TALK TO ME トーク・トゥ・ミーのレビュー・感想・評価
全220件中、1~20件目を表示
米興収で超えた「ヘレディタリー 継承」よりも若者向けか
設立から10年ちょっとの米映画製作・配給会社、A24の“目利き”の力に改めて恐れ入る。このオーストラリア発ホラーは、双子の兄弟ダニー&マイケル・フェリッポウ監督の長編デビュー作でキャストも国際的にはほぼ無名ながら、今年1月のサンダンス映画祭で話題になり、争奪戦の末にA24が北米配給権を獲得。製作費は450万ドルとされるが、北米での興収は約4800万ドルで、2018年の「ヘレディタリー 継承」の4406万ドルを超えてA24ホラー史上最高の北米興収だとか。なお全世界では9200万ドル近くまで伸ばしている。
ご多分にもれず「ヘレディタリー 継承」を観た時の衝撃はいまだに忘れられないが、比較するとこの「TALK TO ME トーク・トゥ・ミー」の方が若者向けの印象を受けた。ソーシャルメディアの動画でよくある「〇〇チャレンジ」の文化をうまくストーリーに組み込んだのが大ヒットの要因だろうか。本作の“90秒憑依チャレンジ”に参加する人物らは霊を目にして驚愕するのはいいとしても、中盤のシーンではパーティーののりで参加者らが延々と繰り返すというのがリアリティーに欠け、空虚な話になったぶん恐怖も軽減されたように感じた(若い世代にはこの軽さがいいのかもしれないが)。
「Talk to me(私に話して)」は儀式の最初に口にする決まり文句で、それに続く「I let you in(私に入るのを許す)」を聞いて「ぼくのエリ 200歳の少女」っぽいなと感じた(ちなみに米国版リメイクの原題は「Let Me In」)。鑑賞後に監督インタビューを読んで、インスパイアされた作品に「ぼくのエリ」も挙がっていたので、やっぱり!と思った次第。
結構怖い!
時代に対応した憑依型ホラー
若気の至り。
どう考えても危ないってわかる事にハマってしまう人は一定数いますよねー…。特に若い時はありがちと言うか。
しかも周りの茶化す感じとか、本当にヤバい事にならないと事の重大さに気付けない感じとか…うわー嫌だなーと思いながら見てました。
主人公ミアの母親の件は可哀想とは思いつつも、友達を巻き込んだのは擁護できない。
友達も「やめよう」と言いつつ、楽しんじゃってるシーンもあったり何とも言えないけど。
ミアの最後は自業自得。私はこの主人公にあんまり共感できなかったので悲しいとか辛いって気持ちにはならなかった…。
でも、あの手を持ってきた2人に何も酷いことが起こってないのがモヤりました。
目を背けたくなるグロシーンもあり、けっこう怖かったし、面白かったです。
面白ホラー設定×心理スリラー
呪いの(面白)アイテムで手軽に降霊術をキメられる90秒憑依チャレンジ!
仲間内で楽しくガンギマリするだけの筈が、案の定やべーの降ろしちゃって大変な事になるお話。
序盤3分こそ、このプロット通りワーキャー楽しめるホラーですが、途中からはホラーを土台にしたヒューマンドラマ、心理スリラーへと変貌します。
幽霊パニックを期待すると大きく肩透かしを食らい、更に物語の芯は主人公が堕ちていく陰鬱系なので、そこが刺さらない人には徹底的に刺さらない所以だと思います。
個人的にはストーリーや設定、主人公の演技力がよく、程よく抉られて楽しめました
特に秀逸だと感じたのは設定の妙と、それらが交錯した時に起きる事件への動線ですね。
①憑依チャレンジ
誰でも簡単に憑依体験でき、しかも本人は薬のようにキメられるお楽しみアイテム「手」。但し、どの幽霊が降りるかは分からず(恐らく周辺から?)、90秒以上続けると危険らしい
②主人公ミア
仲の良かった母を睡眠薬による自殺で失い、普段は気丈でも心の底では「助けられなかった自責感」「なぜ自殺したのか、そもそも自殺だと信じたくない気持ち」に苦しみ続けている
そして親友の弟(中学生?)が憑依チャレンジでミアの母を降ろしてしまった事で、①と②が最悪な形で交わり本編が始まります。
ミアは母の真意をどうしても知りたかったのでしょうね…。次があるかも分からないこの機会を失いたくなくて、90秒経とうが儀式を強行。
到底許容はできませんが、その気持ちは痛い程共感できます
直後のミアの演技も見事でした。取り返しのつかない事をした罪悪感と、抱えていた闇を払えるかもしれない希望が同居する複雑な表情。ガンギマリ時の狂演も良かったですが、こういう心情表現もできるのかと素直に感心
以下【ネタバレ】含む感想
そこからはどんどんミアが降霊術に取り憑かれていくので、見ていて辛かったですね…。
