フェラーリのレビュー・感想・評価
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現在のフェラーリが有るのは、妻ラウラのおかげ
特にスポーツカー好きではないが、F1GPは好きだったし、当時マクラーレンホンダを応援していたがそれでも、フェラーリだけは特別。しかも70年位前の可愛いフォルムのフェラーリが走り回るのには感慨深い。
冒頭モノクロのレースから始まる。フェラーリの歴史を感じる。
エンツォ・フェラーリの1957年に起きた激動の3ヶ月を描くドラマ部分と、その途中途中にレース場面が差し込まれる。
しかし、特に前半のドラマ部分が分かりにくく眠かった。
レースもミッレミリアというレースを知らなかったので、どういうチームが参加しているのか分からず、完全にレースに堪能出来ていない。しかし前方視線の迫力がある映像。石畳の狭い街並みを、コロッセオの近くを、駆け抜けるフェラーリ。郊外ではサイドバイサイドの闘い。レース最後に衝撃映像。
妻ラウラの最後の決断。妻としてではなく会社を選んでくれた。
最愛の一人息子を亡くした深い悲しみの中、夫にいた隠し子の存在。そりゃ怒り狂うよ。それでも夫への裏切りの失望よりも、夫への愛、会社への愛着が上回っていたのだろう。
ラストではエンツォはピエロを亡き兄に合わせに行く。認知してもらえるのはずっと先だが、もうフェラーリ家の一員。
間違いなくマイケル・マン監督の最高傑作の一つだけど、爽快感よりも悲壮感が漂う一作
誰もが知る高級自動車メーカー「フェラーリ」についての物語ということで、特に車が好きな人には注目度の高い作品でしょう。
クラシックな美しさに見とれてしまうようなレースカーが、サーキットや市街地の狭い路地をだんご状態で駆け抜けるさまを、迫力満点かつ独自の映像美でとらえたレース場面は、こうした期待に十分応えてくれる、あるいはそれ以上の仕上がりになっています。
じゃあスリルと迫力を楽しむアトラクションムービーなのかというと、むしろ全く逆で、本編の多くはアダム・ドライバー演じるエンツォ・フェラーリとその家族の物語に時間を割いているのですが、マイケル・マン監督が描くフェラーリは、レーサーに無謀な挑戦をするようけしかけたり、隠し子の認知を渋るなど、なかなかの人格破綻っぷりを披露します。
そしてマン監督は、人間的に問題を抱えつつもフェラーリのオーナーとして権威を振るう彼の「罪」を、容赦なく断罪します。それは例えば、妻ラウラ(ペネロペ・クルス)に重点を置いた物語の流れ、という形でも現れるし(ラウラが決定的な場面でもフェラーリを罵倒しないことが、ますますフェラーリの「小物」っぷりを際立たせます)、アドレナリン全開のレースが冷や水を浴びせられる形で幕を閉じる、といった形でも現れています。
レースの描写、特に重要なクラッシュ場面は、ある種の誇張表現ではないかと思うようなショッキングさで、衝撃を受けるよりもあっけにとられてしまいますが、一連の映像の多くは、綿密な調査に基づいて可能な限り実際の状況を再現した結果とのこと。
これまで「男のロマン」を美化して描く映画作家として定評があったマン監督が、本作のような描き方を選んだことは驚きです。同時に本作は、スタイリッシュな作家性と併せて彼の作風を特徴づけている、徹底した取材に基づいた作劇、という職人的なこだわりがいかんなく発揮された作品となっていました!
