「量子力学をずっと描いてきての集大成。」オッペンハイマー しゅんいちさんの映画レビュー(感想・評価)
量子力学をずっと描いてきての集大成。
ようやく…
AmazonPrimeで吹替版で観れました!
12月28日から観れるとワクワクしてたら、英語字幕のみという展開から…スピード対応で、先日ようやく鑑賞しました。
まず、家でゆっくり観れて良かった。
そして…
賛否両論で、なんだか不安な感じでの鑑賞スタート。
『インセプション』『インターステラー』『テネット』と『バットマン』とSF作品が多かった大好きなノーラン監督。
ここにきて、伝記??という不安。
『ダンケルク』もあるので…
史実でも大丈夫だと思いながら
挑む気持ちでした。
広島にも長く住んでたので
『核兵器』への思いもそれなりにある方ではあるんですが…
まず…感想として
クリストファーノーランの集大成な作品だと思いました。
ノーラン監督は、ずっーーと
『量子力学』について描いてきたんではないかと思います。
どの映画にも根底には量子のもつれのようなものが感じられ。
テネットでの量子力学の語り口などから、集大成かと思いきや
この角度で、オッペンハイマーという人物を解体して再構築するという、映画そのものがオッペンハイマーとなるような、凄い映画でした。
ホントに、核融合、核分裂は
間違うと世界を燃やし続けてしまうような事態になってしまう。
そのギリギリを、計算式と実験でここまできてるが…
すでに
あれから、数十年後の今
アインシュタインもオッペンハイマーもいないが
量子力学や、量子のもつれは研究され続けてる。
セルンの量子加速器は稼働してる。
反物質も作られる。
でも…
科学者がたどり着きたいのは、さらにその先の宇宙の仕組み。
そこがわかるからこその
この映画の奥深さは、どれほどのヒトが理解できるのだろう。
まさに、脳がフル稼働する
心地よい脳疲労を感じられる映画だっただけに、アカデミー賞受賞も納得の作品でした。