なぜミアだけ儀式外でも幽霊が見えるようになったのかは、恐らく初体験時に既に90秒超えしていたからでしょう。しかも弟をロックオンしたヤバめの悪霊。
数日後のパーティでも何度も憑依した事で、(元彼の言う通り)心や記憶を読まれたのだと思います
なので、そもそもあれは母の霊ではないと思います。母の自殺の真相を探るミステリー路線へのミスリードで、終盤に父が見せた遺書が真実でしょう。
「自殺じゃなかったのよ。今でも愛してる。あの子(弟)を救って」など、ミアが聞きたかった言葉だけを伝えて巧妙にコントロールし、邪魔者排除と本命の獲物(弟)を狙わせる様は完全に悪魔。
ここでも母の死に悩むミアの心情が活きています。辛い…
そして思わずおおっと思ったのが、序盤に出てきた瀕死カンガルーのフラグ回収。
ミアは車に轢かれた瀕死のカンガルーを楽にしてあげる事ができませんでした。
これがラスト、結局弟を“苦しみから救う(=殺す)”事ができなかった理由ですね。
父を襲ったのは(彼女にとっては)本能的な正当防衛であり、本来は自ら他者の命を直接奪う事ができない性格なのです。
結果、寸前で我に返り弟を庇った事で自らが死に、今度は自分が降霊される側になるという素晴らしい終幕。
(途中トンズラした諸悪の根源2人組がラストの「する側」にしれっと紛れてたら、SNS社会への皮肉が効いててもっと良かったのに。笑)
総括
主人公が悪にコロコロされる陰鬱系は本来苦手なんですが、とにかく設定が最後まで活き続けるシナリオには終始感心できて最後まで楽しめました。
私がよく観るB級ホラーでは、時間かけて紹介したキャラ設定をド忘れしたり、メインテーマが行方不明になったりする作品なんてざらにあるのですが(それはそれで楽しんでますw)、今作は最後まで「呪いの手」「母の死」「ミアのキャラ設定」がブレずに物語を牽引しているので好感しかないですね
ただ、視覚的なホラー・グロ描写は一部ある程度で後半はほぼなし(☆‐1)と絵面はおとなしめ。
降霊パニックでキメたかった層には、やはり物足りないと思われるのは致し方ないでしょう…
でも、物悲しくも納得感のある悲劇が好きな人にはぜひオススメしたい。そんな映画でした
オチが素晴らしい
youtubeで幽霊を体に憑依させる遊びが流行っていて主人公たちもそれをやってみて酷いことになるというお話。
途中まではよくあるエクソシストみたいな映画だなと思っていましたが、オチが凄く良かったです。
主人公は呼び出されたのですね…
主人公の「ひっ」という声で映画が終るのも素晴らしい…
A24?
A24の質が落ちたのか、私が歳取って若い感覚についていけなくなったのか、まったくピンとこなかった。AIがマーケティングデータから導き出したみたいな映画。古いことは分かってますが私は映画は芸術の分野にあってほしいし、天才的な、または職人的なクリエイターに作ってほしい。ミアがお母さんの自殺について懐疑的なのとお父さんへの態度とで、お父さんが殺した?そこまでいかないものの自殺を阻止しなかったと思ってる?この辺の描写がものすごい雑で、お父さんが隠してた遺書を読むシーンでようやくオーバードーズ事故なのか意図的な自殺なのかの問題だったと分かるくらい。その違いがどれほど大きいのかその立場になった私には分からないんだけど、映画なんだからもう少し分かりやすくメリハリつけて話作り上げてもいいんじゃない?と思いましたよ。その描写がもっと丁寧でミアに感情移入できてたら、ライリーの時間制限を引き延ばしたことも理解できたのかも。ヘイリーが当初ミアを嫌がってることも何かの伏線になるのかと思いきや、数分で関係ないことになってるし、もうー!となるほど作りが粗い。書いてるとこまごま思い出して腹立ってくるくらい。あとこれは言ってはいけないんだろうけどヘイリー、FTMなんだよね。多様性の時代にこの登場人物は大事なのでしょう。けどけどやっぱり気になってしまうのだよ。そこに意味があるのかと思ってしまう。他の作りが上手ければ気にならなかったのかもしれないけど、もうとにかくガタゴト進む映画のなかのさらに大きな石って感じ。もうA24だからといって無条件に見てはいけないんだなって、時代の変わり目になる映画でした。
感想メモ
talk to me 、 let you in 、で霊を憑依させる、憑依中は別人格に乗っ取られてある種のトリップ状態
ハマってしまって仲間内で何回かやる内に友達の弟に死んだ母親の霊が憑依して…
この遊びタイムキーパーが重要すぎる、どこから90秒計測か明記してくれ、腕に書いてあるのか?