イタリア語で自動車は女性名詞……てかアダム、耳どうした
嘘でもいいからイタリア語にしてほしかった。
ジェンダー云々の話になると、「とは言ってもイタリア語もフランス語も言葉に男女が歴然とありますけど、それはいいんですか?」てな問題になるイタリア語である。macchinaは女性名詞だ。
……ってやっぱり言われるよね、と制作サイドも(多分)わかっていて、ところどころに苦肉の「イタリアっぽい表現」が(もちろん英語で)ぶち込まれているのだが字幕がそれを表現できてない。
イタリアは今でも街に個人経営の、庶民個人のためにモノを作ってる店が並んでいる。
あの時代なら服は当然仕立て。
調度品も仕立て。
そのへんの考証は結構できてる、だけに英語がつらい。
赤く塗られらた鉄板が猛スピードで走るほうがセックスよりエロいのは歴然だ。
マセラティもよくオッケーしたもんだと思うけれど、「まぁまぁ」で済まなそうで済んじゃいそうなところがイタリアホモソーシャルっぽくもあり。そういうとこなんだよ、地中海に無駄に突き出してないんだよ。
もしイタリア語だったら話のまとまらなさも、アダムがどう見てもイタリア語話者に見えないのもかなりチャラになるのに。
のちに若造だったルカ・モンテゼーモロをマネージャーにしちゃう人に見えないんである。ヤニが足りないんだよなぁ。
無邪気な車好き「ピエロくん」。
フェラーリが人の名前だと初めて知った。「トヨタ」みたいなもんか。創始者エンツィオのレースと車づくりにかける情熱みたいなものが伝わってくる。一方で最高の車を作ることの代償として「孤独」を抱えているように見える。心が安らぐ場を愛人母子との生活に求めるのも分かる気がする。レースは元々命がけの仕事であるが、その真剣勝負の緊張感は想像するしかない。レーサーとのドライな関係や、「俺の車に乗ったら、命よりも勝つことだけを考えろ」みたいなセリフに現実感がある。
私生活と会社経営に問題を抱えて、その思いがすべて「ミッレミリア」のレースに集約しているようだ。映像面では、1950年代のレースを見事に再現している(知らんけど)。爆走するレースカーの迫力にはドキドキさせられる。それにしても車体自体やレーサーを守る安全設計はどうなっているのかと疑問が浮かぶ。いやそれよりも交通規制や観客の安全対策が大丈夫なのかとドキドキする。そして不幸な事故は起こってしまう。
エンツィオの「孤高」さが作品全体に際立っている。それが周囲との軋轢にもつながっているが、息子ピエロとの関係には何かしら明るい未来も感じさせてくれるそんな映画でした。
フェラーリの創始者。エンツォ・フェラーリの壮絶な半生を描いた作品。 本年度ベスト級。
カーレースメインの作品と思いきやちょっと違ってた(笑)
エンツォ・フェラーリの公私に渡る色々な出来事をメインに展開するストーリーだった。
エンツォ夫婦に起こった出来事がかなりエグい!
これは当事者でないと解らないけど関係する人々が皆、辛い感じで落とし所が見出だせない(笑)
でもエンドロールで本当の結末が解る親切設計(笑)
期待したレースのシーンは後半に登場。
年間に100台も売れないフェラーリが倒産の危機の中、イタリア全土1000マイルを走る「ミッレミリア」と言うレースに参加する展開。
街中には防護フェンスとかあるけど郊外には何も無し。
だけど郊外をレースカーが走るシーンの風景がとても美しい。
かなり危険な感じで走る郊外で案の定事故が発生。
かなりのインパクト!
シートベルトって当時は無かったの?
そんな中、給油とかのピットのシーンが今と違いのんびりし過ぎ(笑)
そうかと思えばライバルチームの車が事故に遭い、ライバルチームのレーサーを助手席に乗せチェックポイントまで行くシーンにホッコリする(笑)
エンツォを演じたアダム・ドライラーさん。
今まで見た雰囲気とは異なった格好良い感じが印象的でした( ´∀`)
戦争を挟んで、女性の生き方も変われたのに過去は変えられなかったというサイドストーリーも重要と思った。
チキンレースとしか思えない「レーサー」という職業、さらに高みから精神的に操る立場の主人公に、到底共感できないだろうと期待しないで見た、ペーパードライバーの私。しかし、やはり映画こそ百聞は一見に如かず! 公道(街中・大自然バックの車のCMみたいな光景)レースとは、全く知らずに見たので、もう1回イタリア旅行行けたみたいでラッキーでした〜。
クセ強主役二人のお顔と振る舞いの魅力度、抜かりなき美術・撮影・音響の総合力、圧縮された期間だけで彼らのその後の人生まで十分に想像させるもしくは想像の余地を与えてくれる脚本の旨さ、、、。
一瞬だったけど、幸せだった頃の追想シーンのペネロペクルス、キラキラして本当に可愛かった。今作では思いっきりやさぐれてカッコいい中年女性を演じてくれてありがとう!
