「And I will always love you」プリシラ Mr.C.B.2さんの映画レビュー(感想・評価)
And I will always love you
エルヴィス・プレスリーの妻だったプリシラの視点から見たエルヴィス夫妻を描いた作品である。
プリシラ・ボーリューがエルヴィスと西ドイツで出会ったのは9年生(日本なら中3)、14歳の時である。この時のプリシラ(ケイリー・スピーニー)の初々しい事。
西ドイツで2年の兵役を終えたエルヴィスは満期除隊でアメリカに帰国して復帰、人気が復活する。2年後にプリシラとの交際を復活して、メンフィスに呼び寄せ一緒に暮らし始める。
しかし、高校卒業するための試験勉強も階下のエルヴィスと取巻きの騒音で集中出来ない。また、映画の撮影でエルヴィス不在の時に犬と庭で遊んでいてもマスコミに撮られるからと家に入れられる。
また、ファッションも、髪の色や形、メイクもエルヴィスの好みにさせられる。
(あんなに初々しかったプリシラが段々とケバくなって来る)
エルヴィスがプリシラと一緒にハンフリー・ボガートの映画を見に行ったり、「波止場」を見たか、俺もアクターズスタジオで学びたかったなんて台詞もある。
エルヴィスが映画の撮影に行けば、プリシラは家で留守番、映画「ラスベガス万歳」の相手役アン・マーグレットやフランク・シナトラの娘ナンシー・シナトラとのゴシップを新聞で読んでは気を揉む。
気晴らしに週3でバイトに出たいといっても「俺が電話した時に出るようにいつも家にいろ」
プリシラがエルヴィスを求めても「その時」は俺が決める、と手?を出さない。
プリシラ22歳の時に「その時」が来てエルヴィスから求婚され、結婚して9ケ月後に出産する。
エルヴィスは映画「エルビス・オン・ステージ」「エルビス・オン・ツアー」で描かれたようにラスベガスのステージやツアーで忙しく、妻子は顧みられない。
プリシラはエルヴィスとの結婚生活に疲れ、メンフィスを後にするのである。
結婚・出産後のプリシラの幻滅や諦めなどの心情の掘り下げが足りないので、あっさり離婚してしまった感じが否めない。
ラストでドリー・パートンの I will always love you が流れる。離婚した1973年のヒット曲かと思ったら1974年だった。プリシラの心情を表したかったのだろうが、上述したように掘り下げが浅いので、あまり心に響かない。
しかし、あのプリシラの手でブランコに揺られていたリサ・マリーが、その後9歳で父を失くし、ドラッグに溺れ、4度の結婚、離婚を繰り返して(2度目がマイケル・ジャクソン、3度目がニコラス・ケイジ)54歳で亡くなった事を知れば「アイアンクロー」のエリック家ではないが、父母の愛に恵まれなかったと思えて不憫である。
(本作では、プリシラの話だから、そこは描かれていない)
コメントありがとうございました!
ケイリーはせっかくなので、ラノベヒロインみたいなツンデレとかお姫様とか見てみたいです、個人的に(笑)。(後半とくに)「掘り下げが浅い」というご感想は、残念ながら僕もおおいに共感します。
Always love you、ほんとにこの展開で聞いても響きませんね。ドリー・パートン版自体もこちらが本家とはいえ、ホイットニーの迫力ある歌声に聞き慣れると物足りなく感じます。
リサ・マリーの結婚相手すごいですよね。
共感ありがとうございます。
あっさり離婚、その後の心情なども描かれないのでちょっとポカーン気味でした。
プリシラさんとソフィア監督の共通点は多いですね、辛い事も多かったけどいい目もみた、ちやほやされたし・・そこだけ描きたかったんでしょうか。