「孤独な少年の宇宙への憧れと夢と勇気は、宇宙人の武力と知性にも勝る」星つなぎのエリオ ITOYAさんの映画レビュー(感想・評価)
孤独な少年の宇宙への憧れと夢と勇気は、宇宙人の武力と知性にも勝る
両親を失い地球に絶望し、宇宙を夢見る孤独な少年エリオ。
毎晩宇宙に向けて発信していたある日、ついに交信に成功!
宇宙の先進的な組織コミュニバースに返信したことで地球のリーダーと誤解され、一人、宇宙の武装集団グライゴンと交渉することになる。
予告を観て、「今度の主人公は片目の少年か!」
なんと攻めた設定か!と思ったらケンカでちょっと怪我しただけだったんですね。
ホントにどきどきしながら観始めました。
本作は、宇宙への夢がいっぱい詰まっていて、ビジュアルもひたすら美しい!
都内で唯一のドルビーシネマ上映(IMAX上映は無し)は、新宿バルト9での鑑賞が超おすすめです!(が、場内ガラガラでした。ざんねん。)
唯一の地球人として一人、宇宙の大冒険!
口では上から目線で偉そうなことばっかり言っている知性的集団コミュニバースも、武力を前にすると、ひたすら逃げ回っているだけだというところがリアルで情けない。
初めての友だちもでき、さまざまな種族の宇宙人と交流、果ては地球のみならず、コミュニバースを代表して武装勢力に単身立ち向かうのが頼もしい。
途中、「パーマン」のコピーロボットみたいなのがでてきて、「T2」オマージュしたりと小ネタもあり。
個人的には一瞬ですが、地球の巨大望遠鏡(パラボラ)が数台同時にゆっくり回転するところとか、わくわくします。
クライマックスは、世界のアマチュア無線グループが活躍するのも面白い。
宇宙への夢と、優しさが詰まっているのがいいです。
ただ言いたいことはわかるのですが、全体的に弱い。
もっと欲しい。
圧倒的に物足りないのが残念。
日本語吹替版で観ましたが、主役2人の声をあててる少年二人が本当に上手い。
特にグロードンのセリフ回しがキュートです。
字幕版、原語では、叔母さん役を「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」「アバター」「エミリア・ペレス」(アカデミー助演ノミネート)のゾーイ・サルダナがあてているのにも注目です。