方は怒るかもしれませんが、単になぞるだけなら原作のままでいいんです。(映像化は)原作の枠を借りてきて想像力を広げることこそが、望ましいと思っていますから」。そんな本作に対し、原作者の筒井氏は、「(この映画化は)快挙です。(この映画を観て) 『パプリカ』が自身の一番の傑作だったのかもしれないと思わされた」とのコメントを寄せている。
「パプリカ」は11月25日より全国順次ロードショー。
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