フェラーリのレビュー・感想・評価
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エンツォ・フェラーリの自伝的な映画
エンツォ・フェラーリの息子ディーノを病で失い会社は車が思う様に売れず傾いて行っていた。元々女遊びが好きだったが奥さん兼共同経営者のラウラと険悪ながらもなんとかやっていたが愛人と子供の存在がバレて更にややこしい事に。
一発逆転の秘策として(今となっては伝説の)自動車レースのミッレミリア((公道を使った)1000マイルレースの意味)で優勝してフェラーリのスポーツカーの宣伝と販売を上げる作戦に出た。
果たして結果は?フェラーリ社の運命は?
…も何も歴史を見れば全部分かるわな。
この映画のキモはエンツォと奥さん、愛人と子供、病気で失った(長男となる)ディーノに関するそれぞれの葛藤と駆け引き、各自の行動にある。実に人間臭いドラマが繰り広げられる。
それも見どころだが1950年代のスポーツカー、レーシングカーの走りとサウンドはもう一つの見どころ。レースファンにもお勧め。
今にして見ると当時のレースカーで凄まじい速度でレース場を走り回る、ミッレミリアのレースでは普通の公道を同じく猛スピードでバトル。あまりに怖すぎる。当時はあれが普通で安全への配慮も今とは大違い。とんでもない故障もあればコースを外れてリタイヤし、仕方なくライバルチームの車に乗せてもらって街まで帰るとか実に牧歌的。
その代わり一旦事故となったら車は吹き飛んで人間はバラバラ死体(これが結構あるからR12なんだろう)。実際この映画の元となった1957年の大事故によりミッレミリアの開催は無くなった。
迫力はあるが同時に怖すぎる。今やそんなレースを生で見ることは叶わないから映画で再現と言うのは良いものかも知れない。
破綻のない良映画
脚本、演出、編集とも穴はない。主役嫁愛人と演技もいい。
つまり良映画
電車とか車とか当時の物を使っていて金も掛かってる
日本映画には「本田宗一郎物語」作ってもらいたいが(もちろん無謀なマン島tt挑戦がテーマで)、予算規模考えると暗澹たる気持ちになる。正直本映画がうらやましい
ケチを付ける部分はない
せいぜいが、どうせなら前編イタリア語だったらいいのに、程度
個人的には、憎み合うだけでない夫婦の造形が見事だった脚本家に花束を送りたい
いやーいい映画だったな
贅沢言うなら、レースマネジメントやレースシーンをもっとしっかり描写してほしかった。そもそもマセラティとフェラーリ、それぞれどういう思想でミレミリアマシンを設計していたのとか。あと他チームも少しは描写してやれよとは思ったw
すっげえ散漫。ディレクションできてない。 たぶん本当は「エンツォフ...
すっげえ散漫。ディレクションできてない。
たぶん本当は「エンツォフェラーリという業が深い人間の狂気に、ビジネスも人間の愛憎も社会も巻き込まれていくことで、まるで血の赤のような人間の業を煮しめたようなフェラーリの赤が生み出されているのだ…」とかいう話にしたかったんだと思う。でも出来てない。
仕事が描けてないからエンツォはいっつもブラブラしてるだけに見えるし、家族が描けてないからエンツォはいっつもブラブラしてるだけに見えるし、狂気が描けてないからエンツォはいっつもブラブラしてるだけに見える。
1950年代の自動車産業の社長はどういう一日を過ごしているか、があんまり詰められてないから、ずーっとフワフワしてる。メカニック的なセリフでひきしめるべきシーンも延々と具体性がなく「いい感じにがんばれ」くらいしか言ってない。ふわっふわ。