モーツアルトのレクイエムを聴きながら、あれらの壮絶シーンを思い出しながら書いています。
蛇足二つ。無邪気なピエロくん、不自然に美少年じゃないところもよかった。スマホはもとより、携帯電話なし、テレビジョンが最速メディアだった時代を描く映画は貴重。
ストイックでシャープな2時間
もうこの手の作品には不可欠になってきましたね、アダム・ドライバー氏 笑 好きな俳優さんなので嬉しい限りですが、今回も凄かった。銀髪のアダム格好宜しかったですねぇ…。しかし今作品に於いてはやはり奥さんのペネロペ・クルスに軍配を上げたい。内包する熱量の演じ方のなんと素晴らしい事か。そう考えると「GUCCI」や「スター・ウォーズ」等々、パートナーたる演者を引き上げる能力もあるんでしょうかね彼は。持ち上げすぎかな苦笑
そして「フォードvsフェラーリ」でも製作総指揮に名を連ねていたマイケル・マン監督。らしさ全開でエンツォの極々短い時期を描き切っておりました。栄枯盛衰のこれまでの"栄"が描かれていないので乗り切れない方々もいらっしゃるとは思いますが、個人的には大英断だったなぁと思いました。時代の教科書としてもオススメ。
車の映画だと思ったら、不実な夫に憤る妻の話だった・・
この題名なら、車の開発にいそしみ、ドライバーを訓練し、熾烈なレースの内容を
延々とやるものかと思っていたが、下調べしないで観に行ったのが失敗だった。
旦那の不倫に憤る妻の話が1時間半延々と続き、よっぽど帰ろうかと思った。
車が出てくるかと思い退屈なのとうっとうしいのを我慢していたが、
レースになったら車が事故るだけで、ほんとにつまらなかった。
あの奥さん、いつまでもヒステリーおこしてないで、もらうものもらって
離婚すればいいのにね。
車好きが観に行く映画ではない。
ホントに金と時間を無駄にした。
フェラーリ本家のイタリアの話なんだけど
日本公開よりだいぶ早く、国際線飛行機の中で鑑賞。単純に「英語なんだ」ってか、ペネロペはスペイン人だし…?と矛盾を感じつつ鑑賞。とはいえ、始まってしまえばストーリーに没頭はできる。悲劇とすれ違い、執着とプライド、ファミリー経営企業が多いというイタリアの経済社会の特性が下地にありつつ、レースに命をかけてた男達の話、といえば美しいが、形振り構わず自分の欲望を貫いた男の話、って感じもして、誰もが一目置くブランドも創成期はドロドロだったのは、いかにもイタリアと言う感じか。
アダム・ドライバーはGUCCIについで、イタリアのブランド創業家の役。しかも今回は重厚な演技で魅せた。
興味深いストーリー
フェラーリなんて縁のない港区な車だけど倒産の危機を乗り越えて今があるのだと知った。もっと掘り下げてくれても良いくらい興味深いストーリーだった。本作の後、今に至るまでの流れも調べたくなった。フェラーリ・ディーノって息子の名前から来たのかとか興味が湧いてきた。アダム・ドライバー良かったわ。
天地を揺るがすほどのエグゾースト音でも吹き飛ばせないドロドロお家騒動…
「ヒート」でドはまりしたマイケル・マン監督作品ということと、カーレースものはやはり劇場でということで公開中に鑑賞。
期待していたエグゾースト音爆裂レースシーン中心の展開ではなかったものの、アダム・ドライバーとペネロペ・クルスが繰り広げるドロドロのお家騒動もおじさん世代にはそれなりに盛り上がれた。
その中で少し残念だったのは、アダム・ドライバーのフェラーリ氏好演はとてもカリスマ的で良かったが59歳を演じるには少々ギャップを感じることと、イタリアの伊達を表現するには使用言語が一貫して英語だったことはもうひとつ雰囲気が出しきれなかったのではと感じるところだ。
