劇場公開日 2024年7月5日

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「レースに優勝する事で車が売れた割と何でも有りな時代のお話」フェラーリ カツベン二郎さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0レースに優勝する事で車が売れた割と何でも有りな時代のお話

2024年7月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

アダム・ドライバーは演技派だがあまりイケてる役者と言う認識がないのだが、白髪でオッサン歩きにもかかわらず彼史上一番かっこよく見えた。
イタリアと言えば種馬らしくエンツォ・フェラーリも例に漏れずでしっかりと愛人を囲い子供まで作っており、何となく亡くなった息子のお墓での涙は嘘臭く見えた。

ペネロペ・クルスの完全に美しさを消しおばちゃんに成り切ったカメレオン女優ぶりは衝撃的だった。
フェラーリの妻で共同経営者だが家の中で拳銃を発砲し、息子の死をエンツォのせいにするぶっ飛んだイタリアのおばちゃんである一方で、銀行でのやり取りでは冷静で隙のないやり手ぶりを見せる振り幅の大きさは印象的だった。

法や道路の整備ができてない時代に公道を使ったシートベルト無しが当たり前だった時代のレースは命懸けで犠牲者もたくさん出したのだろうが、いくら心の中に壁を作ったとは言え、エンツォはもう少し凹んでもいいのではないか。
レースに勝つ事以外に何の感情も持たない欠陥人間にしか見えなかった。

大のフェラーリ好きを公言すふマイケル・マンの熱い思いがありながらクールで俯瞰した目線の演出がしっかりと効いているなかなかの佳作だと思った。

カツベン二郎