TALK TO ME トーク・トゥ・ミーのレビュー・感想・評価
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米興収で超えた「ヘレディタリー 継承」よりも若者向けか
設立から10年ちょっとの米映画製作・配給会社、A24の“目利き”の力に改めて恐れ入る。このオーストラリア発ホラーは、双子の兄弟ダニー&マイケル・フェリッポウ監督の長編デビュー作でキャストも国際的にはほぼ無名ながら、今年1月のサンダンス映画祭で話題になり、争奪戦の末にA24が北米配給権を獲得。製作費は450万ドルとされるが、北米での興収は約4800万ドルで、2018年の「ヘレディタリー 継承」の4406万ドルを超えてA24ホラー史上最高の北米興収だとか。なお全世界では9200万ドル近くまで伸ばしている。
ご多分にもれず「ヘレディタリー 継承」を観た時の衝撃はいまだに忘れられないが、比較するとこの「TALK TO ME トーク・トゥ・ミー」の方が若者向けの印象を受けた。ソーシャルメディアの動画でよくある「〇〇チャレンジ」の文化をうまくストーリーに組み込んだのが大ヒットの要因だろうか。本作の“90秒憑依チャレンジ”に参加する人物らは霊を目にして驚愕するのはいいとしても、中盤のシーンではパーティーののりで参加者らが延々と繰り返すというのがリアリティーに欠け、空虚な話になったぶん恐怖も軽減されたように感じた(若い世代にはこの軽さがいいのかもしれないが)。
「Talk to me(私に話して)」は儀式の最初に口にする決まり文句で、それに続く「I let you in(私に入るのを許す)」を聞いて「ぼくのエリ 200歳の少女」っぽいなと感じた(ちなみに米国版リメイクの原題は「Let Me In」)。鑑賞後に監督インタビューを読んで、インスパイアされた作品に「ぼくのエリ」も挙がっていたので、やっぱり!と思った次第。
クッキーベロベロ
大絶賛作品だったそうで
オーストラリア産のYouTuber制作の作品なのか〜とびっくり。
YouTuberが幽霊屋敷探索映画とかゴロゴロしてるけど、ついに映画を撮ってしまい絶賛されるのね。
なるほど、わからん。中年には無理ゲー世界。
海外の若者達はだいたいパーリーやってドラッグ、酒、セックス三昧暮らしが鉄板なのだが、本作はそれらではなく「降霊術」
どこからきたのか謎の手の石膏。手には謎の文字がびっしり
彼らは、これは強力な霊媒師の手をエンバーミングしたものだと語る
蝋燭を灯しその手を握り唱える「トークトゥミー」
唱えた本人にのみ霊が見え語りかけてくる
チャレンジする人はいるか?!
そこでノリノリで手を挙げるのが主人公のミア
彼女は少し周りから疎まれている存在。本人も浮き気味の空気を察して乗ってみたのだろう。
から元気が痛々しい…
灯る蝋燭の火を見ながら手を握り唱える
不気味な霊が現れて絶叫するミア
そこで周りは囃し立てる、唱えろ!!
「レットユーイン」
霊は肉体へ入り込む
時間は90秒だけ。
それを超えると乗り移られる
ミアは謎の感覚を覚える。
ぐるぐる回るカメラ
笑いはしゃぎ、スマホを向けながら次々と霊との90秒の降霊をハイになりながら続ける彼ら。さながらドラッグのよう。
散々楽しみ、解散となったパーティの帰り道ミアは親友ジェイドの弟ライリーはどんな感じだったか興味深げにとう。
「助手席に座っているような感じ」
おいおい、それは手放しで霊に精神を掴まれてるんじゃないか。
そして2度目の降霊会が開かれる。
そこで、弟のライリーがチャレンジしたいと。
まだ幼さの残る彼に姉のジェイドは猛反対
「50秒だけなら?」とミアの謎の説得
お開きムードだったが再び湧き上がる空気。
ライリーが呼び寄せた霊は…
固まる彼の顔…
でも呼び込んでしまう
霊は涙を流しつぶやく「ミー」
それは亡き母のミアを呼ぶ愛称。
ミアは母を1年前に亡くしており、それは自殺。
寝ていた父親のドアに持たれて絶命したのでドアは開かなかった。
それをミアは受け入れ難く父親との関係も悪くなっていたのだ。
母だ!!!!
