少女たちの世界を耽美的に描く「エコール」。監督が語る
2006年10月31日 12:00
※06年11月3日(金)の「ニュース&噂」は祝日のため更新をお休みさせていただきます
少女たちの世界を耽美的に描く「エコール」。監督が語る

高い塀で外界と遮断された深い森の中の学校。そこには教師や寮の世話人を含め男性が存在せず、6歳から12歳までの少女たちが学び、暮らしている。その様子を耽美的に描いた「エコール」のルシール・アザリロビック監督が、作品について語った。
森の中で戯れる少女たちの姿は、作品の原題「Innocence」が示す通り純粋無垢。しかし、そこがどこであるのか? なぜ女性ばかりなのか? 少女たちはどこから来て、どこへ行くのか? 時代はいつなのか? 状況が不明瞭なままの物語には、いつか何かが起こりそうな不安感を覚える。「私も原作(フランク・ベデキント著「ミネハハ」/リトルモア刊)を読んだときは、何が起こるのだろうかと思っていました」と語る監督だが、やがて「物語の流れそのものが物語になっているということに気づき、その言いようのない雰囲気を映像化しました」。設定は原作通りにしつつも、「汎神論的な部分や時間の普遍性を意識し、場所や時代を感じさせない作りにしました」と監督。「主人公が最初に学校に来たときの、そこがどこなのかわからない感覚を観客にも味わってほしいのです」
そのために音作りにもこだわった。音楽を排して、森や川の音など劇中で実際に少女たちが耳にする音を取り込んでいった。「いまの映画音楽は説明的すぎる傾向がありますが、私は観客に自由に考えてほしいと思いました。そういう意味でも音楽は入れませんでしたし、自然の音は時として音楽よりもドラマチックですから」
そんな世界に暮らす少女たちに、教師は「服従こそ幸福への道」と諭す。聞き様によっては抑圧的な考えではあるが、監督は「それこそが教育の根源ではないでしょうか」と語る。「あの学校で、少女たちは服従を強いられてはいても、あの枠内では幸せに暮らしています。子供の教育で一番最初に教えることは、親の言うことをきちんと聞くということ。無理矢理に型にはめてしまおうという考えは不安感を覚えますが、すべからく教育の最も基本となる部分には、そうした概念があると思います」
11月4日より、シネマライズにて公開。
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