TALK TO ME トーク・トゥ・ミーのレビュー・感想・評価
全165件中、1~20件目を表示
米興収で超えた「ヘレディタリー 継承」よりも若者向けか
設立から10年ちょっとの米映画製作・配給会社、A24の“目利き”の力に改めて恐れ入る。このオーストラリア発ホラーは、双子の兄弟ダニー&マイケル・フェリッポウ監督の長編デビュー作でキャストも国際的にはほぼ無名ながら、今年1月のサンダンス映画祭で話題になり、争奪戦の末にA24が北米配給権を獲得。製作費は450万ドルとされるが、北米での興収は約4800万ドルで、2018年の「ヘレディタリー 継承」の4406万ドルを超えてA24ホラー史上最高の北米興収だとか。なお全世界では9200万ドル近くまで伸ばしている。
ご多分にもれず「ヘレディタリー 継承」を観た時の衝撃はいまだに忘れられないが、比較するとこの「TALK TO ME トーク・トゥ・ミー」の方が若者向けの印象を受けた。ソーシャルメディアの動画でよくある「〇〇チャレンジ」の文化をうまくストーリーに組み込んだのが大ヒットの要因だろうか。本作の“90秒憑依チャレンジ”に参加する人物らは霊を目にして驚愕するのはいいとしても、中盤のシーンではパーティーののりで参加者らが延々と繰り返すというのがリアリティーに欠け、空虚な話になったぶん恐怖も軽減されたように感じた(若い世代にはこの軽さがいいのかもしれないが)。
「Talk to me(私に話して)」は儀式の最初に口にする決まり文句で、それに続く「I let you in(私に入るのを許す)」を聞いて「ぼくのエリ 200歳の少女」っぽいなと感じた(ちなみに米国版リメイクの原題は「Let Me In」)。鑑賞後に監督インタビューを読んで、インスパイアされた作品に「ぼくのエリ」も挙がっていたので、やっぱり!と思った次第。
禁断の降霊術、二度打ち
全国の霊媒師達が、見つけたら直ぐに助走をつけて殴り壊しそうなレベルの呪具をどこで見つけたのか。
やっちゃいけない事を2、3段階くらいすっ飛ばして、呪具を使って幽霊を身体に入れたり出したり、また入れては祟られたりして遊んだ若者達がしっぺ返しをくらってしまう本作。
煙草とか薬とか酒とか、やり過ぎたら身体に良くない物のメタファーとして降霊術が描かれてるんだと思うけど、中盤にある<激アツ、皆で降霊術フィーバータイム>のシーンでは、これから何かが決定的に悪くなる兆候を感じながらの胸騒ぎを伴う絶望感と若者の無敵感が合わさっていて、一回再生を止めちゃったくらい見ててキツかったですね。いやー良いシーンだった。
そういえば、ジャンプスケアじゃなくて日本風のじっとり怖いホラーシーンが多かったのは意外だった。
会話劇も、前半は退屈な会話が多かったけど、母親が自宅にいる子供達にパーティーでの禁止事項を伝えて回る会話シーンは面白かった。
クスッとするシーンをホラー映画の中で入れてくるのはあんまり見ないので、型にはまったホラー映画の展開じゃなくて見る側を楽しませようとしてくれるアイデアが多くて満足度が高い。
呪具が出てくるまでの退屈さと、主人公が霊に取り憑かれそうになってるとはいえ行動が自己中心的でちょっと見てて不快だったというマイナス面もあるけど面白い映画だった。
もっと、芯から冷える様なホラー描写があったら良かったのに、とは思うけど欲張り過ぎかもしらん。
「降霊術で話すのはまだしも、身体に入るのまで許可するのはルールで禁止スよね」
「若者はルール無用だろ」
「やっぱし怖いスね、無軌道な若者は」
一番最後がGood
コケシも持ってるミア
あくまでもティーン向け。
結構怖い!
時代に対応した憑依型ホラー
A24?