ライリーを離さないミア
そしてついに90秒を超えてしまう。
意識を乗っ取られ自傷行為を行うライリー。
それからというもの霊は度々ミアに姿を見せ続けて異様な行動を取らせる。
元カレにも「霊はその人の中に入り情報を引き出すんだ!あれは母ではない!」
和解し合えたかにみえたミア達父娘をあれは嘘だ!と母親の形をした霊は叫ぶ。
何を信じればいいか分からなくなるミア。
ライリーを楽にしなければ。
ミアは地獄に取り込まれているであろう彼を車道際まで連れてくる。
車が轢いたのはミア。
序盤で轢かれたカンガルーが横たわる道を通る。
まだ息はある
楽にしてあげないの?その問いに次に通った人が轢くわとそれを避けて走り出すミア。
1台目の車は避けて2台目の車に轢かれたのはミアだった。
目覚めたミア。
遠くに小さな光が見える
そこでは異国の言葉を話す人々が賑やかに唱える
「レットユーイン」
彼女は何を語るのか
とても良くできて飽きさせずに観れた作品。
ミアの心の葛藤やそこに付け入る霊達の恐ろしさ
降霊術なんてジメっとしたものを明るい舞台に持ち上げる手腕
カメラワークや音楽などもとても良かった
あまり怖くはないが、斬新な設定でティーンホラーとしては上場。
私のフェチである、タイトルロゴは素敵。
もう片方の手が気になるところ。
何が怖いのかの変化
謎の世界を垣間見る奇妙なゲームに嵌まる内にそこから抜け出せなくなるお話。何かに襲われるとか何者かに追われると言った恐怖よりは、現代の若い監督さんは「自分の居る場所が何処か分からなくなる」とか「自己が崩壊する」という恐怖の方がよりリアルに感じるのかな。確かに新しさは感じるけど、さほど怖くはなく、ホラーというよりゾワゾワ映画に近いかな。
降霊会
最近そんなシーンをいくつかの映画で見たが、結構簡単にやっちゃうものなのかな〜と。
というか、できちゃうものなのか?
誰でも簡単に霊を呼び、let him in してしまう。
霊媒師要らないじゃん。
あの「手」があれば?
パーティーで家の中をぐちゃぐちゃにするより、こっちの方が数十倍危険かと。
家を留守にする親は気をつけましょう。
ライリーが大怪我するシーンは本当に恐ろしかった。
かわいそうなライリー。
肝試しじゃないんだから、やっちゃダメだよ〜。
母親の言葉を信じるミア。
父親は本物か?偽物か?
悲しい結末が待っていた。
や、結末ではなかった。
始まりだった。
降霊術遊び
今風の若者が集まり、謎の手を握る事で霊を身体に降ろし、色々尋ねてみるお話。
90秒以上握らず止めるなどのルールもあるが、冷やかし半分みたいな空気で始まる悪ふざけの延長を見ているとイライラが募る。
口では強がっていても、凄まじい勢いで自傷行為を始める仲間を制止することも出来ない様は見てられない(…と言いつつ観ているのだが)
映像やカット、シーンの繋ぎなどは途切れなく上手く編集されており映画としての演出は出来ている方だと思う。
しかし…怖くない。
何だろう…ちょっとイライラするのだ。
上手く作っているのにオチの見当が着いてしまう。
悲惨な展開以外が想像できず、その通りに展開しその通りに終わってしまった。
結論として今日観るタイミングではなかったかも
いつ観たら面白く感じるか解らんけど。
(この下の雑感は観てる最中頭に巡った事です)
まず思い出すのが、こっくりさん。
40年以上昔にこっくりさんが流行っていた。
海外でも出てくるウイジャボードとほぼ同様の民間の降霊術だ。
数人の仲間と霊を呼び寄せる儀式を行い、色々質問する…
終わったら“お帰り”頂く…丁寧な対応も必要と言われるが、実際にこれを熱心にやるのは小学生くらいが多かっただろう。
霊の存在の有無は別として、感受性の高い子どもが影響を受け狂ってしまい、その後の人生を破瓜型統合失調症として生きていく例も多い。異常な事態が起こるリスクも含めて、先生や親達はこれを禁じた。
いま日本でもまだやっている子ども達がいるのだろうか?
