「オッペンハイマーの人物像、人生を描いた映画」オッペンハイマー Sakiさんの映画レビュー(感想・評価)
オッペンハイマーの人物像、人生を描いた映画
原爆の父と言われたオッペンハイマーの人生の物語。
※日本人からの視点ではなく、完全に個人的な、
一人間としての視点でレビューすることをお許しください。
オッペンハイマーは
天才物理学者で語学も堪能。
天才科学者達を含むたくさんの人々を惹きつけてまとめるカリスマ性があり、
母国愛が強い人物。
驚いたのは、
オッペンハイマーは実験は苦手で精神的に不安定、
女性関係も淫らなところがある、友人をかばうような発言をする、など、
とても人間らしい人だったというところ。
完全に私の偏見だったが、
そういうプロジェクトに携わるような天才な人は
もっと、まるで心がないような精神の持ち主なのかと思っていたからだ。
ただ、人間らしく感情があるがゆえに
様々な葛藤や苦悩があり、その感情や思考と必死に向き合ったオッペンハイマーのストーリーが描かれている。
オッペンハイマーをはじめ
天才な科学者たちは先を見通す力がある。
作ったモノの先がどうなるかわかっていた。
オッペンハイマーは矛盾した現実その全てを受け入れ、覚悟をしていた。
覚悟をし、実際に受け入れ、必死に乗り越えていっていた。
精神的に弱いところがあったとは感じさせない、もの凄い強さだと感じた。
自分に正直でいることを貫いたオッペンハイマー。
彼を裏切るものもいたが、見てくれている人もいた。
そして最後、裏切られた水爆の父からの握手に笑顔で応えていた。
あの時の気持ちはどういう気持ちだったのだろうか。と考える。
この映画を観て
知識の危うさも感じた。
科学者として皆で原子力の可能性を発見して知識を深めていく場面。
科学者として知識を深めることが、ただ楽しくて好きだとして。
それが世の中の役に立てればと思う気持ちがあっても
人を殺める凶器を作り出してしまうことがある...
なんとも言えないジレンマ、胸が痛む。
そして国同士の争い。
国の中でも政治の派閥争い
同じプロジェクトの中でも妬みや恨み、派閥争いがある。
オッペンハイマーの社会的な立ち位置、さまざまな側面とそのドラマが描かれている。
人が集まれば派閥や争いがあるのは、
時代が変わろうが、国から自分の身近な場所でも、人間である以上変わらない、無くならないことなのか。
自分は関係ないと思っていても、知らず知らずのうちに派閥争いに巻き込まれる可能性がある。
色んな視点から、考えさせられることが沢山あり、とても複雑な感情に包まれた。
あっという間の3時間だった。
この映画を知ることがなければ、オッペンハイマーの存在を知ることも、もっと理解を深めたいと思うことはなかっただろう。
紛れもなく私の人生に影響を受けた。
もう一度観てまたレビューしたいと思う。
こんにちは~。
共感ありがとうございます。
好みはあると思いますが、SFが好きな方にはインターステラーははまると思います。
毎回、号泣です
音楽がハンスジマーですが、とても素晴らしく、この作品からハンスジマーも好きになりました。
オッペンハイマーは難しかったですね
共感そしてコメントありがとうございます。
フォローバックもありがとうございます。
Sakiさんの真摯に映画に向き合う姿勢とても素敵です。
こちらこそよろしくお願いします。
共感ありがとうございました。
なるほど、確かにかなり感情に振り回される感じが、見ていて苦しくなるキャラクターでした。
私が海外在住じゃなきゃもうちょっと冷静に見れたかもです。
フォローありがとうございます
私の方からもフォローさせて頂きました
私、10年位前から、キネマ旬報、kinenote、yahoo検索などに映画レビューを投稿しています。現在の目標は2回目のキネマ旬報採用です。
こちらのサイトには、2022年2月に登録しました。
宜しくお願いします。
ー以上ー
はじめまして
こちらこそ共感ありがとうございます
とても冷静で客観的ですが、自己主張も明確なレビューですね。
分かり易く読み易かったです。
私のレビューにも書きましたが、
本作、オッペンハイマーの伝記ですが、
原爆の恐ろしさ、狂気を捉えるには、
原爆を作った人(オッペンハイマー)、使った国(アメリカ)、そして、被爆した国(日本)、3者の視点が必要です。
日本の視点がないのは残念だと思います。
ー以上ー