A24の質が落ちたのか、私が歳取って若い感覚についていけなくなったのか、まったくピンとこなかった。AIがマーケティングデータから導き出したみたいな映画。古いことは分かってますが私は映画は芸術の分野にあってほしいし、天才的な、または職人的なクリエイターに作ってほしい。ミアがお母さんの自殺について懐疑的なのとお父さんへの態度とで、お父さんが殺した?そこまでいかないものの自殺を阻止しなかったと思ってる?この辺の描写がものすごい雑で、お父さんが隠してた遺書を読むシーンでようやくオーバードーズ事故なのか意図的な自殺なのかの問題だったと分かるくらい。その違いがどれほど大きいのかその立場になったことのない私には分からないんだけど、映画なんだからもう少し分かりやすくメリハリつけて話作り上げてもいいんじゃない?と思いましたよ。その描写がもっと丁寧でミアに感情移入できてたら、ライリーの時間制限を引き延ばしたことも理解できたのかも。ヘイリーが当初ミアを嫌がってることも何かの伏線になるのかと思いきや、数分で関係ないことになってるし、もうー!となるほど作りが粗い。書いてるとこまごま思い出して腹立ってくるくらい。あとこれは言ってはいけないんだろうけどヘイリー、FTMなんだよね。多様性の時代にこの登場人物は大事なのでしょう。けどけどやっぱり気になってしまうのだよ。そこに意味があるのかと思ってしまう。他の作りが上手ければ気にならなかったのかもしれないけど、もうとにかくガタゴト進む映画のなかのさらに大きな石って感じ。もうA24だからといって無条件に見てはいけないんだなって、時代の変わり目になる映画でした。
再鑑賞で感想が変わった
映画館で観た時は微熱があり体調が万全ではなかったので余計に怖くて変な気分で終始ドキドキした。アマプラに来たので再鑑賞してみたらテンポの悪さと若者の90秒チャレンジの悪ふざけにイライラした。後半の霊に惑わされる感じはなかなかのテクニックで、観ているこっちまでどっちなんだと分からなくなった。若者の好奇心が呼び起こした惨劇、度が過ぎる。悪ノリで降霊会キメてんじゃねぇ
主人公にイラつきっぱなし
弱い心に悪霊は漬け込んでくるんですよ。
「現代的な感覚で既存の作品要素を刷新する」方向性のA24映画として、典型的ともいえる一作
この作品も後に公開の『悪魔と夜ふかし』(2024)も、「面白半分に降霊術やったら本物が来ちゃったよ映画」(あっちは悪魔だけど)という点でずいぶん似通っているように、この種の話、というか設定は、映画にとどまらず怪談話では定番中の定番です。
それなのに本作に妙な現代っぽさを感じるのは、前置きをすっとばしていきなり幽霊がやってきちゃう世界観に、主人公ミア(ソフィー・ワイルド)と観客を放り込んでいく、という豪快な間の詰め方も影響しているかも。イントロをすっ飛ばしていきなりサビから入る楽曲とか、言葉の合間も詰めに詰めて見せたいところだけをさっと見せるショート動画、などなどに通じるスピード感と言ってよいのでは。ダニーとマイケルの、双子のフィリッポウ監督がYoutuberとしても活躍している、という前情報が影響しているのかもしれないけど。
エンディングのオチすらもある種予想の範囲を超えるものではないんだけど、それでもミアの姿が妙に印象的なのは、一見気ままで破天荒に見える彼女の、必死で心の穴を埋めようとしてる姿の痛切さが伝わってくるからかも。彼らが因果応報的に結局ひどい目にあっていることは間違いないんだけど、それを嘲笑するだけでとどめることを少し躊躇を感じる描き方になっています。そのため、ミアの内面に入っていくような後半の悪夢的展開は、これまでの分かりやすい物語進行とはかなり描き方が変化しているんだけど、その段階に至って「恐ろしさ」を肌で実感できるようになるのでした。
手の形のオブジェクトとか、それを握るしぐさとか、妙にアイコニックな要素が多いなー、と思ってたら、監督たちはインタビューのたびにこの手のオブジェを使ったポーズをとっているらしく、バズらせようとする意図があまりにも見え見えで、むしろさすがでした!
暴力描写は結構キツめ
全165件中、1~20件目を表示















