「儚げで大人しそうな美女」市子 jaxさんの映画レビュー(感想・評価)
儚げで大人しそうな美女
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突然失踪した恋人の市子を探す男性の行動を軸にストーリーが進む。最初は多くを説明せず、ストーリーが進むに連れて、市子の人物像や過去、事件の全貌が徐々に明らかにされる造りになっているため、最後まで緊張感を持って観ることができる。
妹、義理の父親、自身に執着する高校の同級生、自分と見た目が似ている自殺志願者の女性と、市子は作中で4人を殺害している。この事実だけで判断すると、市子は自分の都合で人を殺した連続殺人犯となる。
しかし、幼少期より苛酷な生活を強いられた上に、存在自体が国に認知されないといった状況でも、人並みの幸せな人生をを諦めずに懸命にもがく市子を責めることは難しいのではないだろうか。
終盤の市子が鼻歌を歌いながら歩くシーンでは、儚げで大人しそうな市子から、何がなんでも生きて幸せになろうとする強い意思を感じられる。
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