あと撮影がバラバラ。墓場のシーンでは急にドキュメンタリ調のカメラになったり、でもレースシーンのクラッシュではCGが目立つわざとらしいカメラワークになったり、手法に一貫性がない。
全体的になにもかも散漫。とてもよくない仕事だと思います。
現在のフェラーリが有るのは、妻ラウラのおかげ
特にスポーツカー好きではないが、F1GPは好きだったし、当時マクラーレンホンダを応援していたがそれでも、フェラーリだけは特別。しかも70年位前の可愛いフォルムのフェラーリが走り回るのには感慨深い。
冒頭モノクロのレースから始まる。フェラーリの歴史を感じる。
エンツォ・フェラーリの1957年に起きた激動の3ヶ月を描くドラマ部分と、その途中途中にレース場面が差し込まれる。
しかし、特に前半のドラマ部分が分かりにくく眠かった。
レースもミッレミリアというレースを知らなかったので、どういうチームが参加しているのか分からず、完全にレースに堪能出来ていない。しかし前方視線の迫力がある映像。石畳の狭い街並みを、コロッセオの近くを、駆け抜けるフェラーリ。郊外ではサイドバイサイドの闘い。レース最後に衝撃映像。
妻ラウラの最後の決断。妻としてではなく会社を選んでくれた。
最愛の一人息子を亡くした深い悲しみの中、夫にいた隠し子の存在。そりゃ怒り狂うよ。それでも夫への裏切りの失望よりも、夫への愛、会社への愛着が上回っていたのだろう。
ラストではエンツォはピエロを亡き兄に合わせに行く。認知してもらえるのはずっと先だが、もうフェラーリ家の一員。
間違いなくマイケル・マン監督の最高傑作の一つだけど、爽快感よりも悲壮感が漂う一作
誰もが知る高級自動車メーカー「フェラーリ」についての物語ということで、特に車が好きな人には注目度の高い作品でしょう。
クラシックな美しさに見とれてしまうようなレースカーが、サーキットや市街地の狭い路地をだんご状態で駆け抜けるさまを、迫力満点かつ独自の映像美でとらえたレース場面は、こうした期待に十分応えてくれる、あるいはそれ以上の仕上がりになっています。
じゃあスリルと迫力を楽しむアトラクションムービーなのかというと、むしろ全く逆で、本編の多くはアダム・ドライバー演じるエンツォ・フェラーリとその家族の物語に時間を割いているのですが、マイケル・マン監督が描くフェラーリは、レーサーに無謀な挑戦をするようけしかけたり、隠し子の認知を渋るなど、なかなかの人格破綻っぷりを披露します。
そしてマン監督は、人間的に問題を抱えつつもフェラーリのオーナーとして権威を振るう彼の「罪」を、容赦なく断罪します。それは例えば、妻ラウラ(ペネロペ・クルス)に重点を置いた物語の流れ、という形でも現れるし(ラウラが決定的な場面でもフェラーリを罵倒しないことが、ますますフェラーリの「小物」っぷりを際立たせます)、アドレナリン全開のレースが冷や水を浴びせられる形で幕を閉じる、といった形でも現れています。
レースの描写、特に重要なクラッシュ場面は、ある種の誇張表現ではないかと思うようなショッキングさで、衝撃を受けるよりもあっけにとられてしまいますが、一連の映像の多くは、綿密な調査に基づいて可能な限り実際の状況を再現した結果とのこと。
これまで「男のロマン」を美化して描く映画作家として定評があったマン監督が、本作のような描き方を選んだことは驚きです。同時に本作は、スタイリッシュな作家性と併せて彼の作風を特徴づけている、徹底した取材に基づいた作劇、という職人的なこだわりがいかんなく発揮された作品となっていました!
