「カポーティ」は「心理学者の手法を応用した映画」。監督が語る
2006年9月26日 12:00
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「カポーティ」は「心理学者の手法を応用した映画」。監督が語る

フィリップ・シーモア・ホフマンが05年度アカデミー賞主演男優賞を受賞した、この秋の話題作「カポーティ」。カポーティ渾身の傑作「冷血」の完成までの道のりを描き出した伝記ドラマで、「冷血」はノンフィクション・ノベルという新たなジャンルを開拓し、死刑制度の是非や取材者のモラルなど様々な物議を醸したことでも知られる。監督のベネット・ミラーは長編劇映画のデビュー作で、アカデミー賞監督賞候補になった俊英だ。
「実際のカポーティを知る人もまだ生きているし、『冷血』のモデルとなった事件の関係者や親類もまだ生きていますから、ディティールを詰めるのがとても大変でしたよ。それに陰惨な殺人現場を再現するのは、とても苦痛でした」と撮影の苦労を振り返った監督は、殺人犯ペリー・スミスを演じたクリフトン・コリンズ・Jr.の好演についても触れ、「なかなか決まらなかった役でしたが、彼の姉が送ってきてくれたビデオを観て、時間のないところを駆けつけてもらってオーディションをしました。オーディションではカポーティに殺人を告白するシーンを演じてもらいましたが、その演技が本当に素晴らしかったんです。彼は役に入り込んでしまって、ずっと泣いていました」と明かした。
通常の映画よりもシーンの終わり数コマが短いように編集され、静かなドラマながら、次のシーンへのリズムを生んでいることについては「もちろん意図的に行った編集です。心理学者のジャック・ラカンが言っていたことで、患者に対しては診断時間は5分でも40分でもいいのですが『ここで終わりなの?』と思わせるところで診断をやめると患者は、そこが最重要だと感じるそうです。その考えを今作では編集に取り入れています」と話し、最も観てほしいシーンとして最後の飛行機のシーンを挙げ、「最後の飛行機のシーンではカポーティは苦悩しているが小説に必要な全てを手に入れた。しかし、この時点でカポーティの中の何かが死んでしまった。ここでのフィリップの演技も素晴らしいので注意して是非観てほしいですね」と語ってくれた。「カポーティ」は9月30日よりシャンテシネほかにてロードショー。
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