「人間と鹿は争わない。」悪は存在しない ラーメンは味噌。時々淡麗醤油。さんの映画レビュー(感想・評価)
人間と鹿は争わない。
原沢村の豊かな自然を聖なるものとするならば、芸能事務所は俗なるもの。この映画で使われるグランピングという言葉は華やかなものでは決してなく、とてつもない陳腐なものに聞こえる。
脈略のない俗世界に属する人間は徐々に浄化されていくわかりやすいプロットは、断絶するBGMやカメラのロングショットや揺れなどの効果は鳴りを潜めるようにも感じた。
つい悪や悪者を意識して劇中で追ってしまうタイトルではあるが、存在感のある徹底的な悪というよりは、立場による善悪の境界の揺らぎということなのか。
人間と鹿は争わない。
が、人間は鹿を殺す。
人間同士は争い、時に犠牲を伴うこともある。
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