イタリア語で自動車は女性名詞……てかアダム、耳どうした
嘘でもいいからイタリア語にしてほしかった。
ジェンダー云々の話になると、「とは言ってもイタリア語もフランス語も言葉に男女が歴然とありますけど、それはいいんですか?」てな問題になるイタリア語である。macchinaは女性名詞だ。
……ってやっぱり言われるよね、と制作サイドも(多分)わかっていて、ところどころに苦肉の「イタリアっぽい表現」が(もちろん英語で)ぶち込まれているのだが字幕がそれを表現できてない。
イタリアは今でも街に個人経営の、庶民個人のためにモノを作ってる店が並んでいる。
あの時代なら服は当然仕立て。
調度品も仕立て。
そのへんの考証は結構できてる、だけに英語がつらい。
赤く塗られらた鉄板が猛スピードで走るほうがセックスよりエロいのは歴然だ。
マセラティもよくオッケーしたもんだと思うけれど、「まぁまぁ」で済まなそうで済んじゃいそうなところがイタリアホモソーシャルっぽくもあり。そういうとこなんだよ、地中海に無駄に突き出してないんだよ。
もしイタリア語だったら話のまとまらなさも、アダムがどう見てもイタリア語話者に見えないのもかなりチャラになるのに。
のちに若造だったルカ・モンテゼーモロをマネージャーにしちゃう人に見えないんである。ヤニが足りないんだよなぁ。
無邪気な車好き「ピエロくん」。
フェラーリが人の名前だと初めて知った。「トヨタ」みたいなもんか。創始者エンツィオのレースと車づくりにかける情熱みたいなものが伝わってくる。一方で最高の車を作ることの代償として「孤独」を抱えているように見える。心が安らぐ場を愛人母子との生活に求めるのも分かる気がする。レースは元々命がけの仕事であるが、その真剣勝負の緊張感は想像するしかない。レーサーとのドライな関係や、「俺の車に乗ったら、命よりも勝つことだけを考えろ」みたいなセリフに現実感がある。
私生活と会社経営に問題を抱えて、その思いがすべて「ミッレミリア」のレースに集約しているようだ。映像面では、1950年代のレースを見事に再現している(知らんけど)。爆走するレースカーの迫力にはドキドキさせられる。それにしても車体自体やレーサーを守る安全設計はどうなっているのかと疑問が浮かぶ。いやそれよりも交通規制や観客の安全対策が大丈夫なのかとドキドキする。そして不幸な事故は起こってしまう。
エンツィオの「孤高」さが作品全体に際立っている。それが周囲との軋轢にもつながっているが、息子ピエロとの関係には何かしら明るい未来も感じさせてくれるそんな映画でした。
フェラーリの創始者。エンツォ・フェラーリの壮絶な半生を描いた作品。 本年度ベスト級。
カーレースメインの作品と思いきやちょっと違ってた(笑)
エンツォ・フェラーリの公私に渡る色々な出来事をメインに展開するストーリーだった。
エンツォ夫婦に起こった出来事がかなりエグい!
これは当事者でないと解らないけど関係する人々が皆、辛い感じで落とし所が見出だせない(笑)
でもエンドロールで本当の結末が解る親切設計(笑)
期待したレースのシーンは後半に登場。
年間に100台も売れないフェラーリが倒産の危機の中、イタリア全土1000マイルを走る「ミッレミリア」と言うレースに参加する展開。
街中には防護フェンスとかあるけど郊外には何も無し。
だけど郊外をレースカーが走るシーンの風景がとても美しい。
かなり危険な感じで走る郊外で案の定事故が発生。
かなりのインパクト!
シートベルトって当時は無かったの?
そんな中、給油とかのピットのシーンが今と違いのんびりし過ぎ(笑)
そうかと思えばライバルチームの車が事故に遭い、ライバルチームのレーサーを助手席に乗せチェックポイントまで行くシーンにホッコリする(笑)
エンツォを演じたアダム・ドライラーさん。
今まで見た雰囲気とは異なった格好良い感じが印象的でした( ´∀`)
戦争を挟んで、女性の生き方も変われたのに過去は変えられなかったというサイドストーリーも重要と思った。
チキンレースとしか思えない「レーサー」という職業、さらに高みから精神的に操る立場の主人公に、到底共感できないだろうと期待しないで見た、ペーパードライバーの私。しかし、やはり映画こそ百聞は一見に如かず! 公道(街中・大自然バックの車のCMみたいな光景)レースとは、全く知らずに見たので、もう1回イタリア旅行行けたみたいでラッキーでした〜。
クセ強主役二人のお顔と振る舞いの魅力度、抜かりなき美術・撮影・音響の総合力、圧縮された期間だけで彼らのその後の人生まで十分に想像させるもしくは想像の余地を与えてくれる脚本の旨さ、、、。
一瞬だったけど、幸せだった頃の追想シーンのペネロペクルス、キラキラして本当に可愛かった。今作では思いっきりやさぐれてカッコいい中年女性を演じてくれてありがとう!
