人間の境界のレビュー・感想・評価
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非人道と人道のせめぎあい
日本にいる私達にとってヨーロッパの難民問題は少し遠い出来事。EU圏内で発生する移民への迫害は知っていても、難民をまた強制的に送り返すことで混乱を巻き起こそうとする国があるなんて!難民問題があるとは知っていても全然わかっていなかったんだなと強く実感させられた。 シリアからの難民家族、国境警備隊、難民を支縁する活動家と視点が変わっていくのが群像劇のようでよかった。様々な視点から描かれることでより厚みのある物語になっていたと思う。いや、物語というには軽すぎるか。現実の世界で起こっている「今」を描いた話だ。ちょっと前の話と思っていた自分を恥じてしまう。 ここで描かれる難民たちの環境は本当に地獄のようだった。非人道的な扱いとはこのことだ。あんな環境自分だったら耐えられない。早々に命を落としてしまうに違いない。 それでも難民たちを支縁する人たちがいることは唯一の救いだった。非人道的な扱いと、人道的な支援がせめぎ合っている様にただただ圧倒されてしまった。結構長い映画なのにスクリーンから目が離せなかった。同時代性というものを強く意識させられる。すごい映画だ。
自分なら、、どうするか?
ロシアとウクライナが仲悪い原因じゃないかと思われるホロモドールを題材にした「赤い闇」を見そびれてしまい、気になってた監督の作品です。 今回はベラルーシとポーランド国境が舞台。 難民が溢れる国境で、私達はどうするべきか?助けるか?拒絶するか?その境界線を見る人に問いかける映画です。 難民、そして国境警備隊、難民に手を差し伸べる活動家。三つの視点から描かれています。 ヨーロッパの街で難民が半数を超え治安が悪くなっている話がニュースになってます、そこら辺をテーマにした映画も増えました。地続きじゃない日本も最近は他人事じゃ無い状況です。 人道的には助けるべきだけど、宗教や文化、言葉の問題。そしてそれが原因で仕事に付けず犯罪や暴力に走る難民。問題は複雑ですが一人一人の人間がその時、その境界のどちら側に立つのか?モヤモヤと自問自答しながら映画館を出ました。
難民問題について考えたい方に
難民問題…というと、政治絡みの、小難しい頭デッカチの理屈ばかりの映画かと思われるかもしれませんが、そればかりでなくストーリーの起承転結も、登場人物のエピソードもきちんと描かれて、エンターテイメントとしても成立しています(決して楽しい映画ではありませんが…) シリアの難民キャンプからベラルーシに飛行機で向かう一家、国境警備隊のポーランド人男性、人権活動家として難民サポートを始める女性それぞれが、きちんと章立てしてストーリーが始まり、それぞれが互いに接点を持ち、そして伏線回収もされていく筋書きも見事で脚本もすごいです 映画鑑賞していて、こんなに辛くなることは滅多にない経験で、また現在進行形でおきているこの問題について深く考えさせられました
なんとなく聞いたことがあった程度のことが、 現場ではここまで凄いこ...