その知識があれば作中の青少年達も…と思ってしまう。
そしてこっくりさんでやってくる“霊”とやらは本当は何がくるか解らないみたいなオカルト説もあり、この作品も同様の事が起こる。
見えているつもりの本人が見たいものを想像しているとして、その口から語られる話が真実かどうか等疑わしさしかない。
自分が死んだ事も知らない人が知らない奴に呼ばれて、遊び半分で質問されるなんてごめん被るだろう。
史上最高温度記録している夏
真っ盛り、お暇な方も心霊スポット巡りは止めてこれを観ましょう。
参考になるし、友達付き合いも考えられる様になります。行きたい奴だけで行かせましょう。
正直、悪いことは起こっても良いことは起こりません。
幽霊とか関係なくトラブルが起こりやすいので…。悪ふざけの代償はこんなもんです。
凄え😳
今夜(2024/07/26)観ました。
珍しいオーストラリア発の映画という事で、クオリティの低さを疑ってしまった自分を、今心底悔いています。それ程に予想を大幅に超えたハイクオリティのホラー映画に仕上がっていました。
こっくりさん的な若い子らの火遊び的なゲームに端を発し、収拾のつかない自体に発展、主人公ミアの立ち回り、それを取り巻く登場人物の行動など、序盤からエンドロール迄、計算され尽くしており、ラストシーンでは思わず唸ってしまいました。唯一のマイナスポイントは、イントロ後序盤の僅かなグダグダ感のみです。その他で文句の付けようがありません。
『シャイニング』的な霊が幾度も登場するので、苦手な人には酷かも知れませんが、個人的には目を伏せながらでも最期まで観てほしい作品です。
夏の肝試しがてら観てみては如何でしょう。太鼓判で最高に怖い映画です‼️😱
不快
映画館で観るつもりだったが、ホラー苦手な妻を尊重して見逃した。
結果、正解だった。
とにかくヒロインに共感できない。
正直言って苛つく。
イキがった若者がドラッグにハマって破綻して行く様を見ているよう。
霊云々よりその行動が不快すぎて、怖さは全くない。
ラストも曖昧で残念な結末も自業自得としか思えない。
ティーンの不安定な心に、悪霊がすべり込む
SNSで話題!というあたり現代的なホラー。
ティーンの不安定さ、友達に受け入れられたい、家族に愛されたい、その心の隙間に悪霊がすべり込む。
悪霊に憑依され、自分が自分じゃないものになっていくミア。
目に見えるものは真実か、それとも悪霊が見せる嘘か、
そして、この憑依を成し得る「手」の正体とはー。
今までになかったホラー。
続編を作ってほしい。
A24のホラーはスゴイ
序盤のノリは若者がやるドラッグやパーティなのですが、明らかに異質で怪しい手を使った降霊術のようなものを楽しんでます
日本ではまずやれないので個人的に感覚はわかりませんが、ハイ?になりたいという若者特有の手段として流行りでやるみたいな印象でした
ドラッグや葉っぱはこっちから見たら一緒ですけどね…
しかしみんな本当にあの瞬間に霊を見ていないのか疑問です、ミアはお母さんを見たと言っていますが他のメンバーは降霊はしているようですが何にも会っていない様子でした
そもそも主人公のミアは人と距離を置きたいのか近づきたいのかよくわからない印象でした
だいぶメンヘラなのはどんどん表れてきていますが、終盤にかけての行動は霊に操られているのか、そうじゃないとしたら本当にヤバイ奴だと思います
良い意味でホラー映画の主人公してたので個人的にはすごい好きです
ライリーのシーンは本当に怖くて、周りが動けなくドン引きしてしまうのも納得です
この映画緩急がめっちゃ効いてて怖いところでガッツリ怖くなるのですごく良いです
序盤の伏線も綺麗に回収してあぁ…と納得してしまいますね、本当にかわいそうだよ
ラストは自分がされる側になるので、どう解釈していいか迷ってます
ミアはほぼほぼ地獄に連れて行かれるでしょうね
私は時間がなくて映画館で観れませんでしたが、アマプラで視聴完了しました
結論はA24のホラーにハズレなしという最高の結論でした
ミヤに振り回された周りの人達
なんだか、主人公のミヤに振り回された周りの人達という感じでした。母親への思いと自分の好奇心でここまでなった気がする。ライリーの憑依チャレンジを許して、50秒以上させたのもミヤだし。。。
結局、ミヤのお母さんは自殺だったのでしょうか?そこがちょっと分かりにくいが、ラストを見る限り自殺して死後の世界で苦しんでいる感じか?
