悪い子バビーのレビュー・感想・評価
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想像と全然違った!
冒頭の母親と暮らす牢獄のような部屋、禿げたおじさんが幼児のように振る舞い猫を虐待する、あげくに母親との近親相姦。あぁこれはだめだ、昔見て衝撃を受けたフリッツホンカの映画のようだと思ってた勝手にドイツ映画だと思い込んでたけど、気づいたら英語だねコレ。バビー、母親、父親全員に嫌悪感しか沸かない、食事しながら見てたけどいったん止めました。それくらい醜悪。外に出てからもバビーの薄気味悪い笑顔、短絡的な行動にウンザリしてたけど、バンドのトラックに乗せてもらってみんなでお酒を回し飲みしてる時のバビー、初めて嬉しそうにしてるじゃないの。あぁそうだ考えてみたらバビーは教育を受けていないだけで彼が悪いわけではないのだ、フリッツホンカとは違うのだ。それからはもう少し批判の目を緩めてあげようと思うんだけどやっぱりなんか気持ち悪いんだよな〜。が、バンドに再会した時のバビーが何ともかわいいんだわ純粋で。バンドマンたちも一度はほったらかしにした割にはちゃんとバビーのこと可愛がるし。ここからはバビーの人生いいことばかり。ラストは私が今まで観た映画の中で最高のハッピーエンドかなと思いますよ。前半は醜悪で不快だし、それゆえにものすごい長く感じる。ダメだこの映画と思ったけどここまで描かないと終盤が生きてこないからコレで良い、ラストはがんばって途中でやめなかった人へのご褒美って感じでした。
バビーなりの生き方
【”神の罰と救い”世間から隔絶された部屋でデブデブに太った狂った巨乳の母に育てられた男が母と戻って来た父に罰を下し、外界に出て多くの事を経験し善なる心を見出す物語。結構、深いです。】
■世間から隔絶された部屋でデブデブに太った狂った巨乳の母から、十字架の掛けられた暗く汚い部屋に閉じ込められていたバビー(ニック・ホープ)。
身の回りの世話の全てを母親が行い時には、母とセックスする日々を送っていた。ある日、35年振りに父が帰宅し、母を独占した事で、バビーは二人をラップにくるみ殺害し、初めて外界に出て、様々な人間と出会い、様々な経験をする中で神の救いを自覚無く行って行くのであった。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・序盤は、ハッキリ言って気持ち悪い。デブデブに太った狂った巨乳の母から、暗く汚い部屋に閉じ込められていたバビーは、食事の世話、散髪、セックス迄ママにして貰う。それが当たり前の様に。そして、ママの巨乳を撫でまわすのである。
・父が突然帰って来て、バビーは”神の罰”のように、自然に寝ている母と父の顔にラップをぐるぐる巻きにして、殺害し、初めて外界に出るのである。
・最初は危行を続けるバビーだが、聖歌隊の娘とセックスし、バーのロックバンドのボーカリストとして今までの自分に対する仕打ちや、世間のオカシサに対し、怒りを叩きつけた如き歌を歌う傍ら、身体障碍者のレイチェルに優しく接し、多少太ったエンジェルを愛する。エンジェルの両親は彼女を太っているというだけで罪だと罵るが、バビーはそんなことは気にしないのである。
因みに、このバビーの歌う曲が、結構格好良いのである。
■劇中、暗喩的に世界の主要な宗教を、宗教A、宗教Bと男が紹介し、宗教間の争いを床に描かれた各宗教の神(含む、仏教)を説明する)をシーンがあるが、非情に深いシーンだと思う。
今作の監督は、宗教こそが世界の諸悪の根源ではないか、とでも言いたげである。
・そして、バビーとエンジェルは一緒になり、二人の子を授かり、幸せに暮らす姿が、遠方から映されて、エンディングである。
<今作は、世間から隔絶された部屋でデブデブに太った狂った巨乳の母に育てられた男が母と戻って来た父に罰を下し、外界に出て多くの事を経験し、善なる心を見出す物語なのである。>
衝撃的すぎてあっという間の2時間!
冒頭からとにかく衝撃的!
