「エンツォ・フェラーリという男」フェラーリ 椎名モモコさんの映画レビュー(感想・評価)
エンツォ・フェラーリという男
エンツォ・フェラーリ、フェルデナンド・ポルシェ、本田宗一郎
FIAの歴史上で唯一モータースポーツの神と認めた(ゴールドディスクを授与した)3人です
共通するのは何が何でも勝ちたいという心
そういえば「グランプリ」の三船敏郎さん演じるチームオーナーもそうでしたね
ミッレ・ミリアといえば堺正章さんやteam TAISANの千葉さんが出てる
お金持ちの遊びという認識でしたがその昔は遺書を書いて参加するような
とんでもないレースだったんですね
F2時代から40年以上の古参レースファンですが全く知りませんでした
(まあ生まれる前の話ですから)
この時代はヘルメットを被っていますがシートベルトが無かったんですね
モデナのテストコース(現在も所有)の事故でぼろきれの様に転がってる姿は
ゾルダーのジル・ヴィルヌーヴを思い出しました(映像的に参考にしたのかも)
昔のウノ・ディエールのような並木道のストレートは怖いですね
当時ル・マンを走ったドライバーは永遠に終わらないんじゃないかという恐怖を感じる
と語っていました
メルセデスベンツがル・マン24時間参加を永久封印(何十年後かに解除)した
大事故は有名ですがフェラーリも同じような大事故を起こしていたんですね
こうした事故の一つ一つが何十年も経て現在の安全な車両や観戦環境に繋がっている
この映画を見て改めて強く感じました
(以下はちょっとネタバレ?)
物語(実話)はどん底からの起死回生ではなく壊滅的な悲劇で幕を閉じますが
いざというときのラウラ夫人の内助の功が描かれ
実際の生涯はハッピーエンドだったことが紹介されます
マイケル・マン監督ならではの濃い人間ドラマが満喫できるいい作品です
イッテQでお馴染みアダム・ドライバーは既にオスカーノミネートを果たしていますが
「グッチ」に続いて本作もなりきりが凄いですね
あっという間に一流俳優の仲間入りをしたその実力は素晴らしいですね