悪い子バビーのレビュー・感想・評価
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バビーは「ローマの休日」を「ローマの平日」にしました。そして死ぬまで幸せに暮らしました
最初の30分位、樋口毅宏(パンフレットでも文章寄せてます)の小説世界をグイグイ見せられているようでどうしようかと思った。樋口さんの小説は大好きだけれどあくまで文字だからOKなのであって、いきなり映像を突きつけられると、大変辛くて苦しい。逃げようかと思った。
バビーは35年たって逃げることに成功した。外の世界に出てありとあらゆる職業、立場、外見、年齢の人達と出会う。彼らの全てが不思議で新鮮で真似したくなるバビー。嫌な経験も漏れなくついてくるが、家の外に出られただけで興奮!自由!生まれて初めての体験ばかりなのだ。禿げて汚らしい格好だけど中身はバビーの「ローマの休日」!
バビーは結構ハンサムでいい顔してる。アップに十分耐える。ただ頭頂が薄いのだ。これがポイント!修道士!その修道士男バビーが何でも面白がってくれるロックバンド仲間とシャウト!かっこいい。
ことばもそうだけれど、バビーは姿形や趣味も繰り返す。牧師姿は胡散臭い父親から。ふくよかな女性が好きなのは母親がそうだから。女性の豊満体型のほめ方はママに言わせられたからと父親の真似。施設ではママのようにふくよかなエンジェルと出会う。エンジェルの親は娘の外見をこっぴどくけなす最低の人間。
子どもやハンディキャップのある人と心が通じるバビー。他人と出会い、バビーは路上で教会でライブハウスでベッドで飲み屋でたくさんの音楽に出会う。その音楽を耳にした時のバビーの心の揺れと感動はひしひしと私にも伝わってきた。
それにしても、30年前の映画とは思えない。親による子どもへの虐待オンパレード:家に閉じ込める、行動の自由と教育機会を奪う、暴力、近親相姦レイプ、不潔な家屋。一方で母親は息子の身体をシャワーで洗い、髭をそり、食事を与える。お母さんは仕事の為に外出していたのかなあ。一度息子を外に出したら絶対に帰ってこないという不安がママには大きかったのだろうか。夫がいつ帰ってきてもすぐに息子を見せてあげられるようにしたかったんだろうか。繭みたいに母子で固まってしまうのはよくない、というのは簡単だけれど、母親にとって何才になっても息子は可愛いのだろうし、ひどい仕打ち受けても母親から離れられなくなるのは共依存だろう。
「こりゃ、変だ!外へ!」とバビーが決断してよかった!きっかけは「父、帰る」。顔さえ知らないその男はバビーにとってはもはや他人だ。人間は親から受けたしつけや遺伝子など逃れられない部分も有るが、大人になるためには他人が必要だ。他者との出会いで人間は成長し成熟する。何でもかんでも親のせいにするのでなくて、一歩外へ!
人間性の獲得
外の空気を吸うと毒されて死ぬと母親に脅され、 生まれてから35 年間、1度も外へ出たことのないバビー。 まともな食事もなく、母親からはレイプや暴力を受けながら育つが、あることがきっかけで母親の嘘に気づいて、街へ出るという話。
自分を「人」として接してくれる社会がなければ、 人として生ま れても人間性を獲得できない。バビーは街へ出て、普通の人間社 会の中で、初めて人になれたんだと思う。 ハッピーエンドでも重苦しい気分。未来がいくら明るくても、バビーの過去が帳消しになることなんてないんだから。
予想よりはるかに良かった 元も子もないラストじゃないことも良かった...
予想よりはるかに良かった
元も子もないラストじゃないことも良かった
今の時代だと問題になりそうな場面も多々あった
昔は良かったですね
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