「彼は勝ち、負ける」フェラーリ サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
彼は勝ち、負ける
「フォードvsフェラーリ」を敬愛するばかりに、レースシーンの少なさは物足りなさを感じさせる。ドラマパートにおいてもつまらないシーンが多く、ちょいちょい眠気に襲われる。しかしながら、アダム・ドライバーには魅せられ続け、好きか嫌いかで言えば中々に好きな作品。
まだまだ若いのに、ここまで威厳を出せるアダムは流石である。彼の表現力が択烈しているばかりに、脚本や演出がかなり及んでいないのが、どうしても気になってしまう。フォードvs...で製作総指揮を務めたマイケル・マンがメガホンを撮っているにも関わらず、ジェームズ・マンゴールドの実力があまりに優れていたのか、どうも二番煎じ的な映画に仕上がっている。
それでも、終盤はこれまでの弱い部分を巻き返しくるくらい興奮したし、見応えを感じた。フェラーリ社、エンツォ・フェラーリがあの短時間に詰まっている。伝記映画は、当時の時代背景、主要人物の詳細な情報を頭に入れていた方がより楽しめるし、本作だってそのような映画のひとつなんだけど、無知であったおかげであのレースはかなり衝撃的で、何も知らない状態でいくのもある種の楽しみ方だと個人的に思った。
生死の関わるレースで、勝ちのみを目指す。彼は果たして、勝ったのか。それとも、負けたのか。大スクリーンで見る価値は、大アリ。
こんにちは。
”生死の関わるレースで、勝ちのみを目指す。彼は果たして、勝ったのか。それとも、負けたのか。大スクリーンで見る価値は、大アリ。”
私は、エンツォは人生を哀しみも含め楽しみ、結果的には勝ちをもぎ取った男だと思います。
自らの意志を妥協なく貫く生き方が好きなんです。(愛人を持つところは除く)では。