市子のレビュー・感想・評価
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魔性の女
浴衣とかメガネ君が口を割らないワケとかチャラい彼氏とか、だいたい気になった伏線はきっちり回収されているように、構造が非常によくできている。
市子は、一見世捨て人のように見えるが実は(人狼風にいうなら)生存意欲は高いほうで、同性はドン引きされ、異性には懐かれる傾向があるのでキキちゃんは非常に貴重な存在。
姿を晦まさなければ何も起きなかったのでは・・・とも考えたが、普通の幸せ以上の目的があって着実に執念深く達成していくのを紐解いていくというある意味ヒトコワ。
というのがだいたいの自分の解釈ですが、作品中に明言されているわけではないのでネタバレじゃなくてもいいかなとは思ったが、まあ一応ネタバレにしときます。
こういう見る側の解釈に委ねる部分が多い作品は見終わったあとに引きずるのが良いです。
圧倒的にベロチュー良いなと思ってしまう下世話なわたし
「市子、大人一枚」と映画館でチケットを購入し
杉咲花さんが市子なんだろうなと映画館で鑑賞
見ている中で、昔派遣で工場勤務してた頃、失踪後偽名とわかったけど行方わからなくなった人や
借金まみれで逃げてきていつも車中泊してる方、家出少年、わけあって追われてる人、原稿を落として逃走中の作家など、私の生活の中で今までにいない人達と出会った頃を思い出しながら映画の行く末をおいました。
高校の夏に一緒にアイス食べて、別れ際あんな笑顔で手を振られたら、そりゃ好きになっちゃいますよ北くんがストーカーばりに執着するのも仕方がない気もします
本人は気がないかもしれないが、花火が好きや浴衣ええなぁなんて言われたら
叶えてあげたいと思うに決まってますやん。
普通の生活というのは言葉にすればに簡単なようで、現実なかなかの奇跡である
普通を求めた市子がようやく普通を手に入れる時やはり過去の精算が待ってます
とても残酷だとしても償えばいつかはと思うが、市子は消えた
嘘は嘘じゃないと隠せないや、この映画にさまざまな呪言のようなセリフが
あらゆる登場人物を縛っているようで言霊というのは恐ろしいなと思いました。
パンフレットにのってる市子の年表が映画にも描かれていない時系列の心情が触れられていてよかった
でもやっぱりベロチューはずるいって思っちゃいましたね
普通に生きていられれば
どっちだっけ
生きるって残酷
婚姻届とプロポーズ
一般的に1番幸せな時だろう
だけど市子にとっては
幸せが不幸せになった瞬間
現実を突きつけられた瞬間
嬉しい分悲しかった瞬間
DV、無戸籍、在宅看護、育児放棄、、、
複雑すぎる家庭環境の中で、もがいてもがいて
何度も限界がきて でもその都度助けられて
でも幸せにはなれなくて
幸せになりたいけど、なってはいけないと思ってる
嘘ばかりな事、周りに突っ込まれると否定するけど
産まれた時から嘘を重ねて生きてるから
嘘を否定する事は自分をなかったことにしてしまう
自分の中では嘘を重ね続けて生きていく事は当たり前で
その時その時の幸せな気持ちも本物で
味噌汁や花火、ショートケーキ
ごくごく当たり前な小さな幸せが
市子にとっては大きな幸せだった
他人がどんなに理解しようとしても
市子の全ては絶対に分かり合えない
だけど
確実に周りの人に必要とされてた市子
産まれた時から存在が肯定されていたら
市子はどんな子に育ったのだろう…
杉咲花ちゃん圧巻の演技
笑ってるけど深い深い闇がある
法廷遊戯の美鈴役と繋がってる感じがした
若葉竜也さんの演じる不器用だけど真っ直ぐな役が好き
中村ゆりさん、森永悠希くん良かった
中田青渚ちゃんと若葉さんが
また一緒の映画に出てるのが嬉しかった
何度も犯罪を犯していたけど
死者を直接映す描写はなくて、
被害者に気持ちを持ってくのではなくて
加害者の心情に注目させたかったのか
犯罪を肯定するわけではない
けど犯罪の背景を知ったらきっと見方が変わる
鼻歌の虹、壁と天井の虹、空に浮かぶ虹
所々に「虹」の表現があった
暗い表現とは真逆
川辺なつみ、市子、月子の願う幸せだったのか
幸せだった頃の思い出だったのか
色々考えさせられる映画だった
こんなことは架空の話であって欲しい
出演者全員の演技が素晴らしい
寄り添う気持ちを突き放される
恋人に結婚を申し込んだ次の日に彼女が失踪した。
時期を同じくしてテレビから流れてきた死体遺棄事件と関連があるのか?
