「力の抜けた作品」プリシラ ミーノさんの映画レビュー(感想・評価)
力の抜けた作品
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歴史に残る大スターのパートナーを取り上げたにしては、ソフィア・コッポラらしい気張り過ぎない肩の力の抜けた作品と言えるのでは。
1人の少女が大スターに見そめられて、華やかな大人の世界を傍らから見つめ、彼の色に染まってその地位をキープし、徐々に周囲に認められて堂々とした大人の女性になっていき、最後は自律を決意する。この間、エルビスも順調な頃だったのか、それほど悲劇的なことは起こらない。特筆すべきは、十代ど真ん中の純粋な少女から、大スターの妻として渡り歩く大人の女性まで、複雑な表情を見せながら演じたケイリー・スピーニーの表現力かな。大人といっても実は20代後半だがね。
「父と大佐以外は繋がないでくれ」というようなセリフがあったが、この大佐というのが先の映画「エルビス」でトム・ハンクスが演じた人物だろう。こっちでは殆ど出てこないが。
プリシラ・プレスリーの顔はそれほど知らないので、似てるか否かを考えずに観られるが、エルビスはそうは行かない。しかし「うん、オッケー、似てる」というところまでは行っていた。サングラスをかけるとエルビスには見えなかったが。
この監督は美的センスの良さで知られる通り、CHANELファンにもお勧め。
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