なんとなく聞いたことがあった程度のことが、 現場ではここまで凄いことだったんだと改めて知らされた 制作側に当事者もいるようなので、 これはドキュメントとして捉えたい いろんな立場のひとがいていろんな考えの人がいるんだと、 なにごとも単純ではなく複雑なんだと、考えさせられる
スリリングに描く難民問題
記憶に新しいEUでの難民騒動ですが、この映画はベラルーシとポーランドの国境で起きた問題に焦点を当ててます。 ドキュメンタリーっぽいけど、役者が脚本を演じる劇映画です。 そして“キャストには実際に難民だった過去や支援活動家の経験を持つ俳優たちを起用”だそうです。 すごくスリリングで、引き込まれ食い入るように観ました。 ただ、全編モノクロでシーンによっては映されてる物が何なのか識別しずらくて、少し苦労しました… カラーだったらなと思ったけど、カラーだと映像に気を取られすぎてしまい、モノクロの方がストーリーに集中できるのかな? つらく痛々しい描写ばかりだけど、中身のない下らない映画より、僕は好きです。 映画上映にあたって様々な妨害があったらしい本作。 いろんな人に観てほしいです。
抗えない大きな出来事を前に何をするか
ベラルーシ、ポーランド両国の思惑に翻弄され、利用される難民たち。国境付近では、ボールのように蹴っては返され、人間的扱いすらされない。紛争などで祖国を追われ、安全に暮らせる場所を求めて来たはずが、たどり着いた場所でも邪魔者扱いされ、どこまでも追いやられる。難民たちはなぜこんなことが起きているのか分からぬまま、ただただ弄ばれていく。その様子はまさに地獄絵図。 EUは混乱に満ちた世界情勢のなかで多くの難民・移民の受け入れを行なっている一方、その反動も大きいはずで、受け入れる国の市民の中でも意見は割れている。人権とは名ばかりで、実態は難民の選別(映画でも中東難民とウクライナ難民との対応の差が見受けられる)が行われ、差別と迫害が続いている。 ポーランドの国境警備隊の軍隊学校でのプロパガンダ的教育と、それに従う者と静かに抵抗する者。難民支援活動家たちの取り組みには頭が上がらないが、心ある者たちの助けだけでは到底解決できる問題でもない。しかし、最後にアフリカからの難民を受け入れた家族や精神科医の女性ように、結局はこうした人の優しさとあたたかさ、そして人と人との連帯が人間を救うのだと思った。
救いはあるのか?
同じように生を受けて生まれてきたのに国が違うだけで運命が決められている。 平等ではないし人権もない場所で生き残れるのは運の良い者だけ、 ただ、生きたいだけなのに許されず安心な場所すらない。 今の自分が置かれている状況がどれほど恵まれているか、 そしてそんな自分に何が出来るのかを考えさせられる映画だった。 移民映画はフィクションではないし他人事ではないので、また違った恐怖を抱く。
これが現実
物語りの舞台は ベラルーシとポーランドの国境。 しかし同じような難民流入の問題は ロシアとノルウェー、ロシアとフィンランドでも起きていることを 新聞やテレビのニュースで我々は知っている。 西欧諸国の混乱を狙い、 東欧の独裁国家が意図的に難民を送り込む。 ここで皮肉なのは、難民の誰もが ロシアやベラルーシに定住したいと思わぬこと。 それらの国では自由が制限され、 自身の居場所が無いことを難民たちは知っており、 より将来の可能性がある場所(ここではポーランドのさらに先の北欧諸国を)を目指すことを 国家が認識しているとの、ある意味自虐的な状態。 ただ、そうしたことは表面的な知識であり、 難民対応の実態については 本作を観るまでまるっきり考えもしなかった。 ことポーランドに限ったことかもしれないが、 その扱いは悲惨の一言に尽きる。 もっとも、その前段としてのベラルーシ側の対応は 国家として受け入れ、しかし国境に送り込む際に 警備隊と業者は結託、なけなしの金で航空券を買い はるばるやって来た難民たちから 更に金品をむしり取る。 加えて人を人とも思わぬ暴力的な扱い。 一方のポーランド側も、難民を発見した国境警備隊は 難民申請を受理することなくベラルーシ側に押し戻す。 時として暴力まがいの手段を使い。 そしてまた、戻された側も 再度押し返そうとする鼬ごっこ。 それは生きている人間はおろか死体にまで及び 両国の官憲はもはや人間としての心を失っているようにさえ見える。 『チャップリン』の{喜劇映画}に出てきそうなエピソードも これは全くのリアル。 が、ポーランド側には難民を助けようと無私で動く人々や組織も、 また官憲の側にも、そうした非道の扱いに心を痛め、 少しでも力になろうとする人々も存在する。 