ミステリー仕立てで進むのだけど、観るべきはそこじゃない。
男が恋人の過去を調べていくうちに、助けたいと差し伸べる手を過去の彼女に手を切りつけられるような話。
最後に彼女自身の独白で二人のささやかな暮しが語られると、「こんな暮らしを続けさせてあげたかったな」と、観ているこっちも思う。
そんな観客は、彼女が海辺を歌いながら歩く、冒頭で映されたのと同じラストシーンの意味を知った時、自分の手も血だらけな事を知るのです。
8年前の遺骨から死因が特定できるほど科学が進んでいるのに、離婚直後の子供も認知ができない前時代性の矛盾に憤る。
杉咲花の演技が圧巻!
新年早々ずーんと重い
名前というアイデンティティの重さ
虹は誰が見ても虹、七色があって見え方もくっきり綺麗でも、ぼんやりと滲んだように見えても虹は虹。
オープニングとエンディング、母親のハミングの虹が物語る、私は市子という名前がある。
無国籍児が色んな理由で存在することも最近ニュースで伝えられ、難病介護の苦労やDVなどの社会問題も描くことで市子というひとりの人間の人生が哀しいものに。
私達に当たり前に生まれた時から持っている名前が、自分のアイデンティティなのだろうけど、意識することはないだろう。
無国籍児として育ち学校にさえ行けない苦悩を見事に描かれ演じられている。
幼少期から彼氏との出会いまでの描写に少し頭の中が疲れるが、市子という人間が辿ってきた人生を観るものに伝えるには致し方なく、しっかりと観なくてはなりません。
私が1番苦しかったのは市子が介護してる月子を死なせたが、帰って来た母親が動揺するでもなく市子にありがとうと言って鼻歌歌いながら台所に立ったところ。
映画としても杉咲さん、恋人の若葉さんの真っ直ぐな演技力、子役や若い役者さん全てが高い演技力でこの重いテーマの映画を締まったものにしていて胸に突き刺さります。
エンドロール中の四人家族が幸せだった頃の会話が市子と母親の胸中に常にあるんだろうと思いました。
このような映画が単館でしか上映されない事が寂しいですね、シネコンも1日で一回上映でもいいので上映してほしいですね。
幸いにも私の住む街には珍しく単館系の映画を上映してくれるシネコンがあるので助かっますが。
家庭崩壊で名前まで偽って学生を続けるメンタルの強さ。
市子の家庭はほぼ崩壊していて、筋ジストロフィーの妹、月子の世話をしながら母親の内縁の夫、小泉との関係にも悩んでいる。
月子には戸籍があるものの、市子には戸籍がない。無戸籍である。
月子になりすまして学生時代をおくるものの、高校生までの関係を断ち切って市子と名乗り始める。
話を進め方に工夫を感じる。
時系列でもなく、市子に関わる人物の目線で順に描くというのは面白い。
最後に男女が車ごと海に突っ込んで男女が亡くなったが、市子ではない気がする。
それを明確にしなかったことで、鑑賞後にいろいろ周りで話ができる余韻まで残している。
2024年野川新栄映画館映画初め
2024年映画館鑑賞1作品目
1月3日(水)チネ・ラヴィータ
フォーラムデイ1200円
監督と脚本は『13月の女の子』の戸田彬弘
脚本は他に『ばぁちゃんロード』の上村奈帆
舞台は大阪
筋ジストロフィーで寝たきりの妹月子を献身的に介護するヤングケアラーの姉市子
介護疲れで酸素マスクを外し妹を殺した市子
母の情夫小泉雅雄の力を借りて生駒山に月子の遺体を埋めた
市子には母の事情で戸籍がなかった
市子は月子になりすまし小中高と進学した
市子は月子に関する揉め事で小泉も殺してしまう
杉咲花につきる
長谷川のプロポーズに涙を流して喜ぶ市子
宗介と舌を絡めあうエグいキスをする市子
北に抱かれて泣いているよう笑っているような表情を見せる市子
北に夢を語る市子
などなど
その表情の全て全てが素晴らしい
杉咲花の魅力を篤と味合うための映画作品
小さい杉咲花が大きく見えた
ブラボー杉咲花
杉咲花の髪型が独特
アメリの髪型に似てる
さらにあれを眉毛が隠れるまで前髪を伸ばした感じ
意外とああいう系統の髪型は顔を選ぶわけで美人なら似合うかも知れないがブスはおすすめできない
杉咲花は色白の方だがそれよりも白い森永はどないなってんの?
