オッペンハイマーのレビュー・感想・評価
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日本人としては複雑な題材……でも、まずは観た上で論評してほしい
まぁ、被爆国日本としては、色々と複雑な感情を抱くのは仕方のない題材の映画であるのは事実
とは言え、実際観てもいないのにあーだこーだ言うのは一番ダメなことだと思ったので、180分という上映時間にビビりつつもしっかり腰を据えて観て来ることにしました
実際観て分かったのは、この映画が「原爆の父」と呼ばれたオッペンハイマーだけではなく、
ルイス・ストローズという人物についてを描いた映画でもあるということ
その人を見事に演じ挙げたダウニーJr.がアカデミー助演男優賞取ったのも納得
ただ、この人がどういう立場の人で、たびたび出てくる公聴会のシーンが、一体何を議題にしているのか、という点についての予備知識くらいはないと、ちょっとわかりづらい展開になってしまってますね。あまりその辺については説明してくれてないですし
私は観た後でネットでこの人調べたことで、「ああ、そういう事だったんだ……」と腑に落ちましたが、観てる最中は結構わかりづらかったかな
映画の本筋はあくまでオッペンハイマーの人生についてを描いている
原爆開発と、その後についての経緯をあくまで彼目線で描くことに集中した結果、
当初原爆の標的となるはずだったドイツや、そのあと実際に落とされた日本からの視点は完全に排除された形となっていますね
そのことで、「実際に被爆した広島・長崎がどうなったのかを作品の中に出さないのはヒドイ!」という意見もよく見かけましたが……
この映画をオッペンハイマーとストローズの二人の人間からの一人称、として描いた以上はそうなるよね、というのは、手法としては理解できました
あくまで彼らの視点から描いたのなら、実際に自分で見聞きしたわけではない現地の悲劇についてはああなってしまうのも已む無しではある、と
ただ、よくあるあらすじ紹介なんかだと、「実際に原爆が使用された後の惨状を知って、オッペンハイマーは水爆反対に変わった」と書いていますが……
本作内の描写ではそれは明らかに違いますよね
作中でオッペンハイマー自身が言っていますが、「科学者は理論から結果が予想できるから、どんなことが起こるか想像できる。だけど普通の人はそれが出来ないから、実際に事が起きてからでないと物事を理解できない」(大体の要約)
その言葉の通り、作中のオッペンハイマー自身は、原爆投下後の現地写真を見るより前の時点、原爆投下の知らせを受けたそのすぐ後の時点で、実際に人々がどのようにして死んでいったのかを概ね理解し、その光景を幻視しています
彼は原爆を使えばどうなるか理解していたうえで、
一度これを使い、その結果どうなるかを知れば、人々はもう二度とこれを使おうとは思わなくなるはずだ……という事に期待していた、というのがこの映画での描かれ方
しかし現実にはそうはならず、核開発はその後も続き、
かつて「核爆弾が爆発すれば、連鎖反応が止まらず大気にまで火がついて世界が滅ぶ」という結果としては間違えていたはずの計算と同じように、
最初の核爆弾の火を人類にもたらしたことで、連鎖的に核開発が加速し、世界を滅ぼしうるきっかけを作ってしまった……という事に苦悩するプロメテウスになってしまった……というのがこの映画内におけるオッペンハイマーに対する解釈
広島・長崎への原爆投下が成功して浮かれ騒ぐ人々の描写も、日本人からしたら「何笑ってんだよ……人が大勢死んだんだぞ」って思ってしまうけど、
少なくとも当時の一般的な米国民にとってはああ受け止められていた。立場の違いというのはそういうものなんだ、と受け止めないとキツイものはありますが、
オッペンハイマー自身や、陰で泣いたり嘔吐したりしている科学者たちの反応で、そこは緩和されているように思います
ちゃんと物事を理解できる人々にとっては、自分たちが何をしてしまったのか、その罪深さは自覚できていたのだ……という形で
全体としては、最初の原爆が開発されるまでの経緯と、その中心だった科学者のその後を描いた映画ではあるが、
