劇場公開日 2024年3月29日

「バカにされて狂暴化する男たち」オッペンハイマー 雨丘もびりさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0バカにされて狂暴化する男たち

2024年4月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

面白かったです!ド文系監督が超カッケェ物理学に宛てた尊崇のラブレターみたい。サントラも異常値を叫び続ける計測器のように本能をビビらせてきて効果的。けっこうウルサイから普通の映画館で良かった。私は。
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実験苦手キャラのオッピー...って、ビーカーよく倒すとかそんなレベルでニガテだったの⁉️ホントかよ~😂。
わかりやすさ重視でサクサク進むから飽きずに観れちゃう。
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「恰好だけは科学者でいてくれ」って悲しそうに笑う友人がいいねぇ🥲。
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きっとノーランって「恋人との時間は速く進む」みたいな特殊相対論ギャグ好きなんだと思うわ🤭。いっぱい覚えてそう。
オッピーの失墜をストローズの愛憎嫉妬だけで説明するアマデウス展開はいくらなんでも無理あると思うけど、世界情勢はそういう愚かしい私利私欲で動く...という側面もあり、波動を捉えたら粒の質が永久にわからなくなる不確定性原理のド文系解釈に帰結するようでもあり、とってもノーランぽい。見立てがいちいちダサいっつーか💦なんかかわいかった。シメの台詞が私の思った通りすぎて笑ってしまった。
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オッペンハイマーが目をつぶる仕草、とても異様で良かった。
自分が目の当たりにすることよりも、脳内でスパークさせる壮絶な光景の方を重視する人物のようでもあり、ただ目を背けただけのようでもあり、だから彼への解釈は観客によって変容するのでしょう。
観た人それぞれによって如何様にも変質変化する映画だし、観客の内面もすさまじく変容させる危険な映画でもあると思いました。
それこそ、ヒロシマがテーマじゃない作品なのに、観客が被爆表現の是非に囚われて内圧を高め爆発の連鎖をおこしてる様もマンハッタン計画テキ。
よくぞ日本公開を....配給会社さんありがとうございます。
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実はすごい『プレステージ』に似てるかも!

雨丘もびり
Mさんのコメント
2024年4月13日

友だちもよかったのですが、それを素直に聞いて、スーツ姿に戻したのはよかったですね。

M