「女の意地をじっくり堪能あれ」フェラーリ ジョーさんの映画レビュー(感想・評価)
女の意地をじっくり堪能あれ
フェラーリは、ブランドに対する愛着と執念と負けん気だけで生きてたんだろうな。
妻を傷つけることを承知で、他に家族がいて、跡継ぎのためには手段を選ばない。
いわゆる鬼でしょ。でもフェラーリのブランドを守ればすべてよしってこと?
カークラッシュで死者が出ても責任取らず、起訴されず。
だが、フェラーリ扮するアダム・ドライバーがなぜか突き抜けている。
彼の考える現実は、もはや実生活にはない。
フェラーリワールドから物事を語っている。
対象的に、実生活に踏みとどまろうとするペネロペ・クルスの演技が圧巻。
常識をひんまげるフェラーリの上をいっている。
フェラーリワールドの汚染を崖っぷちで蹴散らして、不覚にも支えている。なんというアンビバレンツ。
女の意地をじっくり堪能あれ。
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