決して核兵器肯定でも、それを産み出したオッペンハイマー礼賛でもなく、むしろ反核寄り
ただ単に「オッペンハイマーが主役ってだけでけしからん! ふざけんな!」って拒絶するだけの人には、ちゃんと観た上で物申してほしいと思う映画
そして政治的・感情的なお話とは別の、映画としての評価
まる3時間という長丁場にも関わらず、引き込まれる演出と映像・緩急の妙で、その長さを長いと感じさせないノーランの手腕は流石の一言
エンタメ要素はほぼ無い
流石のノーランも今回はエンタメとして仕上げるのは無理だったかな。町山智浩が一回観ただけじゃ理解出来ないと言っていたが確かにその通り。色んな登場人物の説明は全くないし、ナレーションもない。カラーとモノクロの意味も全く説明ないので時代で変えてるのかと思ったら違うし。解説聞いたらやっと半分くらい理解出来た、しかしながら全く共感は出来ない。自分は被爆2世だし。
もう一度観ればより理解出来るとは思うが前半とかたるいし映画館でもう一度はないです。配信されたら又観るかも。
オッペンハイマーの幾多の苦悩を描写
原爆産みの親オッペンハイマーの人となりや開発過程や赤狩りにおける苦悩が描かれていました。オッペンハイマーの笑顔が殆ど観られなかったようにやや重いストーリーでした。戦後の時代背景である赤狩りでは権力志向が強い老策士に嵌められたり人生は決して幸福な道のりではなかったようです。ただ素朴な性格なのか女性関係には驚きもありました。広島長崎への原爆投下についてはロスアラモスでの核実験成功後のスピーチの場面で幻想としてケロイド状の女性の顔や誰もいない座席を映すことで被害者への心の葛藤を描いているように思いました。なお赤狩り追及場面などで登場する数多くの人物とポジションは追いきれず。3時間の長さは感じませんでした。
予習は必要
学者先生という職業は思想や感情もなく象牙の塔にこもりただただ研究に没頭して、と思いがちなところ。
作品中ではそうではなく共産党員にもなりかけたり組合活動したり女にだらしなかったりという学者像とは違う面が見える。
英雄だったりレッド・パージされたり毀誉褒貶半ばする人で研究と実践と国家への貢献でハイになったり投下したことによりダウナーになったり人となりが描かれるわけだけどなんかこの人に感情移入がなかなかできないのは話がわかりにくいからだと思う。
時間軸が行ったり来たりするしアインシュタイン以外は誰が誰だかよくわからなくなるし。
原爆ができたところでほぼほぼ使う必要がなかったのに詭弁でもって落とした、というのが日本公開が遅れたように思えた。
しかし、それが当時の対日感情でありイエローモンキーになら落として万人単位で死んだって構わないという差別感情だろうから当時を反映してるなら変なポリコレする必要ない。
つまり何が言いたいかというとクリストファー・ノーランらしく難解にして冗長
連鎖反応
かなり難しい映画で、何の事前準備もしなかったことを後悔した。
時系列が入り乱れるので、どの時代の状況か分からないとストーリーを理解するのが難しい。
オッペンハイマーの生涯を軽く頭に入れているとだいぶ違うと思う。
ただ、ストーリーが完全に理解できなくても、オッペンハイマーの苦悩、不安、不快感、怖れ、後悔は理解できる。とくに音の表現はすごいと思った。3時間という時間を長いとは感じなかった。
オッペンハイマーのキャラクターが面白い。
理論物理の天才であるのはもちろん、サンスクリット語までも習得する語学の天才。半面、実験は下手。研究者のひとたらしって感じで、才能のある人なら自分と考え方が違っていてもかまわず熱心に説得する。研究者として理想的というか、人を巻き込むのがうまい。
あと、正直オッペンハイマーはうぬぼれ型の中二病っぽいところがあると思った。インドの聖典から引用して、「世界はそれまでと変わってしまった。我は死神なり、世界の破壊者なり」を自分のことと言うのはなんか…。
マンハッタン計画は物理学のスーパーヒーローたち大集結、物理学のアベンジャーズ結成!って感じでテンションぶちあがり。それで開発するものが史上最悪の兵器でなければ…。
どこで見た記事かは忘れたけど、実はマンハッタン計画で科学者が育成された、という側面がかなりあるらしい。超一流研究者たちと若手研究者があつまって、自由な雰囲気で定期的に討論することができる、非常に有意義な場だったらしい。
