夢みる校長先生のレビュー・感想・評価
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【”学校教育法37条4項。「校長は、校務をつかさどり、所属職員を監督する」”公立小中学校の画期的な学校運営をする6名の校長たちの姿や言葉から学ぶことは多い。”と思ったドキュメンタリー作品。】
ー 今作では6人の校長先生の画期的な言葉や姿が映し出される。
その表情は明るく、発せられる言葉は、教育の場を越えて響く尊崇なものであった。-
<Caution! 作品内容に触れています。>
■登場する6人の校長先生
1.子供達を比較しないために、通知表を廃止した校長先生。
副次的にそれまで100時間掛けて、通知表を作っていた先生たちの工数低減にも繋がっている。
ー ”他の子供達と比較しても、親御さんと話しをしても負の話題にしかならない。”この言葉は名言である。どのような組織でも同じであると思う。-
2.宿題なしにした校長先生。
3.60年間‼通知表や時間割がない学校の校長先生。
4.コロナ禍でも、科学的根拠に基づき(中学生までの発症率は異様に低い。)修学旅行、学園祭を腹を括って続けた校長先生。
ー 子供達の嬉しそうな表情の数々。-
5.校則を無しにした校長先生。
6.校長は常に笑顔であるべきという信念と、校長に就任した際に、校長室の壁を取り払い、校長の机を捨てた!校長先生。
<このドキュメンタリー映画を観て感じたのは、6人の校長先生の基本的な思想には、
”何かあったら、自分が責任を取る!”
と言う強い想いと、”子供にも人権はある!”という当たり前の事が、柱になっている事である。
そして、幾つかの言葉は、学校教育だけでなく、会社組織や私達大人にも合致すると思ったのである。
”校長先生は大統領”という言葉が出てきたが、この6人の校長先生は、人間としての器が大きく、且つ揺らぎない信念を持っているのである。
皆さん、偉そうではないし、教育委員会の言いなりではなく
”子供の事を第一に考えている。”
姿勢が素晴しいと思ったドキュメンタリー作品である。>
<2023年9月10日 刈谷日劇にて鑑賞>
取り上げられているテーマは面白い。編集がちょっと
校長アベンジャーズは見応えがあった。
ここで挙げられている校長先生たちはおそらく現場では異端な存在。でも「責任はとる。正しいと思うことをする」のいう信念のもと動いている。
そんな姿に心揺さぶられるものがあった。
アベンジャーズたちからの投げかけられた「今のままの今日行くでいいのか?」という問いに対する答えは映画を観た人が自由に判断できる余白のある編集にしてほしいとおもった。
時々、インタビュアー(監督?)の誘導尋問のような声がかぶって、私はそこで「あー、監督のこういう流れのドキュメンタリーにしたいんだなー」というのをところどころ感じてしまい、インタビューにこたえている人ではなく、制作側の意図の方が前面に出てきて、押し付けられてる感じちょっと冷めた。
この映画の伝えたいと思われることにおおむね賛成です。だからこそ、押し付けられると、観る人によっては引かれてしまうのかな。もったいないなと感じた。
インタビュー中のポップな背景もちょっと邪魔かな。
黒板に「校則ゼロ」とだけ書いてある教室のシンプルな背景の方が話が入ってきやすかった。
あと、校長先生をぎゅーって抱きしめてる手のアップ。
こんなことを、指摘するのがくだらないとは分かっていますが、誤解を受ける場面だと思います。
抱きしめている児童の表情も見えないので私はなんかいいシーンには思えませんでした。
ただ、あの強く抱きしめる手が校長先生への信頼の強さを伝えたいシーンだということは理解しています。
この前例は、どこまで踏襲可能か
前作『夢みる小学校』にも取り上げられていた伊那小学校と桜丘中学校がまた出ていて、伊那小学校と境南小学校の後任校長が、前任校長のやり方を踏襲すると言っていたのは良かったけれど、桜丘中学校の後任校長が出てこなかったので、継続されていないのかもしれない。卒業生が、将来教師を目指したいと言っていたけれど、そのようなことが認められている学校ばかりではないので、潰されないことを祈るばかりである。伊那小学校その他での総合学習のやり方は、生活単元学習に似ているが、系統的な知識習得のための教科の授業は別にあるようで、ドリル学習のようにならないことも大事であろう。足尾中学校長のコロナ禍における学校行事の敢行は、驚くべきことである。日枝小学校長の不機嫌にならないことについて、桜丘中学校長と意見を異にしていたけれど、昇任試験でそれを求めるのではなく、学校現場で教職員や子どもに判定されることが望ましいのではないか。
希望をみよう! 公教育に絶望を感じきる前に、希望をみよう!
