「人間ドラマとして完成度が高い」フェラーリ じきょうさんの映画レビュー(感想・評価)
人間ドラマとして完成度が高い
さすがのマン監督。
エンツォ・フェラーリを孤高の人として描くのではなく、欠点もあるし、人間的にもじつに泥臭い人間に見えた。
しかし、当時の車の安全性たるや「走る棺桶」でしかない。200km/h近いスピードを出しながらシートベルトもないし、運転席はむき出しだ。吹っ飛んだら命がないと思っていたら開始早々やっちゃった。あかーん。
エンツォ・フェラーリを演じるアダム・ドライバーはダースベイダー以来久しぶりに見た。最初は誰だかわからず目付きとあごの形に見覚えがあった。広い肩幅大きな体に長いけど小さな頭。カッコイイ。もう、それなりの歳なんだろうな。
奥さんのペネロペ・クルスは実に上手かった。愛人の元に通い続ける夫に、最後に言い放つ「何もいらない。でも、外の子を私が生きている間に認知しないで」。カコイイ。
レース中の大事故は道路に埋めてあった金具を踏んでコントロールを失うった車が大横転したことで起きる。穏やかな日常を送る家族⋯フラグがたつ。やっぱり。そう言えばドライバーの彼女に送る手紙もフラグだったなあ。生きて帰れたら⋯(これはタヒぬでしょ)
あの金具はなんだろう?
現代の道路でもセンターに結構背の高い反射板付きの金具がある。扁平タイヤで踏むとかなりの衝撃が来る。怖い。
しかしながら、光一くんが言うような大興奮にはならなかった。レースが少ないのが原因だと思う。ちょっとダラダラした感じでスピード感がいまいち。だから、終盤に向けて盛り上がらないなあ。現代の技術をもってすればもっとエンターテインメントとして楽しい映画になりそうだったのにと少し心残りだった
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