この時代、量子力学の研究がすすみ、物理学がついに世界の真実に迫ることができる、という機運に満ちていた。量子力学にとって不幸だったのは、その理論が大量殺戮兵器を生み出すことが可能であったこと。それがなければ、純粋に「宇宙の真実」という理学的関心だけを追うことができたはずだ。
日本への原爆投下について議論があった、というくだりは興味深かった。研究者たちの間で反対の署名運動があった、というのは救われる話だ。
オッペンハイマーは後年に核軍縮や水爆反対をしたことで有名だけど、そういう心変わりがどうしておこったのか、というのもこの映画の見どころである。
おそらくオッペンハイマーは、原爆が常識を超えてすさまじい威力をもつことが世界に示せれば、二度と使用してはいけない兵器である、という共通認識を世界が持つようになり、むしろ世界が平和になるだろう、と考えていたのだろう。
しかし、実際には原爆の開発競争が始まり、よりすさまじい威力をもつ水爆まで開発されてしまった。だから彼は自分の考えが間違っていたと考えざるを得なかった。
キーワードは「連鎖反応」。原爆がすさまじい破壊力をもつのは、連鎖反応が起こるからだ。そして、一時期はその連鎖反応が空気にまで広がり、一発の原子爆弾が世界全体を破壊してしまうかもしれない、という可能性まで示された。
その空気に引火するという連鎖反応は計算間違いであることが分かったけれど、実は「核開発競争」という連鎖反応には引火してしまった、ということにオッペンハイマーは気づき、その事実をアインシュタインに漏らした。
連鎖反応はあらゆるレベルに起こっている。後年のオッペンハイマーに対する赤狩りやスパイ容疑の追及については正直あまり関心がもてなかったが、国家に関する大きな事件が、個人の名誉欲、嫉妬、恥辱心のようなあまりに卑小なことがきっかけでおこされることもある、ということには大きな意味があると思った。原爆や水爆などというあまりに大きな力は、精神的に未熟な人間にはとても扱えない。
この映画は日本への原爆投下の正当性や、核抑止論の議論に一石投じるという意味で非常に大きな意味をもつと思う。重要なのは、この映画はアメリカ人がつくったアメリカの映画だということだ。アメリカがこのような自己反省ともいえる映画をつくったということが重要だと思う。
広島、長崎の惨状に深く触れていない、という批判もあるけど、この映画をきっかけにべつの映画を観るということもあると思う、また、日本こそがそのような映画を新たにつくるべきだと思う。
この映画に不満がないわけではない。原爆開発ついて触れていないこともあるので、以下のようなことがあればもっと良かったと思う。
まず、原爆の原理や水爆の原理について、少しだけでも解説があった方が良かったと思う。よく知られていることなので削ったのかもしれないが…。
あと、実際のところ、アメリカが原爆を開発できなかったとしたら、他国が開発していた、という可能性はどのくらいあったのか(日本でも開発していたらしいし)。
最後に、広島に落とされたウラン型と、長崎に落とされたプルトニウム型、二回の原爆投下について、オッペンハイマーはどう考えていたのか?
原爆開発の最も近くにいて真実を知り得た者
作中のオッペンハイマーは一貫して、凡人のように流され、目をそらし、悩みながら生きているように見えた。軍人よりも政治家よりも、それを使うと何が起こるか最も知り得た者の、説明責任の重圧と名声欲、逃避の弱い心が映像と音響によってぐるぐると迫ってくる。大統領に「原爆を落とされた相手が恨むのは科学者ではなく落とした私だ。」退出時には「あんな泣き虫はもう呼ぶな」と聞こえよがしに言われたあとのオッペンハイマーは、どこか、”権力者に翻弄された被害者側”になれる自分に安堵した表情に見えた。
原爆被害の表現に関しては、乾いてさらさらとした印象を受けた。
あえての表現かも知れないが、日本人的にはもっとウェットな、いつまでも治らない膿んだ傷のようなイメージがあったので、少し軽い表現に感じてしまった。
テーマがテーマだけに面白いとかって感想にはなりにくい作品。 前半は...