いずれにしても、家族のゴタゴタやレースの過酷さ等々色々ごっちゃ混ぜの展開だが、役者陣の熱演や迫力ある影像と音響により終始目が離せない作品ではあったかな。
イタリア語で演じて欲しい気もする
フェラーリの創始者エンツォの実話をベースに1957年が最後の開催となったミッレミリアという耐久レースをクライマックスとするわずか3か月を過不足なく描いた脚本が素晴らしくアダム・ドライバーと奥さん役のペネロペ・クルスがどちらも単純な芝居では到底表現できぬシーンごとに人間がまるで変わるかのようなコンプレックスを持った多面性を見事に演じておりこの二人が画面に登場するだけでヒリヒリするほど見ごたえがあった。4年前公開の1966年のル・マンを描いた「フォードvsフェラーリ」もすごく面白かったけれどそこに至る絶対王者フェラーリがいかに狂気を孕んだ脆く狡く危うい男であったかを重厚に描く本作は全く違う方向に突き抜けていてまぎれもない傑作。名画座で2本立てのプログラムを組んで欲しいものだ。
フェラーリ好きになりました。
恥ずかしながら、エンドロールまで主人公がアダム・ドライバーとはわかりませんでした。フェラーリというかイタリアのモータースポーツの歴史がわかる映画と思いました。
やはりモータースポーツが根付いているイタリアは現在のF1で強いのも当たり前と感じました。ポルシェファンでしたが、その次位にフェラーリが好きになりました。
演出によってはダサい人生にも撮れる。
スピード感溢れる爆走レーシングカー!
よりも、
スピード感溢れる爆走レーシングカー!
を特に応援するわけでもなく
ビジネスとして管理し
女がらみの問題に右往左往される男の人生。
これ演出次第ではダサくもカッコ良くも撮れる。
コメディでもいける。
凄い人生なのは確かだけど自業自得な物語。
でもあのシーンは凄え。
イタリア男ってやつは
昔から車はポルシェのエンジン音が好きなんです💜でもこの映画観たらフェラーリも好きになるかなー、と思って観たけど、うん、思ってた感じとは違ってた。
その分が減点……でもこの映画自体は悪くない。あたしの勝手な思い込み。
アダム・ドライバー、なんでこんな終始老け役を引き受けたのか……謎😂
ヒステリックなペネロペさんが観たい方にはオススメです!
ピエロ君は副会長
アダム・ドライバーがドライバーつながりで(違う)エンツォ・フェラーリという役どころ。作劇自体は巨匠マイケル・マンだけど、話はエンツォの人生の一時期だけを切り取った内容で、妻と愛人と会社経営とレースと…と登場人物も多めな上に、終盤の惨劇を除けば展開は地味で、エンツォへの思い入れがないと興味を持続するのが難しい感じ。エンツォがひたすら追い詰められていく話でカタルシスが得られることもなく…。
当時のレーシングカーでのミッレミリアはルパン三世を思い出させるが、最近は二輪レースのモトGPではバイクやライダーに搭載した小型カメラからの中継映像もあるぐらいなので、いくら金をかけた撮影でもクラシックな趣を楽しむ以外はリアルの迫力には劣っちゃう印象。
感情を露わにしない主人公に対して、鋭い眼差しで突き刺し捲し立ててくるペネロペの悪妻?ぶり(つーか悪いのは100%夫)はよかった。最後はおいしいところ持ってくし。「ガンを返して」って、そっちかよ!なところは笑ってしまったが、アダム・ドライバーは最後の決闘裁判でもおんなじ体位だったので、高身長だと撮影上の必然からそうなるのだろうか(どうでもいい考察)。
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