劇場公開日 2024年5月3日

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「慈悲の限界」人間の境界 かなり悪いオヤジさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5慈悲の限界

2025年1月12日
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2021年以降、プーチン支持であるベラルーシのルカシェンコが、中東やアフガニスタンからの難民や移民数万人を集めて隣国ポーランドに送り込む一方、ポーランドは国境警備隊を組織してこれに対抗。いわゆる“ハイブリッド戦争”と呼ばれるもう一つの紛争が映画前半に描かれている。まるでおじゃまむしのようにバラ線で仕切った国境をいったりきたり、EUに行けばバラ色の未来が待っていると勘違いしている難民の皆さんは、その途中で命を落とす者も...

EU法の原則とされる難民条約は「難民申請しようとする人を追い返してはならない」と定めているそうで、プーチンとしてはそれを逆手にとった人権爆弾をEUの玄関口ポーランドに打ち込み、ウクライナ支援から手を引かせようとしたに違いない。はなっから難民を“人間”となんか思っていないベラルーシ軍の扱いは鬼畜レベルなのだが、そこへいくとポーランド国境警備隊の皆さんはまだ人間性があって...といいたいところだが、ポーランドもまた、ロシアに軍事侵攻されるウクライナから難民審査なしで約100万人を受け入れた時点で、ついにギブしたというわけなのである。

そんな非人道的な移民キャッチボール以外にも、この映画は国境付近の森の中で困っている難民の皆さんに(法に触れない程度に)手を貸す活動家グループの姿を映し出すのだが、これが何とも中途半端な助け方しかしないのである。清潔な着替え一式と温かいスープ、携帯充電器等だけ与えて後は本人任せという放置プレイを繰り返すのである。“自己肯定感の高いリベラル”の一線を越えて難民に手を貸す勇気ある女性精神科医が登場するのだが、どうもこれがカバールたちのプロパガンダにしか見えないのである。

それはなぜか。最低賃金以下の労働力としての活用以外にも、この不法移民を使ってEUリベラル政党への投票に不正協力させるとともに、街中で暴動を頻発させ、その取締りと称した検閲の強化、さらには、幼児売春や臓器売買目的の人身売買道具としてしか移民の皆さんを見なしていない、今現在はEUを仕切っているカバール=グローバリストたちへの視点がまったく抜け落ちているからである。大体この人権活動家の皆さんの活動費用を誰が払っているとお思いか。これまでの悪行への贖罪から資産家が喜んで寄付をしていると思ったら大間違い。課税対象外である○○○○○財団等の汚れた資産をさらに肥太らせるさせるためのビジネスに他ならないのである。

映画ラストに、ベラルーシ国境とは180度異なる優しい態度でウクライナ移民に接する国境警備員の姿が撮される。が、それだって認○症大統領の呼び掛けに反応した数少ない国からの援助のたまものだろう。聞くところによると、当時の日本の岸○首相は国会を通さずにウクライナのため1.8兆円を拠出したという。その見返りが財務省主導による大増税と物価高なのである。かつて、巨匠ブニュエルは『ビリディアナ』の中でキリスト教における“慈悲の限界”をブラックに描いていたが、来年度米国トランプ政権の誕生によりそれが次々と明るみに出されることだろう。私たちは、神が決めるべき慈悲を人間が与えようとする傲慢さに、そろそろ気づくべき時なのである。

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かなり悪いオヤジ