「心理学でいう抑圧がテーマかなと。」悪は存在しない Aran Sateさんの映画レビュー(感想・評価)
心理学でいう抑圧がテーマかなと。
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主人公の「たくみ」は、リゾート開発に反対でも賛成でもなく、議論したいと主張していた。しかし本当は、誰よりも開発に怯えていたのでないだろか?彼の妻が不在に見えたのは妻を亡くしたからだろうか?そんな喪失体験の上に、自分の生活そのものを揺るがしかねない会社がやってきて、娘も大変な事態となって、最後には抱えきれない気持ちが暴発したように映った。そして実は、抑圧は主人公だけでなく、村で説明会を開いた二人の会社員にも内在していた。興味のない仕事、合ってない仕事なのに、本心を殺してでも仕事をしようとしている。唯一確かなのは、薪を割る、川の水を汲むという事実だけである。
こんな勝手な解釈をしつつ、『ハッピー・アワー(2015年)』で拝見した役者さん達と再会し、またこの映画も見返したくなりました。沁みる体験をありがとうございました。
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