テーマがテーマだけに面白いとかって感想にはなりにくい作品。
前半はノーラン節とでもいうような展開についていくのが大変。登場人物も多く時間軸の行き来を高速で処理していかないと難しく訳わからない。
実際一緒に観た奥さんは前半眠りに落ち、後で聞いたら上に書いたとおりだった。自分はC・ノーランということでネタバレ覚悟で予習していったから構成が読めていたので何とかなった。多少勉強していくことをお勧めする。
ポイントは戦後の原子力委員会でのやりとりから回想いていくということ。
なぜ内外で高評価なのかさっぱりわからない
なぜ内外で高評価で受賞した作品なのか申し訳ないがさっぱりわからないです。★3以下の低評価のレビューはもう二度と書かないと決めていましたが・・・本作品については日本人としてどうしても一言言いたいです。クリストファー・ノーラン監督は確かにインセプションは抜群に面白かったが、本作品は楽しめる作品では到底ありませんでした(娯楽作品ではないのでしょうけれど)。そもそも登場人物がごちゃごちゃで、もちろん敢えてなのでしょうが、ボーア、アインシュタイン、エンリコ・フェルミなど有名人以外は誰が誰だかさっぱりわからなくなりました。異常に長い会話劇にも本当に辟易としました。
そもそも主人公のオッペンハイマーは本当に嫌な奴で、まったく感情移入はできません。恩師を青酸カリで毒殺しかけたり、インモラルな女性関係も含め、物理学では確かに優秀であっても基本的な人間としての倫理観に大きく欠けた人物であったことがよくわかりました。だから原爆製造ともはや降伏寸前の日本への投下という大罪を平気で犯したのでしょう。地獄に落ちるべき人物でしょうね。もちろんロスアラモスにいた他の連中も子々孫々に至るまで、自分たちが犯した呪われた所業に対する罪の意識に苛まれ続けるべきです。
フォン・ノイマンは53歳で死没、エンリコ・フェルミも53歳で死没、オッペンハイマー自身は62歳で死没と、割と短命なのは倫理観に欠けた大罪を犯した天才にはそれ相応の報いがあると信じたいです。
「われは死神なり、世界の破壊者なり」の古代インドの聖典からの引用のオッペンハイマーのセリフは有名で以前から知っていましたが、実際に映画にされると日本人としては、非常にむかつきます。貴様は神にでもなったつもりなのか?おこがましい!トルーマンに「自分の手が血塗られている気がします」と原爆を落としてから言い訳のように言うくらいなら、まずは日本に謝罪するのは筋だろう!と言いたいです。謝罪して許されるものでは当然ありませんが。
予習した方がいい!!
友人にそう言われて、さらっと予習して観たんですが、本当そうして良かった!!
じゃなかったら、ロバートダウニーJr.誰やねん!
が気になって話が入って来なかったかも…
面白かった!日本人として表現難しいところですが、観て良かったです!
集中力を切らせてくれない、鬼の展開の速さと
特徴的なBGM。実験のとことかめちゃドキドキしてしまう。知的好奇心には抗えない。どんな武器も人は使ってしまうようにできている…!!
賢い人達が出る映画ってだけでも面白いですよね。
観てるだけで、ちょっと頭良くなった気になるし。
昔、クローズZEROやってたときに同級生みんなサイド刈り上げてオラついてたけど、
オッペンハイマー観たら、物理勉強してたのかな。
どーでもいいけど、できる物理学者はみんな女好きなんですかね?博士と彼女のセオリー思い出しました。
ま、知的な人ってらセクシーよね。
話が重すぎて、どーでもいいとこしか語れません。
核の連鎖が世界を破壊し尽くさなくて良かったけど、ニアリーイコールなディストピアに僕達は生きているんでしょうか。
広島長崎のことはもう少し映して欲しかったかなと思いました。報告写真、目逸らすなよ、とも思いました。
人間の欲望と限界
時代の要求に応えて原爆実験を成功させた主人公が、その後時代の変遷から あらぬスパイ容疑をかけかれて弾劾されるという、時代に翻弄された物理学者オッペンハイマーの決して順風満帆ではい生涯を描いたもの。その実験成功から1ヶ月以内に広島、長崎に落とされたことが、描かれるまでもなく生々しい。しかし映画の主題はあくまでオッペンハイマー個人の生涯で、彼が神などではないことを証明している。むしろ、彼が神を信じていたのかどうかが気になった。
研究者から破壊者、世界の憂い
バーベンハイマーと言われるほどアメリカで話題となった作品
もう一つのバービーはほぼ日米同時公開
題材が題材なだけに配給が懸念されたが何とか公開
研究者の苦悩から開発への熱意、恋人、そして国の英雄からの転落