それは一服の清涼剤のように。 本作ではそうした実態を 難民の立場、警備隊の立場、人権活動家の立場、個人の立場と 四様をドキュメンタリーに近い表現で描き、 イマイマを痛烈に非難する。 おそらく、対比の為に何処かでふれられるだろうと予想はしていた ロシアの軍事侵攻によるウクライナからの避難民についての描写も 案の定あり。 シリアやアフガニスタンからの難民に比べ、 当然のように彼等・彼女等への対応は手厚く暖かい。 その背景にあるのは、人種の違いや、国の近遠や 文化や宗教の違いだけなのか? 日本には関係の無い他所での出来事と、関心を低く感じるかもしれない。 しかし「3.11」のあと、 福島からの避難者に対し「身体が汚染されていないか?」と危惧したのは誰だったか。 またコロナ禍の当初に医療従事者に対し 「感染が怖いから近くに住むな・寄るな」と反応したのは誰だったか。 本作は、全ての人の奥底に潜む差別意識や身勝手さに対して、 圧倒的な NO を突き付ける。
我々にも突き付けられている現実
ベラルーシとポーランド国境で繰り広げられている、難民の押し付け合いという非人道行為を、ポーランドの映画監督・アグニエシュカ・ホランドが映画化した作品でした。先日観た「マリウポリの20日間」と異なり、本作はドキュメンタリー映画ではありませんでしたが、極めてリアリティがあり、限りなくノンフィクションに近い作品と感じました。 事の発端は、2021年5月にベラルーシがアイルランドの民間航空機を強制着陸させ、それに対して翌6月にEUがベラルーシに対して経済制裁を課したことのようです。ベラルーシは、その報復としてEU加盟国である隣国のポーランドやリトアニア、ラトヴィアに、中東やアジアから逃れてきた難民を”人間兵器”として送り込みました。既に2011年頃から始まったアラブの春を発端とした中東の混乱で難民は急増しており、多くの難民を受け入れた欧州各国では、賛成派、反対派の対立があったので、難民を送ることは間接的に敵対国の力を削ぐという効果があるという判断がベラルーシにあったのでしょう。 本作の一方の主役であるバシールらシリア人一家は、EU加盟国であるポーランドに入国すれば親戚のいるスウェーデンに行かれるという言葉を信じてベラルーシに渡り、そこから深い森の中に横たわる国境を越えてポーランドに入国する訳ですが、驚くことにポーランド当局は、こうした難民を捕まえて、ベラルーシに送り返してしまいます。ベラルーシに送り返されたバシール達は、今度はベラルーシ当局に捕まり、再度ポーランド側に送られることに。そうした驚くべき応酬が繰り返される内に、当然の結果として死んでしまう人も出て来るに至ります。バシールの長男も、途中アフガニスタンからの難民であるレイラと行動を共にする中で、沼地に嵌って溺れて亡くなってしまいました。 やや救いがあるとすれば、これまた本作の一方の主役であるポーランド側の難民支援者達の存在。国境が横たわる森の中で難民たちに食料や医療支援をする訳ですが、何せ森の中なので支援にも限界がある上、彼らのルールとして難民を輸送することや、国境付近の立ち入り禁止への立ち入りを禁じているため、根本解決には至りません。 そうしたジレンマは、支援者自身にもあるようで、新たに支援者グループに加わった精神科医のユリアが、こうした禁を破るところが物語としての見所でした。案の定ポーランド当局に拘束され、自動車も破壊されてしまう訳ですが、この一件で、支援者グループの中でも過激派の女性(名前を忘れてしまった)に、「あなたを見直したよ。てっきり自己評価(自己肯定感だったかな)を高めるために支援グループに入ったんだと思ったけど、違ったね」という言葉を投げかけて、それまで評価していなかったユリアのことを一転して認めます。そしてこの一言は、結構私自身にも刺さる言葉でした。一応平和な日本にいて、あれこれエラそうなことを言っても、それは自己満足に過ぎず、何ら世間的な問題を積極的に解決する効果はないんだと、改めて思わされることに。 ベラルーシがやっていることは非道の極致であり、一切擁護することが出来ないのは論を待ちません。一方ポーランドのやっていることはどうでしょうか。作品内で行っていたことが事実であれば、間違いなく惨たらしい人権侵害であることは間違いないとは思うものの、我が日本でも、入管施設に収容されたスリランカ人女性が亡くなった事件が話題になりましたし、最近では埼玉県川口市において、地元住民とクルド人住民との間の軋轢が、ちょくちょく報道されています。規模は小さいながらも、ポーランドで起きていることは、日本にもない訳ではないのです。たまたま自分の周辺にそうした事例がないだけなのです。それを思うと、自分が当事者になった時、ユリアのような行動を取れるのか、反対の行動を取るのか。そんな思いが、支援グループの女性のセリフを聞いて頭をよぎったところでした。 そんな訳で、難民問題を我がこととしても考えさせられた本作の評価は★4.5とします。