ライリーに憑いたのが母親としたら、あの行動を考えるとそうなるよね。だとしたら、父親は犠牲者か。
映画自体の面白さはまあまあと言ったところ。「90秒憑依チャレンジ」をSNSにあげるとこなんか。怖さはほとんど無しですねぇ。最初は良かったのですが、ドキッとする所もほぼ無かったので。
最後の展開も読めましたねー。
面白かった
オーストラリアンホラー。双子のユーチュバー監督のデビュー作だそうです。
スプラッターでも無く、CGが沢山でも無く、驚かせ系でも無く、此処まで怖がらせるのは凄い!
最近の米国映画の様にお金を湯水の如く使っての撮影でない点がより好感が持てる。良いアイデアとストーリーがあれば面白い作品が出来る好例でもある。
ただ最後まで母親の死の謎が残った。あの霊は母親の霊では無かったのか?それともあれは人を不幸にする悪霊が母親に化けて主人公に取り憑いていたのか?その辺が最後迄わからなかった。
オーストラリアのノリは日本人には難しい
若者が集まってハイになるというノリは日本ではあまり理解しにくい。
海外ではこれが陽キャの王道なのかなと思うけど、
ハイになるパーティだぜイエーーーーイ!!!!と言われても
え…(引)と思う。
日本版で言うとこっくりさんなのかな。
やめとけ、やめとけ、としか思わない。
子供がなんかなる映画はちょっと苦手だな。子供にそんな思いさせないでほしい。
ザ、怖いシーン!驚かせちゃうぞ!みたいなシーンはないんです。
痛いシーンとか、うわあ(引)っていうシーンとか。
突然の大きな音やというのはない。
令和のホラーですね。好き。
パパが最後まで怪しかったので映像特典「カットされたシーン」からのパパのシーンを採用してもよかった気がした。
ラストはそう来るか。好きなラスト。
ちょっとホラー映画「スマイル」を思い出した。
斬新さや衝撃や面白さは保証付き。だけど敢えて言うなら、のめり込んではいけない
日本で言う所の“こっくりさん”。
こういう降霊術って世界中どの国にもあり、いつの世も若者たちの間で人気。
台の上に置いた手が勝手に動いて何かを示したり、何かが憑依して言動が豹変したり…。
説明の付かぬ現象にゾクゾクしつつワクワク。面白半分。度胸試し。SNS社会の今だとバズるから。
そのほとんどがお遊び感覚で、相手を驚かす為のヤラセだろう。
中には真偽が疑わしいものもあり、事件も。思い込みによる精神薄弱かもしれないが…。
でももし、本当に“何か”を呼び寄せてしまったら…?
SNSで流行の“90秒憑依チャレンジ”。
不気味な“手”の置物。曰く付きの呪物だというそれを握り、唱える。「トーク・トゥ・ミー(話したまえ)」。
すると、目の前に霊が…!
さらに唱える。「レット・ユー・イン(入るを許す)」。
霊が憑依。
怖さはあるけど、やったら最高のブッ飛び快感!
破ってはならないルールが一つ。憑依は90秒以内。
もし、90秒以上憑依したら…?