弟くんの自傷シーンは中々に見応えあり、目をくり抜こうとした時は思わず顔をそらした
友達のお母さんがパーティーやるなとか、娘の彼氏にうちの子のヴァギナは禁猟区よ!などと言ったり、厳しく大切に我が子を育ててきた描写があっただけに病院のシーンはつらい
主人公がちょっと嫌い寄りの性格
友達の今カレで自分の元カレを家にあげるか?
結果足ペロペロ
終わり方は綺麗で好き
幻影か?現実か?
今話してるのは本物の人間か?
惑わされて引き込まれた!
ラスト15分新しい展開が始まって、どういう終わり方になるのか、これちゃんと終わるよね?って心配になったけど、ちゃんと終わった!
バットエンドの胸糞よりで、後を引く感じがこの世界にどっぷり浸かれて楽しかった✨
付き合う人間は考えた方がいい😢
モアだけが悪いみたいになって可哀想になっちゃった
再鑑賞で感想が変わった
映画館で観た時は微熱があり体調が万全ではなかったので余計に怖くて変な気分で終始ドキドキした。アマプラに来たので再鑑賞してみたらテンポの悪さと若者の90秒チャレンジの悪ふざけにイライラした。後半の霊に惑わされる感じはなかなかのテクニックで、観ているこっちまでどっちなんだと分からなくなった。若者の好奇心が呼び起こした惨劇、度が過ぎる。悪ノリで降霊会キメてんじゃねぇ
主人公にイラつきっぱなし
弱い心に悪霊は漬け込んでくるんですよ。
「現代的な感覚で既存の作品要素を刷新する」方向性のA24映画として、典型的ともいえる一作
この作品も後に公開の『悪魔と夜ふかし』(2024)も、「面白半分に降霊術やったら本物が来ちゃったよ映画」(あっちは悪魔だけど)という点でずいぶん似通っているように、この種の話、というか設定は、映画にとどまらず怪談話では定番中の定番です。
それなのに本作に妙な現代っぽさを感じるのは、前置きをすっとばしていきなり幽霊がやってきちゃう世界観に、主人公ミア(ソフィー・ワイルド)と観客を放り込んでいく、という豪快な間の詰め方も影響しているかも。イントロをすっ飛ばしていきなりサビから入る楽曲とか、言葉の合間も詰めに詰めて見せたいところだけをさっと見せるショート動画、などなどに通じるスピード感と言ってよいのでは。ダニーとマイケルの、双子のフィリッポウ監督がYoutuberとしても活躍している、という前情報が影響しているのかもしれないけど。
エンディングのオチすらもある種予想の範囲を超えるものではないんだけど、それでもミアの姿が妙に印象的なのは、一見気ままで破天荒に見える彼女の、必死で心の穴を埋めようとしてる姿の痛切さが伝わってくるからかも。彼らが因果応報的に結局ひどい目にあっていることは間違いないんだけど、それを嘲笑するだけでとどめることを少し躊躇を感じる描き方になっています。そのため、ミアの内面に入っていくような後半の悪夢的展開は、これまでの分かりやすい物語進行とはかなり描き方が変化しているんだけど、その段階に至って「恐ろしさ」を肌で実感できるようになるのでした。
手の形のオブジェクトとか、それを握るしぐさとか、妙にアイコニックな要素が多いなー、と思ってたら、監督たちはインタビューのたびにこの手のオブジェを使ったポーズをとっているらしく、バズらせようとする意図があまりにも見え見えで、むしろさすがでした!
暴力描写は結構キツめ
全220件中、1~20件目を表示