モーツアルトのレクイエムを聴きながら、あれらの壮絶シーンを思い出しながら書いています。
蛇足二つ。無邪気なピエロくん、不自然に美少年じゃないところもよかった。スマホはもとより、携帯電話なし、テレビジョンが最速メディアだった時代を描く映画は貴重。
ストイックでシャープな2時間
もうこの手の作品には不可欠になってきましたね、アダム・ドライバー氏 笑 好きな俳優さんなので嬉しい限りですが、今回も凄かった。銀髪のアダム格好宜しかったですねぇ…。しかし今作品に於いてはやはり奥さんのペネロペ・クルスに軍配を上げたい。内包する熱量の演じ方のなんと素晴らしい事か。そう考えると「GUCCI」や「スター・ウォーズ」等々、パートナーたる演者を引き上げる能力もあるんでしょうかね彼は。持ち上げすぎかな苦笑
そして「フォードvsフェラーリ」でも製作総指揮に名を連ねていたマイケル・マン監督。らしさ全開でエンツォの極々短い時期を描き切っておりました。栄枯盛衰のこれまでの"栄"が描かれていないので乗り切れない方々もいらっしゃるとは思いますが、個人的には大英断だったなぁと思いました。時代の教科書としてもオススメ。
車の映画だと思ったら、不実な夫に憤る妻の話だった・・
フェラーリ本家のイタリアの話なんだけど
日本公開よりだいぶ早く、国際線飛行機の中で鑑賞。単純に「英語なんだ」ってか、ペネロペはスペイン人だし…?と矛盾を感じつつ鑑賞。とはいえ、始まってしまえばストーリーに没頭はできる。悲劇とすれ違い、執着とプライド、ファミリー経営企業が多いというイタリアの経済社会の特性が下地にありつつ、レースに命をかけてた男達の話、といえば美しいが、形振り構わず自分の欲望を貫いた男の話、って感じもして、誰もが一目置くブランドも創成期はドロドロだったのは、いかにもイタリアと言う感じか。
アダム・ドライバーはGUCCIについで、イタリアのブランド創業家の役。しかも今回は重厚な演技で魅せた。
興味深いストーリー
天地を揺るがすほどのエグゾースト音でも吹き飛ばせないドロドロお家騒動…
「ヒート」でドはまりしたマイケル・マン監督作品ということと、カーレースものはやはり劇場でということで公開中に鑑賞。
期待していたエグゾースト音爆裂レースシーン中心の展開ではなかったものの、アダム・ドライバーとペネロペ・クルスが繰り広げるドロドロのお家騒動もおじさん世代にはそれなりに盛り上がれた。
その中で少し残念だったのは、アダム・ドライバーのフェラーリ氏好演はとてもカリスマ的で良かったが59歳を演じるには少々ギャップを感じることと、イタリアの伊達を表現するには使用言語が一貫して英語だったことはもうひとつ雰囲気が出しきれなかったのではと感じるところだ。
いずれにしても、家族のゴタゴタやレースの過酷さ等々色々ごっちゃ混ぜの展開だが、役者陣の熱演や迫力ある影像と音響により終始目が離せない作品ではあったかな。
イタリア語で演じて欲しい気もする
フェラーリの創始者エンツォの実話をベースに1957年が最後の開催となったミッレミリアという耐久レースをクライマックスとするわずか3か月を過不足なく描いた脚本が素晴らしくアダム・ドライバーと奥さん役のペネロペ・クルスがどちらも単純な芝居では到底表現できぬシーンごとに人間がまるで変わるかのようなコンプレックスを持った多面性を見事に演じておりこの二人が画面に登場するだけでヒリヒリするほど見ごたえがあった。4年前公開の1966年のル・マンを描いた「フォードvsフェラーリ」もすごく面白かったけれどそこに至る絶対王者フェラーリがいかに狂気を孕んだ脆く狡く危うい男であったかを重厚に描く本作は全く違う方向に突き抜けていてまぎれもない傑作。名画座で2本立てのプログラムを組んで欲しいものだ。
フェラーリ好きになりました。
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