恐怖絡みの遊びに興じる若者たちのお約束。でないと話が始まらない。
霊の仕業か。自傷行為。
目玉を抉り出そうとしたり、顔や頭や身体を壁や机の角に激しく打ち付けたり…。
かなりの痛々しいグロ描写。
憑依した霊に付きまとわれる。
気が狂ったか、現実の悪夢か、その境も曖昧に。
気付いたら…。ミイラ取りがミイラになったような、なかなかの衝撃のオチであった。
何より恐ろしいのは、ある理由があるにせよ、のめり込んでしまう事。
主人公の女子高生ミア。
2年前に母親が自殺。そのショックから未だ癒えない。
友人と共に参加したホームパーティーで憑依体験にチャレンジ。
以来クセになり、また皆で集まって、何度も何度も。
ある時、友人の弟に憑依したのは…、ミアの母親。
ついつい亡き母親との対話で友人の弟は90秒以上憑依してしまい、酷い事に…。
責任を感じたのか、それともまた母親と話したかったからか、ミアはこっそり“手”を持ち出し、母親の霊を呼ぶ。それが思わぬ事態に…。
母親とまた話したい。その気持ちは分からんでもないが…。
ミアもまた90秒以上憑依。
ありがちだと“手”は一体何なのか?…という展開になるが、本作はそっちの方向に展開せず。謎のまま。
悲しみや愚かさから招いてしまった事態や恐怖が主軸。教訓めいたものも感じる。
“手”やのめり込んでいく様は自ずと彷彿させる。
薬物。
憑依チャレンジして、最高のブッ飛び快感に皆で大盛り上がり。
ドラッグを吸って、ハイになるのと何が違うと言えよう?
バカ騒ぎ、やり過ぎ、悲しみや辛い事から逃げる為…。
依存し、気付いたら身の破滅。
自分や周りの命が危険に…。
やはりそんな薬物依存がアイデアのになっているという。
一人がドラッグを吸って床で痙攣。周りの友人らはその様をスマホなどで撮りながらゲラゲラ大笑い。
そんな光景を目の当たりにし、衝撃と恐怖を…。
オーストラリアで双子YouTuberとして活躍。ダニーとマイケルのフィリッポウ兄弟。
斬新なアイデア、YouTuberならではのバズりそうなもの=視点、ホラー映画の見せ場をしっかり抑えたグロやショッキング描写(特殊メイクも強烈!)、それらに込めたメッセージ性…見事な鮮烈デビュー。
続編の製作も決まり、あの『ストリートファイター』の新たな映画化の監督にも抜擢。どちらも気になるぞ!
製作は絶好調のA24。自社製作でも優れたホラーを送り出しているが、こちらは北米配給権を獲得。同社ホラー最大のスマッシュヒットとなり、さすがの目利き!
『エクソシスト 信じる者』『オーメン:ザ・ファースト』『変な家』…。
最近見たホラー/スリラーは個人的に不発ばかり…。
ようやく、会心の一作!
まぁ、怖し
男女青少年らから始まる霊媒師的な死びと呼びゲーム。日本でもありましたね、◯さん◯さん、とか呼びながら10円玉いちまいを、複数人の指イッポンで何かの霊を降ろすみたいな。ま、子供だましなプチホラー。
Z世代向けの良質ホラー
A24発の"憑依系"ホラー。過去作「ヘレディタリー 継承」や、ノオミ・ラパス主演の「LAMB/ラム」に比べれば王道を行く直球型ホラーに思える。評価面や興行面でも好調だった本作だが、テーマは若年層向けになっている。SNSを使った「〇〇チャレンジ」をモチーフにしており、本作では曰く付きの手の剥製(この手の正体もまあまあ不気味)を使い、90秒間の憑依チャレンジを行うという若者のバカ騒ぎがエスカレートした様なものである。
主人公は暗い過去を抱えており、それが後々に影響を与えてくるのだが、じわりじわりと狂気さと不思議さを帯びてくる演出は中々怖い。
また、誰が自分に憑依するのかが分からない状態、指名制度は勿論無い形である。霊界を彷徨う霊魂をあの様な形で誘い出してしまうと絶対に良くない事が起きるだろうが、近年の人々によくある、承認欲求を満たす為に次々と憑依チャレンジを行ってしまう。
遊び半分で心霊スポットに行ってはいけないだとか聞くが、彼らもそれと同じで、半分自業自得の様な気分で鑑賞していた。
皆それぞれ背負うものがあるのは承知しているが、「結局面白半分で参加した自分が悪いのでは?」という気持ちが勝ってしまい、いざ事が起きてから霊から驚かされ、どつき回されてもイマイチ感情移入が難しいという難点はあった。
それも踏まえて考えるとあのラストは上手く回収していたと思うし、必然な形の様にも思える。
何がともあれ、「絶対に霊と接触するな!」これが本作の最大の教訓である。
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