「物語の「ピーク」の設定が大変理性的。」オッペンハイマー やまちょうさんの映画レビュー(感想・評価)
物語の「ピーク」の設定が大変理性的。
ユダヤ人であるオッペンハイマーが、反ナチスの大義のもと自らの研究成果を示す「実験場」としてマンハッタン計画を推し進め、結果として過酷かつ数奇な運命を辿らざるを得なかっという話・・・と理解しました。
この作品のピークは人類最初の核実験「トリニティ実験」の成功であり、決して「広島、長崎への原爆投下」じゃないってところが、ノーラン監督の理性的、客観的視点の鋭さを良く表していると思い非常に感心いたしました。
トリニティ実験の迫力は想像以上なので、ぜひ音響効果の優れた劇場でご覧ください!
戦争終結後、一時的にメディアに持ち上げられ富と名声を得ますが、それは彼の今までの払ってきた犠牲とは全く釣り合わない形だけのもので、逆に軍縮を意見した国家、そして政敵にはめられて没落する様は見ていて痛々しいものでした。
そういうの好きな方は良いのかもしれないですが、公聴会の攻防に明らかに尺を取り過ぎで、しかも人物相関も複雑、時系列的にごちゃついていて詳細の理解は基礎知識あっても一度の鑑賞では常人にはたぶん無理でしょう。稀にレビューアーさんに可能な方がいらっしゃてほんと凄いと思いますが。
これがカオス大好きアカデミー賞の主要部門総なめってのは逆に納得しました(笑)。
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ゆ~きちさんのコメント
2024年4月2日
やまちょうさん、詳しい情報、ありがとうございます。
それは当然ですね。今でも日本人は原爆に対して忸怩たる思いを払拭できないのですから、戦後間もなくでは…。私がオッペンハイマーなら、日本に行こうとは、到底思いませんw