「広島長崎で原爆投下して英雄になった奴の映画」オッペンハイマー 四葩さんの映画レビュー(感想・評価)
広島長崎で原爆投下して英雄になった奴の映画
赤狩り時代とかのやり取りが長ったらしく退屈した。歴史的にみてもオッペンさんの自伝で外せないんだろうけど、そっちよりオッペンの科学者としての苦悩が原爆投下の苦悩にあんまり対応してない感じだったし、ユダヤ人だけが救われれば他の奴らはどうでも良いこの男はどの道原爆投下した時点で人を捨てたあちら側の人間(亡霊)になって不幸を背負う人生を選択した。
映画では表ズラではオッペンハイマーが原爆作ったのあんまし反省してねえってことだろ?てか頭良いならどんな結果になるか予測できるだろ?ならなぜ引き受けた?こいつの人生は大量殺戮兵器を生み出した張本人の癖に自己を偽り誤魔化しの人生を送った哀れな人物として永久に刻印されたわけだがこんな奴を主役に製作した方々はヒットし成功してウハウハなだけなんでしようけど原爆とオツペンをだし汁に?わざわざこんな映画作ったのか?ドキュメンタリーで1時間見ればいいと思うけど。
オツペンの原子爆弾の殺戮のための野心と情熱と複雑な人間像など日本人としてこだわって観るほどでもないどうでもいい内容。てか砂漠にできる原爆殺戮研究工場の研究スタッフの情熱的な精神状態「イエローモンキーを実験台にして科学の革命が起きるワクワク感」的な偉大なヤンキーの高揚感が呆れて悲しくなる。
原爆のテストが成功した描写は日本人として観ていてただ不愉快だった。科学者の堕落を皮肉に描いてないから余計くだらないシーンだった。あとエロシーンなんなの?オツペンが助平で愚劣なのは当たり前だよ!愛人出るだけでいいだろ?オツペンもコミュニストなのはこのグラマーな女の子にイカれた片手間のレベルの思想で結局MADな科学者なんだろ?ユダヤ民族主義だし、女とも計算して結婚しないで弄んだんとちゃうか?ワツカンネエし分かりたくもない下品だしそういうの別の映画でやれよ。
まあ良かったのはオッペンちゃんが壇上でアメリカ万歳とみんなから賞賛を浴びる表情の自己欺瞞と心臓と脳の自己否定的な描写だろう。
この科学者は死んでも浮かばれないだろう。原爆投下を指揮るリーダーとして自分を自分で自慢するほど自ずと自己がもうすでに責苦に自縛された亡霊でしかない人生を理解してる場面だからだ。
この場面の自分の体の中の全細胞が自己を否定している切迫感がよく伝わってきた。絞死刑前の死刑囚みたいなこのシーンだけが良かった。
登場人物がくだらない人物ばかりで反吐が出る。金と力と能力があって勝てば戦争責任はないしエリートで人の上に立ち原爆落としても自己を正当化し偉そうなオツペンも科学者も政治家も軍人もなんもかもいやらしい。こんな奴らが原爆の日投下しながら法廷で憎しみあったり別の闘争してるのがアホらしいと思う映画だった。また弱肉強食の白人社会で立身出世すればアジアの猿など焼き殺しても尊敬される強さを誇るアメリカ人の国民性も分かる。
日本人の犠牲者はアメリカ人に犯されて日本のお上からも捨て駒にされてあんな酷い目にあったわけだ。
こいつ死ぬまで原爆投下は間違ってないと思ってたらしい。なので余計虚しい映画だ。