35年間に渡り息子を監禁する母親。その関係性にまずは唖然とします。
バビーは教育を受けていないので、35歳の子どもそのもの。
かろうじて言葉は喋れるけれど、漸く外の世界を見ても、
人を模倣することから学びを得ていくのです。
生命の尊さ、愛情、純粋ゆえのコミュニケーション能力、音楽の才能への目覚め、
宗教観、など。いろんなことを学び成長していくバビー。
そのバビーが幸せそうなエンディングは観ていて救われる気持ちになりました、
きっと本作は30年前だからこそ出来た作品であり、今だと絶対出来なかったと思います。
30年後の今、本作を劇場で鑑賞できたことに感謝するとともに、
大変うれしく思いました。
観れるチャンスがあれば、是非とも劇場で鑑賞いただきたい作品です。
後半部分がやや詰め込みすぎ
最初に連想したのは韓国映画「オールドボーイ」
縁もゆかりもない2本だけど監禁とそこからの脱出から始まるところはもちろん、劇画っぽい展開というか顔のアップが劇画の大コマみたいに多用されるとこととか平面処理の感じがよく似ている。「オールドボーイ」と異なり原作が日本の劇画であるはずはないが。
ただ「オールドボーイ」が最後までエキセントリックな犯人探しと復讐に貫かれているのと違い、バビーは陰鬱に混乱しながら他人の都合に巻き込まれていく。途中までは手を差し伸べる人が現れてもすぐ捨てられる繰り返しとなり行き先は見えてこない。ついには留置場でオカマを掘られ放り出され元の家に戻って途方に暮れることになる。ここまでの負の疾走感?がとても面白い。
物語はここから身体障害者施設とライブハウスの2つで才能を示した彼が、伴侶も得て、居場所を見つけていく流れになる。ただ身体障害者とのコミュニケーションや、毒親との付き合い方、ルッキズム、果ては神の存在に至るまで、バビーの視点による問題提起は多岐にわたりいささか詰め込みすぎの感は否めない。
レビューでは前半より後半を評価する人が多かったが自分はむしろ前半の方が面白かったな。
話は変わるけどこの映画を観た横浜のジャックアンドベティ。コロナの影響もあるけど設備の老朽化に加えて漏水事故なんかもあって継続営業ができないというところまで追い詰められているらしい。日劇横浜の流れを汲む老舗の映画館でもあるし横浜では数少ない良心的なミニシアターだと思うので応援してやってほしい。クラウドファンディングやっているので検索してください。
超グロ系映画から成長物語に昇華する傑作
1993年に制作されたオーストラリア映画だそうですが、日本では過去にVHSビデオのみ発売されていた作品だったそうです。言ってみれば、日本ではこれまで陽の目を見なかった映画なのですが、今回ようやく劇場公開されることになりました。
それにしても、実に凄い作品でした。
序盤は観客の嫌悪感情を逆撫でするシーンの連続で、母子の近親相姦に糞尿、ゴキブリ、動物虐待と、流石に私もゾッとしました。要は傲慢な母親が、35歳にもなる息子を手元に置いておくために、息子を自宅に監禁し続けたことが根本的な問題で、究極の親ガチャの話でした。そういう設定だと、現実にもある児童虐待とか、そうした環境を醸成してしまう社会に対する批判を込めた作品になるかと思いきや、本作の凄いところは、35年間家から一歩も外出せず、社会に触れずに育った主人公・バビーが、何十年間も姿を消していた母親の夫が突然戻ってきたことをきっかけに社会に一人で放り出され、成長していくという感動の物語に仕上げていたところ。
まあ単純な感動という訳ではありませんでしたが、バビーには実は歌の才能、しかも即興で歌詞を作ってしまう才能があったとか、言語障害のある障碍者の言葉を理解してしまう能力があったとか、そうした奇想天外な展開も、35年間の監禁生活が生んだものなんじゃないかと思えて来るほど、不思議な魅力に溢れた物語でした。特に売れないバンドに拾って貰ってライブハウスで歌うシーンは本作の見せ場であり、原題のままの「Bad Boy Bubby」という劇中曲などは、思わず口ずさみたくなるようなテンポの良さで、序盤の陰鬱とした気分は完全に吹き飛んでしまいました。
最終的に、母親のに似た巨乳の女性・エンジェルと結婚し、子供を授かるバビー。普通なら「大丈夫?」と思うところですが、それまでにきちんと伏線が貼られていて、それを回収する形でしたので、安心して観ていられる展開になっていたのも感心しました。
そんな訳で、評価は★4.5とします。
"CAT WAS DEAD"
最近だと『ザ・バニシング-消失-』から『ヘンリー』など『アングスト/不安』や『クリーン、シェーブン』の流れのようで本作がシネマート新宿公開ではないにしろ、これの仄々ヴァージョンが『ブリグズビー・ベア』だったり救いは皆無の『ルーム』が続く先でもある感が、序盤は見るに堪えない場面の連続で嫌悪感が凄まじく、最後は苦し紛れの言い訳にしか取れないどう見ても"動物愛護団体が手錠をじゃらじゃら揺らしながら"の刑は否めない!?