つらい・・・
決して楽しい映画だとは思っていませんでしたが、予想以上につらくて、正直、疲れました。 難民、その問題、知らされて知れ渡っています。知識としてはあるけれど、その真実はほとんど分かっていないのだと思い知らされます。 グリーン・ボーダー・・・どんなに集中してこの作品を見きったとしても、その色は決して知ることはありません。当たり前のことなんですけど─ かなり忍耐を要した作品でしたが、意外と集中して見入った気がします。気合いを入れて頑張って鑑賞すれば、相当きます。寝不足での─とか、隙間時間で─とか、そういうのはやめておいた方がいいのかもしれません。 とりあえず、行ったり来たりする構図さえ分かれば、気持ちを入れやすいのかも─ とはいえ疲れたー。これを自宅で見たら、多分、全部見ることはできないかなぁ
ビャウォヴィエジャの森
2021年10月ベラルーシとポーランドの国境地帯で密入国を試みる難民・移民達と、彼らの支援をする活動家、そして国境警備隊の話。 ロシア&ベラルーシの謀略で「ベラルーシを経由してポーランド国境を渡れば、安全にヨーロッパに入ることができる」という情報が流され、人間兵器としてベラルーシからポーランドに送り込まれる密入国者。 もちろんポーランドとしても攻撃の形で送り込まれた密入国者をそのまま受け入れることはできず、ベラルーシへ送り返され、また送り込まれが繰り返されて行く。 その当時、国境間の緩衝地帯の様なところで過す人達のことをニュースで観たことはあったけれど、こういうことだったんですね。 綺麗事を言うのは簡単だけれど、こればっかりはポーランド側の対応は仕方ないとしか言えない…暴力は論外だけど。 そして活動家の行いも最初は良かったけれど、4章のそれは気持ちはまあわかるけど共感は出来ない。 これは現状を訴える為につくられた作品か、プロパガンダで作られたのか…ただ、胸クソ悪さは堪らないものがあった。
これは超がつく傑作だった
ポーランド🇵🇱とベラルーシ🇧🇾の国境。 シリア🇸🇾やアフガニスタン🇦🇫から来た難民たち。 ベラルーシからポーランドの国境を越えて安全にヨーロッパに入ることができるという情報。これは多くの難民をポーランドに移送せんとするベラルーシ政府の策略だった。 難民の受け入れを拒否するポーランド。国境を越えた難民は直ちにベラルーシへ送り返された。 そう、キャッチボールの如く国境を行き来する難民たち。寒さと飢えで多くの命が失われた。 困窮する難民とともにポーランドの支援活動家や国境警備隊の視点を加えることで厚みのある作品になった。美しいモノクロ映像により説得力を増した。スリリングな展開はエンターテイメントとしても成立していた。 つまりは極上の作品だった。 今年のベストの一本だろう。
酷い、としか云いようがない。映画としてはドキュメンタリーと見紛う程の迫真性が凄いが、“2022年という今”の世界の一面をフィルムに残したという価値がある。
①本作を鑑賞した後、海外からの観光客も含め笑いさざめく人々で賑わう大阪ミナミを通って帰ったけれども、それもまた“今”の世界の一面であることも紛れの無い事実である。 ②こんなことがいつまで続くのか、というより人類文明(明るくないけど)が有る限り。いつまでも続くと思うのだけれども、この現実を目の当たりにして自分だけは心を麻痺させたくはないと思う。
世界の今を知る
シリア人家族が亡命を求めベルラーシ経由でポーランド国境を渡る為に自国を脱出。そこで待ち受けていたのは国の確執と非人道的な国境警備隊。ふたつの国の間では遺体の押し付けと難民の戻し合いが。そしてその影にいるロシアの存在。行く手を阻まれた難民たちに手を差し伸べる支援活動家の行動には胸を打たれました。 この作品を通して世界の今を知る。 行き場のない難民を「人間兵器」扱いし、これでもかとばかりに容赦ない暴力。だがその中で心身共に疲弊していく警備隊もいる。上の命令にうんざりしながらも従うしかない現実。 難民、国境警備隊、支援活動家による三者からの視点が最終的にはシームレスに繋がっていて優しさという人間味ある終わり方がとても良かった。
人間の境界 観ていて非常に疲れる作品。(褒め言葉) まずは国境を越...