最後の演説後のあの描写はゾクッと来るものがあった
全世界の人に観てもらい核の抑止力について考えてもらいたい
ノーラン監督、ごめんなさい
白状すると公開2日目に一度通常スクリーンで観に行ったのだが、満腹感と寝不足、事前になんとなく耳にしていた複雑な構成に頭がついていけず、あんなに楽しみにしていたのに途中うつらうつらしてしまう始末。ものすごい敗北感と後悔で、2度目の鑑賞へ。今度はさらによい環境でということでDolby cinemaを選択。
結果として2度目であっても、事前情報を入れた上で観ても十二分に楽しめる作品だと認識。
説得力のないコメントだと言われておかしくないのだが、なぜこんなに面白いのに初回ドロップアウトしてしまったのかわからない。
ただ伝記映画であることを考えるとネタバレだのはそこまで意識しなくてもよくて、ある程度予習したほうが楽しめる作品なのではと思った。
日本の描かれ方については賛否両論あるのだろうけど、自分はこの作品でも原爆の恐ろしさを感じられると思う。
最後に必要なのは想像力だから。
なので直接的な表現がないから観るべきでない作品だとか言う意見には全く賛成できず、我々日本人を含め世界の人に観て欲しい。
あの熱狂した学生達のシーンからは、実験シーンと並ぶ怖さを感じる。
一言でまとめられないが複雑な心情を、主観と客観で描いていったのはすごかった。
感情の揺れを自然現象のカットを通すのもよくできてるなあと改めて思う。
IMAXではないが、大画面でよい音響で観るのは本当におすすめだという意見に同意。
映画館で観て欲しい。
最後にもう一度、1度目はついていけなくてごめんなさい。
オッペンハイマーの視点にて描かれた秀作。原爆の父の不完全で純粋な狂気。
映画で描かれた原爆の父は、
・原爆製造に画期的な発見・発明を個人的にしていない
・昔から女癖が悪い
・マンハッタン計画の進捗をひたすら管理した
だけの不完全な人であった。
原爆を完成させたいだけの科学者の純粋な好奇心。
たぶん死の灰がどれほどの後遺症を残すのかも全く検討していなかったのであろう。
その狂気を観客はオッペンハイマー視点で体験することになる稀有な作品なのだ。
登場人物が多いので事前に学習しておくとより楽しめます。
難しくし過ぎ?
久々の洋画
まずロバートダウニーjrとマットデイモンの老け具合にびっくりした。
若い時しか知らないのでww
これは事前に予習したほうがいいです。
ネタバレレビューも大いに参考になりました。
白黒とカラーの意味が分かりました。
何気に見に行ってたら確実に寝てます💤
良かった点は
怖さを音で表す手法は斬新だった。
ウンザリした点
スパイ容疑の件長い...結局スパイでもないし。だからストローズのジェラシーにイライラ😖
「我は死神なり、世界の破壊者なり」
あの時代ではなく違う時代に生まれてたら
一点の曇りもない科学者になってたのかなーと考えたりも...
被爆国に住む私達は冷静に見れない場面も確かにあるのでちょっと辛抱が必要。
面白かった
複雑だと聞いていたのでネットで登場人物の予習をしてから見た。おかげで、人間関係を見失う場面は少なくて済んだ。それでもあまりにも密度が濃すぎて、頭がついていけない箇所がいくつもあり、もう一度見るか解説読むか、、となった。そうした複雑さや情報の過剰さも含めたエンタメとして、高いレベルの演出テンションを保ったまま最後まで突っ走る充実した3時間だった。
モノクロ部は、最初はこの部分いるの?と思ったが、見終えると、主人公を捉えるもう一つの側面として必須だったと分かった。ダウニーJRの小物感溢れる佇まいは見事だった。
人物評伝ものは、つい一歩引いて見てしまうことが多いが、ネタが原爆なだけに読後感は超重量級だった。日本人にとっても特別なテーマで、敢えての間接描写が続く一連のシーンは動悸が止まらなかった。変な横槍を跳ね除けて、公開されたのは本当に良かった。
人類がまだ存続しているのはただの偶然か
3時間ものでしかもドキュメンタリーのようなものでありながら、最後まで退屈せず楽しめました。トリニティ実験のところはドキドキするものの、日本人的にはどういう思いで見守ればよいのか・・・若干複雑でしたw
原爆開発後、時折オッペンハイマーが閃光(の幻影)を見るのが印象的であり良い表現と思いました。まぁ・・・そういうことだよね・・・っていう。
私が今こうやってレビューを書き込んでいる今この瞬間にも閃光が走るかもしれない。
新しい世界になったというのはそういうこと・・・・
予習してから見たほうが◯
■映画を見る側の問題
