劇場公開日 2024年4月12日

「恋という名のドラッグ」プリシラ サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5恋という名のドラッグ

2024年4月18日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

単純

幸せ

誰もが憧れる人が自分のものになって、その人好みの自分になって、自分にはその人しかいなくなって...。未知なる広い世界に飛び込んだはずなのに。お人形のような可愛らしい少女の目から、煌めきが失われていく。偶然が産んだ恋。エルヴィスに身を捧げたのはプリシラじゃなかったかもしれない。でも、辿る運命は皆同じなはず。淡々とした物語の展開がプリシラが抱えた恐怖と一致し、押しつぶされるような苦しみを覚える。大佐と妻にも分からなかった、彼の本性。一体、何者だったのだろう。

この映画だけだと説明不足だし、非常に物足りない。全編プリシラから見たエルヴィスな訳で、エルヴィスの過去を知らなければ背景が分からないし、彼の立たされている状況下から感情移入しようにも出来ない。2年前に公開された「エルヴィス」とのセット鑑賞が必須。あの映画がよく出来すぎて、どちらにせよ本作が目劣りしてしまうけど、この男を知るにはあの映画もこの映画も凄く意味があると思う。

いやぁ、確かにセットや映像、音楽に演出まで全て地味ですけど、プリシラを演じたケイリー・スピーニーにとにかく心奪われちゃうんで、最終的にはあんま気にならないかな。その先が見たかったけどね!

サプライズ