人間の境界 観ていて非常に疲れる作品。(褒め言葉) まずは国境を越える難民をまるで弄ぶかの様なこの様な扱いをしている現実を知るきっかけとなる作品であり、人間のもつ冷酷さを前半はこれでもかというくらい伝えさせられる。 後半にはそれでも人間が持つ優しさをしっかり描かれ少なからず光や救いがきちんと描かれていて見終わった後の後味は良い。 難民を何でもかんでも受け入れてしまえばその問題ももちろんあるが、一つの社会問題に触れる事のできる、学び考えを与えてくれる作品であった。 個人的な2024年洋画新作鑑賞ランキング 1 ネクスト・ゴール・ウィンズ 4.8 2 Firebird ファイアバード 4.8 3 コット、はじまりの夏 4.7 4 アイアンクロー 4.7 5 オッペンハイマー 4.7 6 クレオの夏休み(横浜フランス映画祭2024) 4.7 7 コンセント 同意(横浜フランス映画祭2024) 4.7 8 ARGYLLE/アーガイル 4.7 9 アリバイ・ドット・コム2 ウェディング・ミッション4.5 10 バティモン5 望まれざる者(横浜フランス映画祭2024) 4.5 11 システム・クラッシャー 4.5 12 デューン 砂の惑星 PART2 4.5 13 愛する時(横浜フランス映画祭2024) 4.5 14 ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ 4.5 15 アクアマン/失われた王国 4.5 16 ニューヨーク・オールド・アパートメント4.3 17 マリア 怒りの娘 4.0 18 異人たち 3.7 19 ミツバチと私 3.6 20 ブリックレイヤー 3.5 21 ネネスーパースター(原題) Neneh Superstar (横浜フランス映画祭2024) 3.4 22 オーメン:ザ・ファースト 3.4 23 RHEINGOLD ラインゴールド 3.3 24 12日の殺人 3.3 25 インフィニティ・プール 3.3 26 ゴーストバスターズ フローズン・サマー 3.2 27 プリシラ 3.2 28 コール・ジェーン -女性たちの秘密の電話- 3.2 29 コヴェナント/約束の救出 3.0 30 僕らの世界が交わるまで3.0 31 ゴジラ×コング 新たなる帝国 3.0 32 ブルックリンでオペラを 3.0 33 ストリートダンサー 3.0 34 カラーパープル 2.9 35 弟は僕のヒーロー 2.8 36 RED SHOES レッド・シューズ 2.8 37 画家ボナール ピエールとマルト(横浜フランス映画祭2024) 2.7 38 Vermines(横浜フランス映画祭2024) 2.6 39 関心領域 2.6 40 タイガー 裏切りのスパイ 2.5 41 ジャンプ、ダーリン 2.5 42 人間の境界 2.4 43 エクスペンダブルズ ニューブラッド 2.3 44 けもの(仮題)La Bête(横浜フランス映画祭2024) 2.3 45 マダム・ウェブ 2.3 46 落下の解剖学 2.3 47 ダム・マネー ウォール街を狙え! 2.3 48 哀れなるものたち 2.3 49 殺人鬼の存在証明 2.3 50 エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命 2.3 51 ザ・エクスチェンジ 2.2 52 DOGMAN ドッグマン 2.2 53 パスト ライブス/再会 2.2 54 リトル・エッラ 2.2 55 パリ・ブレスト 夢をかなえたスイーツ 2.2 56 ボーはおそれている 2.2 57 ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人 2.2 58 瞳をとじて 2.2 59 ゴースト・トロピック 2.2 60 葬送のカーネーション 2.2 61 Here ヒア 2.1 62 美しき仕事 4Kレストア版(横浜フランス映画祭2024) 2.0 63 ハンテッド 狩られる夜 2.0 64 サウンド・オブ・サイレンス 2.0 65 ミセス・クルナス vs. ジョージ・W・ブッシュ 66 ゴッドランド GODLAND 2.0 