「ラストは良かった」火の鳥 エデンの花 kenichiさんの映画レビュー(感想・評価)
ラストは良かった
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高校生の時に原作の望郷編を読み衝撃を受け、とても感動した。
今回の映画化では、近親婚的な描写やロミの若返りの代償としての死、エデン17でのクーデターとロミの不在によるエデンの壊滅などなど、原作が持っていた毒気のような部分が削ぎ落とされていた。
基本的な展開は原作通りなのだが、そうした毒気が抜けたことで、映画を観ている間、ずっと本道ではなく側道を走っているような感覚だった。
原作の毒気が苦手な人にはこちらの方が観やすくて良いのかも知れない。しかし個人的にはやはりあの手塚治虫ならではの毒気が原作で得た衝撃と感動に繋がっていたのだなと再認識した。
それまでの感想としては、期待したほどではなかったなと思っていたのだが、ラストのエデンに帰ったロミが、おそらくムーピーと思われるジョージに再会したところでその思いは良い意味で一気に覆った。
この先、ムーピーとロミでまた子供を増やし、崩壊したエデンをまた2人で建て直すという、黎明編的な展開をほのめかしているように思えたからだ。
それは原作が持っていた要素を確かに受け継ぎつつ、原作とは違った展開でそれを表現しているように感じた。
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