劇場公開日 2023年12月8日

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「杉咲花によく合う作品」市子 Haihaiさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0杉咲花によく合う作品

2024年12月29日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

難しい

2023年公開。

【監督】:戸田彬弘
【脚本】:上村奈帆、戸田彬弘
【原作】:戸田彬弘(戯曲「川辺市子のために」)

主な配役
【失踪した川辺市子】:杉咲花
【市子の恋人・長谷川義則】:若葉竜也
【市子を慕う北秀和】:森永悠希
【母なつみの愛人・小泉雅雄】:渡辺大知
【刑事・後藤修治】:宇野祥平
【市子の母・川辺なつみ】:中村ゆり

杉咲花は本作で、日本アカデミー賞の優秀主演女優賞を受賞した。

1.良くできた脚本
時系列を前後させながら、観る側を飽きさせない構成になっている。
市子と月子、登場人物すべてに「仕掛け」があり、
面白い。

2.キャスティングが素晴らしい
悪く言えば、オーバーになりがちな杉咲花の演技だが、
本作では、市子のキャラクター設定と杉咲花の相性がよく、可愛さと怖さの同居した複雑な役柄を見事に演じた。
若葉竜也(市子を探す恋人)と中村ゆり(市子の母)の邂逅シーンも素晴らしかった。

3.ラストの解釈
どうだろう。
普通に考えれば、市子は別人になって生きていくのか。
森永悠希(市子を慕う高校の同級生)は、
自ら犠牲になったのか、どうなのか。

4.まとめ
◆無戸籍児と難病の子供を抱えた貧困家庭
まさに、社会の暗部をてんこ盛りにしたような川辺一家。
ラスト、エンドロールが流れる中、
ささやかや団欒を楽しむ川辺家の音声が流れる。

貧しい家は必ずある。
私も、そういう家で育った。

本作は、途中までは単なるエンターテイメントとして楽しめた。
ラストに近づくにつれ、
製作者の意図がよく分からなくなった。
一本の作品として、
「良い作品」だと思うが、
他の人に薦めたり、
「もう一度見たい作品」かといえば、
違う気がする。よって、☆は3.0

Haihai
トミーさんのコメント
2024年12月30日

コメントありがとうございます。
貧困モノで、悲劇に終わりますが最後迄エッジ効いてたなと思ったのは「あんのこと」でした、五輪批判もちょいと。

トミー
りかさんのコメント
2024年12月30日

こんばんは♪共感ありがとうございます😊
むむむ〜と唸ってしまう作品ですね。
月子ちゃんが筋ジスで呼吸器使っているぐらい進行していたら余命は僅かであったと思います。知ってか知らずか世話を任せられきりの市子は耐え切れずに。今年4月に法律改正されたらしいですが、重なり過ぎた不幸の犠牲者なのか。母親がしっかりしていたらまた違ったかも。

りか
トミーさんのコメント
2024年12月29日

共感ありがとうございます。
この作品から今年にかけ貧困層モノと言うか、色々連続で作られたと思いますが、貧困への切り込みという部分は尻すぼみ気味のが多かったと思います。
この作品も入れ替わりに視点が変わって、弱い者は喰われる体で終わったのはちょっと嫌でした。

トミー