ステージに立つバビーの姿が狂気じみて直立不動の姿がニック・ケイヴに映る佇まい、綺麗なものだけを見ていたい人間の願望が醜いようで、悪趣味に思える監督の見たくないものを観せる攻めた姿勢とバッドエンドからは程遠い結末が心地良くも何か引っ掛かるモヤモヤした気分に。
常識が身につくほどに自分を苦しめてしまう末路があるようで、幸せを噛み締めながら犯した罪から逃れる、脱れる、バビーはいつまでも悪い子ではいられない。
悪い子、良い子、宗教、環境問題etc
おっぱいとブルースロック
オーストラリアの映画。
モンスターマザーの呪縛から逃れることは絶望的な共依存状況。情報遮断は嫉妬深い悪女がとる常套手段。おもちゃも与えられないので猫にあたるしかない。ラップでぐるぐる巻きは彼の置かれてきた状況の象徴的な表現だ。知能は4歳程度から発達してない。言われたことの反復を繰り返す。
奇跡を巻き起こすのはブルースロックバンドの存在。バビーがこれまでに言われてきた毒のある言葉の数々がパフォーマンスに生かされる。反復と模倣しか出来ないはずなのに天才的に勘が働くバビー。みごとなフロントマンぶり。
爽快だった。
AC/DCのライブでの Whole Lotta Rosie ばりの爆乳人形😎
爆乳の場合はいきなり触ってもまず怒られないみたい
おっぱいの大きな女性は心もおおらか
バビーがずっと爆乳好きだったのは福音だった。
もしバビーが35年間も欺かれたことから爆乳嫌いになってしまっていたら、
彼は幸せなれなかったかもしれない。
ちょっとやそっとの巨乳や美乳でもバビーにとっては tiny tit なのだから。
1993年の映画?
30年前?
本邦初上映とは。
我々もバビーのように30年も情報遮断されていたのか。
圧倒的な解放感とカタルシスだった。
おっぱいとブルースロックがあればオレはどこまでもいける。
映画は創作。現実との境界線をはっきり持って見れば、ショッキングな場...
映画は創作。現実との境界線をはっきり持って見れば、ショッキングな場面も苦痛ではない。
人間の産業活動の結果、行き着いた果てで⚫︎処分されている動物たちが今現在の日本にいるという現実を考えれば、映画で見せられてる描写は単なる創作で、現実はもっと酷いということを認識させられる。
もちろん映画制作において動物を傷付けることは一切していないらしい。映画は創作だが、観るものは感情を揺さぶれる。
「人はどのようにアイデンティティを確立するか」
というのがこの映画の一つのテーマに感じられた。
それを確立するまでに、さまざまな障壁や束縛があるということも描かれている。その障壁や束縛は人によって”親”であったり、更にその”親”を束縛しているのは「宗教」であるのかも。
その中で色々な人と関わり、色々な人の思想の一部に影響を受けることで、ようやく自分の個性がシルエットとして現れてくるようだ。他人の真似事から始まり、やがて唯一無二の表現方法を得ることでアイデンティティを確立するのだ。ここまできて人間は初めて真に自立して大人(パパ、ママ)になることができる。
聖歌、バイオリン、バグパイプ、オルガン、ロック
バビーはおっぱい星人
イギリスの映画かなと思ったら、オーストラリアだった。
この手の内容の物としてはかなり良い出来だと思う。
90年代の映画で動物虐待シーンが有るから今だとなかなか上映、放送されずらいだろうなと予想する。結構私は重要なシーンだと思うので残念な事である。
エンドタイトルにとって付けたようにいつもの一文が出るが、低予算なのに作り物にしては出来がよい、、など怪しげであるが、、まあ時代なので仕方ない。
そういうの嫌いな人は内容以前で嫌いになるから見ないように。
安易な成り上がりサクセス、ハッピーなストーリーにせず、近親相姦、動物虐待、障害者、色々エグいシーンも避けずに描き切る事でバビーの純粋さや学び、葛藤をくっきりさせている事に成功してる事の方を私は評価したい。
役者達も素晴らしい。
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