杉咲花以外では森永悠希の芝居が光った
最後は車の中の若い男女が海に飛び込んで死んでしまうわけだが誰なのかはっきり明示されていない
状況的にいえばどうやら北と北見らしい
モヤっとしてるのがちょっと残念
手塚治虫の『人間昆虫記』や『奇子』のような女性中心の黒いドラマに感じた
傑作と高く評価したいが何かそれには物足りない
社会問題としてなにかコメントをするべきだがそれは避ける
削除対策でセンシティブな話題にはなるべく意見しないと決めている
配役
重い障害を持つ妹の月子になりすました無戸籍の川辺市子に杉咲花
市子の彼氏でプロポーズの翌日に逃げられ行方知れずの市子を探す長谷川義則に若葉竜也
月子(市子)の高校時代のクラスメートで月子(市子)に片想いしている北秀和に森永悠希
高校時代の月子(市子)の彼氏の田中宗介に倉悠貴
新聞配達時代の市子の仕事仲間でケーキ屋さんになった吉田キキに中田青渚
右側の首筋にあざが目立つ自殺志願者の北見冬子に石川瑠華
子供の頃に同級生の月子(市子)と取っ組み合いの喧嘩になったが力負けした山本さつきに大浦千佳
なつみの情夫の小泉雅雄に渡辺大知
刑事の後藤修治に宇野祥平
市子と月子の母親の川辺なつみに中村ゆり
鼻歌
同じ鼻歌なのにラストシーンは
何とも不気味というか、恐ろしいと言うか…
自殺願望の彼女と北くんを
市子が海に沈めてしまったのか。
彼女の戸籍を奪って別人として生きていくのか。
戸籍があれば、妹が健康であれば、
たらればだけど色々考えてしまった。
杉咲花さん、いい女優さんですよね。
引き込まれました。
運命とはいえかなしい
ネタバレなしに説明が難しい
杉咲花さんの地味な佇まいがたまらん
重いテーマなのに
個人的には観に行ってよかった作品でした。
内容は社会問題を扱っていてとても重いです。生まれた時から巻き込まれていた無戸籍の問題。ヤングケアラーにならざるをえない家庭環境。どちらも市子の意思とは関係ない問題です。でも母親も追い詰められてやったこと。わかっているから家族のために、市子は必死に取り繕って生きるしかなかったのでしょう。
でももがけばもがくほど、綻び辻褄があわなくなっていく。どんどん苦しい状況に追い詰められていく。全編にわたって息苦しさが流れています。
それにも関わらずこの映画には、抱えきれない問題を押し付けられて心がずっしり重くなる感じがあまりありません。(社会派の映画を見ると時々感じます)
理由をいくつか推察すると、ひとつは映画と鑑賞者の距離感にあると思います。映画はサスペンスとドキュメンタリーの中間くらいの視点で進んでいきます。なので鑑賞者は、第三者の目撃者、もしくは近くても市子もしくは市子の恋人の友人。でも演出・音響・演技には妙なリアリティーがあり遠すぎもしない。絶妙な距離に観客を置いています。
ふたつめに善悪の議論がないところ。市子も市子の周りの人もしばしば非常識、非人道的な行動を取ります。でも映画の中で良い悪いを語ることはありません。事実がやや淡々と流れていきます。鑑賞者はいろんな感情に揺さぶられますが、映画側からの明確な主張は無いようにみえます。
最後に、市子自身に視点をむけると妙な爽快感があるのです。もちろん悲惨な現実にもがき、平穏な日々をおくれないことを悲しんでいます。でもとてもしぶとく強かに見えます。映画の最初と最後で、真夏の日差しの中を市子が鼻唄を歌いながら歩くシーンがあります。絶望的なシーンですが、市子はどこか楽しげで、なにかから解放されたように見えます。
ながくなりましたが、重いテーマでありながら押しつけがましくなく、適度な距離感で観客にいろんなことを考えさせる映画です。
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