星3つの評価だが、これは映画を見る側の問題と思う。後半の赤狩りのシーンで証言者が次々現れるが私は白人男性科学者の見分けがつかず、赤狩りの知識も少なく理解できなかったから。
先にウィキペディアでも読んでおくべきだった。昔の仕事仲間が裏切ったかというシーンで「この人…誰?」と思ってしまったのは惜しすぎた。
■果てのない兵器への絶望
主人公とアインシュタインとの会話、水爆への反対意見は静謐な美しい映像も相まって印象深く、鑑賞後も何度も思い出すものだった。
■マンハッタン計画
本などで、「オッペンハイマーは科学者としてだけでなく、プロジェクトのリーダーとしても有能だった」という話を読んでおり、映画内でその仕事のやり方を見れたのは面白かった。
街を作り、そこに関連研究施設を集合させ、家族と暮らせるように住宅を作る。また数学と実験物理と理論物理が連携していく様など、ああこうやるんだと分かり興味深かった。
■なぜ捨て駒になったか
主人公は自分の妻・弟が共産主義寄りのため自分もそう判断されるとマンハッタン計画当初から分かっている。自分がこの計画に選ばれたのは国がいつでも切り捨てられる人物だからと言う。
しかし相手が国家で造っているのが兵器であることを考えると、ずいぶん危険なように思える。何でそんな仕事を受けたのか、私は不思議に思った。
(私が理解できなかったシーンで説明していたのかな…)
オッペンハイマーは現在の黙示録か
先週は出張で見そびれた3時間の大作「オッペンハイマー」を鑑賞しました。
※後「デューン砂の惑星part2(これも3時間)」を立て続けに見てちょっと疲れてしもた(笑)
オッペンハイマーは「インターステラー」「TENET テネット」などの超難解作品を送り出してきたクリスㇳファー・ノーラン監督が、原子爆弾の開発者、オッペンハイマーを題材にした映画です。
※以下ネタバレあり。
クリストファー・ノーラン監督の作品を観る時はそれなりに覚悟して来たのですが今回はいつもよりよっぽどわかり易くて
①オッペンハイマーが物理学者の仲間を集めて原子爆弾を開発するプロジェクトX的な話。
②戦後オッペンハイマーがいわれの無いソ連のスパイ嫌疑をかけられて社会的に葬られる話
③さらに時が経ちオッペンハイマーの嫌疑が晴れていくプロセスと映画の冒頭でオッペンハイマーとアインシュタインが交わした会話が開かされオッペンハイマーが①の成功から②受難③復活の意義が明らかになると言うストーリーです。
とは言え、①②③はランダムに展開されて解りにくくこの辺はクリストファー・ノーラン監督らしいのですが。
オッペンハイマーは①において開発した原子爆弾が広島、長崎で実際に使われるに至り激しく苛責の念に捕らわれ②のプロセスでもむしろ本人は嫌疑に積極的に戦うとせず「殉教者気取りか!」等と責められるのですが、元々オッペンハイマーが大量殺人兵器を開発した罪で裁かれるならまだしもスパイ疑惑なので、赤狩りの事を知っているアメリカ人にはともかく、私にはすごく違和感があり③で種明かしをしてもらっても何だかなぁ~と言うモヤモヤが残りました。
一方でそのモヤモヤ感と同様に何だかこのストーリーとよく似た話を知ってるぞと思ったところ、
気が付きました。
※以下は超個人の見解です。
これは新約聖書のイエス・キリストの生涯を表した黙示録に似ていると思ったのです。
めちゃめちゃ異教徒の解釈で恐縮ですが、すなわち①はイエスが仲間を集めて布教を行った流れと②イエスが捕まり殉教する③イエスが復活し①〜③が人を赦すためのプロセスだったと明らかにする一連の話しが映画のストーリーと似ているのです。
そう思えば冒頭のオッペンハイマーとアインシュタインの会話はイエスと預言者ヨハネの出合いになぞる事が出来るしユダやマグダラのマリアをイメージ出来る人物も登場します。
クリストファー・ノーラン監督が黙示録を意識したかどうかはわかりませんが①から③の流れは割とキリスト教徒である欧米人に体内化されたストーリーなのでは無いでしょうか。
そう思えばこの映画が今年のアカデミー賞を多数受賞した事も頷けます。
最後になりますが今回、「ゴジラ −1.0」がアカデミー賞を取ったのは喜ばしい事ですが、アカデミーはこの映画をオッペンハイマーに対する一つのアンサーとして選んだのでは無いかと言う気もします。外国映画賞がナチスのユダヤ人虐殺をテーマにした「関心領域」であったことを考え合わせると今年のアカデミーにおける一つの見識が働いたと言うのは考えすぎか。
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