「前衛的で実験的に舞台劇のような映画」ハンガー・ゲーム0 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
前衛的で実験的に舞台劇のような映画
確かに青春ライトノベルが原作の若者をターゲットにした軽い映画と
高を括っていた。
しかしどうだろう?
車もテレビもビデオもある時代。
戦争が続いて食糧不足で、人間の心は荒廃している。
支配的立場の父親が暗殺された貧しい孤児のコルレオーナス・スノー
(トム・ブライス)は出世と金を得るため「ハンガーゲーム」に
参加する。
12人の挑戦者たちが互いに戦って勝者の一人を選ぶゲーム。
その中で最弱の12番目の挑戦者ルーシー・グレイの教育係として。
ルーシーは「ウエストサイド・ストーリー」の
マリア役のレイチェル・ゼグラー。
彼女は歌姫の設定で、予想外に勝ち上がって行く。
そしてスノーこそ後の独裁的な大統領スノー
(ドナルド・サザーランドが演じた)なのだ。
つまり「ハンガーゲーム」の前日譚が「ハンガーゲーム0」。
このリアリティ番組のような構成の映画は必ずしも成功したとは
言えないが、真面目で実験的で誠実な構成である。
動物園の檻の中に閉じ込められる挑戦者たち。
そして廃墟のコロシウムで素手で戦わされ、敵は毒蛇だったり、
それを実況するテレビ局といった時代設定で、ルールも次々と書き換えられ
更新されて行く。
学生部長のピーター・ディンクレイジ、
博士役のヴィオラ・デイヴィスの美しくメイクした姿と、
舞台装置のような美術などなど、
詰まらないと切り捨てるのは簡単だが、
刺激的な挑戦を感じた。
強者が勝者とは限らず、
真面目な優しい心が、独裁者に育つ環境など、
中々面白かった。
共感を有り難うございます。
そうでした。親や弱者を思い遣る心があったはずのスノーが、次第に能面のような表情になって、独裁者の芽を育てていく物語。
背景や設定を始め、登場人物の表情やセリフは、確かに「舞台劇」でしたね。琥珀糖さんにおっしゃられて感じました。
琥珀糖さんの個人の感想、みなさん楽しみにしてますから、ぜひぜひ率直な感動を伝えてください。
私の映画偏差値の低さが悪いんです😭…私も本当はあんまり悪い評価つけたくないんです!w