「雑談」青春ジャック 止められるか、俺たちを2 またぞうさんの映画レビュー(感想・評価)
雑談
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83年4月名古屋の第二志望大学に入学、開館直後のシネマスコーレ会員番号52番。映研に入り一本だけ監督作もある。劇中で語られたのと同様、その前年に名古屋まで見に行った「爆裂都市」がダメで同時上映の舐めてた「水のないプール」に感動、それをきっかけに「若松孝二」を意識、「俺は手を汚す」もんだ。キネ旬映芸も読み、ピンクやロマンポルノの傑作にも触れた。ただ映画だけがすべてというわけではなく普通に就職してもうすぐ定年を迎える。そんなおいらにとって、この作品は時代背景も含め単純に測れない。そして分厚いパンフレットも読み物として楽しんだ。
映画で特に良かった点は東出昌大。「福田村事件」のエロい青年が、黙っててもあふれるフェロモンをフリーレン張りに消し去り見事に木全さんと化している。そして井浦新はもう若松孝二にしか見えない熱演。
だが嫌だった点も。まず井上の河合塾映画とそれにまつわる出来事の挿話が長すぎたことと金本の扱いが半端なこと。そして砂丘以降のまとめ方は意味不明で雑だ。
フィクションと明言されている金本は映画愛も創作意欲も語るべき葛藤をも抱えた存在であり、井上より若松孝二監督に接する機会も多いはず。サイドストーリーとして彼女を膨らませカタルシスに持って行くこともできたのでは。そして映画秘宝の坪井現支配人のコメント通り、あくまで若松監督と木全支配人の劇場にまつわるストーリーを中心にしたほうが良かったかもしれない。
とはいえおいらの青春のカタワレに触れられ、落涙したことも事実であった。
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