「やられてしまった。口コミの数は少ないし、絶賛されてたり酷評だったり...」東京ランドマーク 映画三昧さんの映画レビュー(感想・評価)
やられてしまった。口コミの数は少ないし、絶賛されてたり酷評だったり...
やられてしまった。口コミの数は少ないし、絶賛されてたり酷評だったりと、前評判が読めない。けれど、いざ観に行くと満席だったりで、なかなか不思議な動きを見せているこの映画をようやく見てきた。
若者が撮ったインディーズ映画かと思っていたら監督は40歳となかなかの人生ベテラン組。
スタジオで撮った写真も好きだけど、ストリートスナップの写真に惹かれるとネットのインタビューで答えてたか。パンフレットには監督の父親が撮り溜めたホームビデオを参考にして作り上げた映画だと書いてあり、異次元の嗅覚を感じてしまった。
監督の人としての立ち姿からある種のセンスを感じ、それがそのまま映画として成立していて、なんというか、良いものを見せてもらえたと感じた。登壇での雰囲気は何やら天然の本物感が凄かった。こういう作品を素で作れる監督は日本では珍しい気がする。もしくはそういう映画が劇場で上映される難しさがあるのか、それだけにこの映画に希少価値を感じてしまう。今をときめく毎熊克哉がプロデューサーとして彼をサポートしている姿もなんだか共感してしまった(勝手に)。こういう監督が日本からいなくなってしまうのは役者としては怖いよね(知ったか)。
メインキャラクターの3人も非常に良き。底抜けに魅力的だ。
スクリーンの中にいる3人はきっと何もわかってない、だけど見ているこちらはわかってしまう。鑑賞中の自分の気持ちも踏まえてこの映画は成り立っているのだろう。これ以上は劇場で見てもらいたい。あーなんと奇跡的な映画なのか。。。
私も物作りを商売にしている身、この映画や監督、チームから受け取るものが沢山あった。
こういう映画が今後も続いていくように陰ながら応援しています。
次回作の予定はないというので、-0.5です。