67 キラー・ナマケモノ 1.9 68 ザ・タワー 1.9 69 ポーカー・フェイス/裏切りのカード 1.9 70 マンティコア 怪物 1.9 71 潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断(イタリア映画祭2024) 1.9 72 アバウト・ライフ 幸せの選択肢 1.8 73 サン・セバスチャンへ、ようこそ 1.8 74 デストラップ 狼狩り 1.6 75 No.10 1.5 76 VESPER/ヴェスパー 1.5 77 フィスト・オブ・ザ・コンドル 0.5 番外 ソウルフル・ワールド 5.0 QUEEN ROCK MONTREAL 5.0 あの夏のルカ 5.0 私ときどきレッサーパンダ 5.0 FLY! フライ! 5.0 犯罪都市 NO WAY OUT 4.5 DUNE デューン 砂の惑星 リバイバル 4.0 バジュランギおじさんと、小さな迷子 リバイバル 2.0 メメント リバイバル 2.0 π〈パイ〉 デジタルリマスター 2.0 貴公子 1.5 ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター版 1.5
「不確かな情報」に一縷の望みを託す
のほほんとGWを過ごしていることがどれだけ幸せなのか。誰かに命令なぞされず、自分の考えで行動できることがどれだけ幸せなのか。 束縛のない自由を掴むことは難しい。 モノクロのスクリーン越し受ける、国境警備隊の追手から逃げる鬼気迫る緊張感が半端なかった。
人権とは何か?
非常に見応えがあり、お勧め作品です。 我々島国で育った人間が普段感じることのできない国境。そして人権について描かれています。 今こうしている間にも、様々な人たちが暴力に直面している現実を身直に感じることができました。 固いことばかり書いてしまいましたが、映像作品として非常に良質で、ストーリーも説得力があります。 わずかに0.5点マイナスなのは、もう一度観たいか?と問われると、そこまでは思わない。というだけです。 骨太な作品をぜひご堪能ください。
なぜダメなのか。なぜ?
幸せになれる土地を求めて移民になったはずなのに、それとは程遠い深い森に囲われて動けない。 当事者は勿論、観客もなぜそうなっているのか全くわからないまま、暴力的に二国間をピンポンさせられる大混乱から逃れられない苦しみが続く。 危険から逃れるために移民になったのに更に危険で不安定な場所に居続けなければならない、そして何故そうしなければならないのかが全くわからない。 なぜ?なぜ!?なぜ先に進めないの?? 救いの手も届く範囲が決まっているので、助ける方も助けられる方もその範囲にいる時でないと行動すらおこせないので、運にかけるしかない。 敵のように見える国境警備隊の人たちも全員が任務に納得をしているようではなかった。どんなものでも見慣れるのかもしれないけど、どんな事でも必死に救いを求めている人を冷たくあしらうのは、人によってはやはり胸が痛むだろう。 倫理観も人によって違うのは、よかった事なのか、もうそれすら疑問に思ってしまう出来事が続く。 アフタートークでは、このピンポンにはどんな意図があるのかについて、それをみる側によって見え方が違うと教わった。 ポーランド側にしたら、彼らを兵器として使うハイブリッド攻撃であり、移民を送り込むことによって国を不安定化させているので送り返しているということらしい。 (ベラルーシ側はきちんと覚えてないので割愛) 難民は国際法的に不法に入っても送り返したら行けない国際ルールがあるので、ピンポン状態は非人道的、酷いことしてるという考えはあるから、国境付近は立ち入り禁止にしたとのことでした。 ラストの一幕がこの監督が一番言いたかったことが詰まっている、との話でしたが、なるほどウクライナは全面的に積極的にヘルプの手を回し、生活の補助までしているのに、ベラルーシからの移民との違いにただ疑問と胸の痛みを感じました。 今まだ世の中で起こっている事らしいので、ぜひ知って欲しいと思います。
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