「ヒロアカの映画として出さないでほしかった」僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト みゅさんの映画レビュー(感想・評価)
ヒロアカの映画として出さないでほしかった
いったい何を見せられたんだろう…というのが所見の感想。
楽しみにしていた気持ちを返してほしい。どうしてこうなったんだ?
ダークマイトは本当に話題性のみ。中身はない。ペラペラ。
部下も何故ダークマイトについてきているのか全く分からない。
それならせめて、もう一方のオリジナルキャラクターをちゃんと掘り下げてほしかったが、ジュリオとアンナについては、設定を盛った割(これもご都合個性といえばそうだが)にそれが活かせていないというか、アンナという女性がどういう人だったのかがずっとぼんやりしていて、ジュリオがアンナにしてくれたことはわかるしアンナがジュリオに対して特別な感情を持つことは分かったが、逆にアンナがジュリオに何をもたらしてくれた人なのかというところが見えず、ジュリオがどうしてそんなにもアンナを助けたいと思うのか、というところがこの映画だけではいまいち分からず、感情移入ができないまま最後のシーンになって、ぽかんとしてしまう。
最後、アンナのほうが「これであなたは自由よ!」とジュリオを解放しようとするがジュリオが「何おっしゃってるんですか。あなた紅茶のひとつもろくに入れられないでしょう。」と言ってこの先も一緒にいる選択をする、とかならまだ感動的だったかもしれないなと思う…
なにより、話の根幹として、ダークマイトの目的もはっきり分からない上に、アンナの個性も止めないとじゃあ最終的にどうなるのか?というところが分からないので、みんながいったいどこに向かって闘っているのか、という、物語の終着点が見えずに話が進み、感情の置き所がずっと迷子状態なので、最終決戦に至るまでの過程がずっと退屈で、見ていてしんどい。戦闘に関しても、大した作戦や個性を活かした連携技があるわけでもなく、個々がただただ闘っているだけでなんのひねりもないのでアッと驚かされる部分もなく、ずっと単調。
作画や音楽だけを見ると良いところもあるのにもったいない。
一年前からすごく楽しみにしていたが、そのワクワクしていた気持ちが1つも回収されずに終わった。とても残念。
この何も味のしない映画を「僕のヒーローアカデミア」という作品の映画として世に出してほしくなかった。