「タイトルなし」プリシラ えみりさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし
とても期待していたし、良かった。メイクやファッションなどの細部もいい(1959-1973。この4年後にプレスリーは急逝)。
本当におチビちゃん(155センチと彼は196センチ)で、彼女が背伸びして、今なら怖いくらいの盛り髪。エルビスは意外に古風に憧れてはいるが、女性を支配しようとするDV男。賢くて芯のあるプリシラに惹かれているとはいえ、こんなに小さい子(14歳)に依存するほどのマザコン。プリシラの原作と史実に基づいており、ソフィアもプレスリーを攻撃するわけではないとしているので、フェミ映画という出立ではない。むしろ、ラスト曲が示すように、愛していながら去った話になっている。そのあたりが物語としては中途半端感が。
セレブの暮らしの空虚な不在感は流石にリアリティがある。そしてコッポラは、早熟な子どもとして大人たちの間におり、それも彼女の経験の投影でもある。
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