「物言わぬ木々たちに感情はあるのだろうか?」悪は存在しない ゾンビ2さんの映画レビュー(感想・評価)
物言わぬ木々たちに感情はあるのだろうか?
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週末の渋谷の夜、濱口監督の新作を見る
冒頭から不穏な音楽とともに物言わぬ木々たちの姿がしつこく描かれる
セリフのない人物のアップとか薪割りのロング長回しとか突然途切れる場面転換とか意味ありげな老人の忠告とか…不穏なサインで知らず知らずに映画の世界に引き込んでいきながら、最後に理由もわからぬまま観客だけがその世界から置き去りにされる
そこにあった世界や人々はそもそも元からそこに存在したのかどうか、みんなどこから来てどこへ消えていってしまったのか、言いようのない不安だけが心に残る
見終わった後に放り出された夜の渋谷を行き交う人々…そのひとり一人の見知らぬ感情がなぜか心底恐ろしくなる
いろんな意味でメンタルにダメージが残る作品でした
(濱口ワールドを堪能したとも言えるのかも)
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