オオタヴィン監督作品は、
と~ても好きなので、公開からすでに二回程見ました。
昨年まで、公立小学校の空き教室を利用した学童保育に勤めていましたが、
敷地は同じとはいえ、学校から解放されてもなお、
放課後に宿題に縛られる子どもたち…
毎回それを見ていて、とても気の毒に思っておりました。
何か…宿題の量も昔より多いのです。
1~3年生で国語(漢字)と算数のプリントが一枚ずつ…
毎日毎日あるんです。
宿題で学力が上がると思っている親御さんがいるんですね…。
(親御さんだけでなく、教育委員会なのか、はたまた学校や先生自体がそう思っていそうですね…。
それが映画で紹介されているように、
宿題自体が無い小学校が公立にあるのですね!!
本当に驚きです。(◎_◎;)
本当に子どもたちの大切な時間を、宿題なんかで奪わせたくないですね!
そうそう!大人も残業(宿題)は、嫌ですよね。
夏休みも宿題ゼロの小学校なんて、8月末に憂鬱になることもなく、
のびのび過ごせそう!
どこもプチ刑務所と言っても過言ではない日本の公立中学校。
それが自由で楽しい!もびっくりです。(◎_◎;)
桜丘中は、夢みる小学校でも紹介があったように、校則がゼロの中学校。
そこは、わかっておりましたが、映画で登場された
卒業生の「楽しい思い出しか出てこない~!」という言葉に、
うらやましい…という思いと、じわじわと思い出される
中学校時代の負の感情…。
この負の感情を抱いた人は、私だけではないはず。
校則などをはじめとして、一般的な学校の理不尽なルールに
なぜ?どうして?この疑問を思い浮かべることは「罪」のように
訓練されてきた中学校時代。
思い出したくもないですよね。
それが、楽しかった~なんて、本当にうらやましい。
一緒に観た子育てしてきた友人曰く、
このように思春期にのびのびと、
したいことをできるということは、
その後の人格形成にとてもとても重要なんだと、感じたとのこと。
本当にそうですね。
通知表が無い(相対評価されない)学校も、
その子の延びている点を言葉で評価するということで、
評価しないわけではないとのこと。
これはとても心強いし、
先生が自分をちゃんと見ている、応援を受けている感覚がありますよね。
※評価というと、点数を付けられるような感じがしますが、
成長の度合いを言葉でフィードバックするということです。
その子をきちんと見ないと、
その成長の変化を見届けることはできませんよね。私からすると
ペーパーテストで評価されない、その子らしさを言語化するというのも、
ボキャブラリーというより、逆に
その先生の度量や人間性を試されているような気がします。
過度なコロナ対策を施さなかった中学校も、涙が出てきそうでした。
どうして、子どもたちばかりが黙食や登下校のマスク着用を強要されなければ
ならなかったのでしょうか?
大人が居酒屋でマスク外して宴会してても、子どもは給食を黙食ですよ。
5類になった今も屋外でマスク外していいとなっても、
オトナも外していないじゃないですか。子どもももっと外していないですよ。
本当に大人の責任ですよね。
メディアには、この学校の取り組みは、到底出てきませんよね。
校長室がない学校は、どちらかといえば子どもファーストでは無いかもしれませんが、
最終的に「ご機嫌」であること。
大人であれば自分の機嫌は自分でとるのが普通です。
これは、どの組織でも大事なことですよね。
これも大人の度量が試されますね。
キョンキョンのナレーションも、
普段からの彼女の言動からもイメージがとても良いので
説得力があって、元気がでます!
去年88歳で亡くなった父が、コロナ禍になってから、
「なんか戦前みたいで気持ち悪い」と言っておりました。
タモリさんもおっしゃっているみたいですよね。新しい戦前と。
普段、その点をあえてクローズアップしない
オオタ監督もさすがに戦争できる国民づくり(それを報道しないメディアの自由)に
危機感を覚えて、あえて入れたのとのこと。
それも納得いたしました。
「不登校の児童」がクローズアップされても、そもそもの
「不登校を生む環境の学校や教育委員会の体質」が、
クローズアップされない日本のメディア。
成績表の有無も、結局メディアのスポンサー(学習塾)に忖度してて、
メディアに登場してこないような気がします。
あ!学校の先生も不登校になっていますよね。
この教師不足の時期に。
私の地方の小学校の先生をしていた友人も、
昨年から学校に行けず適応障害になりました。
すべての学校がこうなった方がいいではなく、
47都道府県の公立の各地域に一校でも
「夢みる校長先生」にあるような
「特徴のある学校」が生み出されない限り、
どこ行っても同じだったら、学校も見向きもされません。
このまま腐るのもいい加減にしないと、
学校もメディアも見向きもされませんよ。
オオタ監督の映画を通じて、
改めて、自分の疑問が正しかったこと
感じたことが正しかったことを認識できました。
絶望しきる前に、希望が持ててよかったです!
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